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湯野 |
全体的に丸みを帯びていたP209iS、P503iS、P2101Vといったこれまでの松下通工製の折りたたみ型端末とはちょっと趣きが異なるデザイン。折りたたんだ時など、パッと見た感じでは「えっ、これってPなの?」と思ってしまうが、開いて使い始めると「あ~、やっぱりPだ」となる。
私としては、注目どころはやはりiモード端末初となる32和音の着メロとなるのだが、実のところ、最初から登録されている着メロも「まあ、こんなもんか」という感じだ。単音から3和音、4和音になった頃や16和音になった頃のインパクトからすると、さほどでもないというのが率直なところ。
自作着メロも、3つのメロディライン+コード伴奏(リズム付き)という仕様で、入力インターフェイスは昔ながらの方式。ダウンロードサービスが普及した昨今、着メロの自作機能はもはやオマケ的なものでしかないのかもしれないが、自作派としては何とも寂しい限り……。
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松下 |
直線的なデザインがスマートな「P211i」。「FOMA P2101V」や「P503iS」、「P209iS」といった松下製の“折りたたみ”タイプは、これまでスポーツカー(?)を思わせるような丸みを帯びた流線形のデザインが多かったので、「P211i」はこれまでのデザインが一新された印象を受けます。ボディカラーのラインナップもなかなか。特に「ピンクダブル」の色味は、写真と実物で見るのではちょっと感じが違い、実物は写真よりもメタリックでピンクピンクしてないところがオシャレです。
6万5536色STN液晶も明るく鮮明で、文字入力は連文節変換や推測変換機能でスムーズ。そして着信音は32和音! 16和音と比べるとその違いが若干わかるような気もしますが、「D211i」や「SO503iS」などの24和音と聞き比べると、さすがにもう素人の耳ではその違いを聞き分けられない感じではありますが、現ラインナップのiモード端末では最大の和音数だったりするのは何気に注目だと思います。
また、「サウンドミキサー」ではジャズやJ-POP、R&Bなどのジャンルから、リズムや伴奏パターンを組み合わせて様々なメロディが作成できるので、メロディを一から自作するほどの気合いがない私などにはちょうどいい。ダウンロードメロディや自作メロディと連結させて1つの着信音にすることもできるので、なかなか楽しめると思います。
おなじみのアイコンメニューはとても使いやすいんだけど、以前使用していた「P209iS」と比べるとメニュー項目がやや細分化されてきたので、どこに配置されてるかを一通り把握するまではちょっと探してしまいましたが、液晶や和音数、文字変換機能などがパワーアップし、全体的に機能が向上している満足感が得られると思うので、Javaアプリにこだわらない人にはオススメしたい端末です。
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伊藤 |
松下の折りたたみ型端末というと、P209iSのようなシェルデザインが真っ先に頭に思い浮かぶが、今回、思い切ってデザインを直線主体のものに変えてきた。今回レビューで使用したハードブラックは、紺っぽいブラックで高級感もある。
P211iでまず挙げたいのは、入力環境の改善。ようやくPも連文節変換・インライン変換に対応したかという感じ。一度に入力できる文字も、P503iSの7文字から24文字に拡大されている。ただし、予測変換機能はちょっと期待はずれ。たとえば、「あ」と入力してからメールボタンを押すと「あ」から始まる単語の予測変換候補がリスト化されるが、このリストがディスプレイ全部を覆ってしまうのだ。リスト内にあれば、そのまま確定すれば何ら問題はなないが、なかった場合はもう一度ボタンを押して編集画面に切り替え、続きの文字を入力、もう一度予測変換リストから探す……という作業が必要になる。これなら普通に入力していった方が早い気もしてしまう。
操作系も使いにくいと感じることがあった。使用頻度が高い音関連の設定とディスプレイ関連の設定をそのほか諸々の設定メニューから切り離し、個別にメニューを設けているからだ。「ええと、あの設定はどのメニューからやればいいんだっけ」と「窓口」が多すぎて迷う。慣れの問題もあるだろうが、ショートカットメニューでカスタマイズする方法も用意しているのだから、設定関連の「窓口」はひとつの方がわかりやすいんじゃないかと感じた。
逆に感心したのは、フロントスピーカーによってヒンジ部分とボタンに適度な距離があるため、ボタンが押しやすくなっていること。折りたたみ型では、ヒンジのそばのボタンが押しにくい、なんてことがあったが、フロントスピーカーを配置しボタンとヒンジの距離を保つことで使いにくさを解消している。まさに一石二鳥。目立たない改善だが、使い込むとこの差は大きいんじゃないかと思う。
もうひとつ、P503iSではメモボタンを長押しすると伝言メモを設定するだけだったが、折りたたんだ状態でマナーに切り替えできるのは秀逸。メモボタンを押せば、プライベートウィンドウでマナーモードを設定しているかどうか確認できる。
メールの一覧表示設定も便利。本文の冒頭部分と相手のメールアドレスを見ながらメールを探したり、目的によって自由にカスタマイズできる。
いろいろ書いたが、実は私はこの端末をかなり気に入っている。211iシリーズというエントリーモデルに属されるモデルながら、松下がデザインから中身まで、今までのものと大きく変えてきたからだ。今のところP211iのほかにD、F、Nと3機種の211iがあるが、私はこれをいの一番に挙げたい。 |