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ケータイ新製品SHOW CASE
FOMA P2101V(試験サービス用)
2001/6/25貸与開始



P2101Vのデザイン

 P2101Vは、iアプリ対応端末「P503iS」と同じく、パナソニック製の折りたたみ端末だ。丸みを帯びた折りたたみデザインなど、似ている部分も多い。しかし「iモードのロゴがない」「アンテナが外部に露出しない」「新機能用のボタンが増えている」などの違いがあるとともに、大きさもだいぶ増している。


ちょうつがい部分にカメラがついている。カメラは262.5度の回転が可能で、画面を見ながら自分撮り・他人撮り両方行なえる 背面はメモボタンとプライベートウィンドウ

ボタン面はP503iSに「TV電話ボタン」「シャッターボタン」「マルチボタン」といったFOMA独自の機能を追加した配置 データコネクタはN2001と同じく、FOMA独自形状。ただし、P2101Vではパソコン接続のデータ通信は未サポート

P2101Vのイヤホンマイク

 P2101Vには専用の独自形状端子採用のイヤホンマイクが同梱される。テレビ電話など、画面を見ながら通話するときに便利。


イヤホンマイク端子は平型の独自形状 付属するイヤホンマイクは、着信ボタンもついている

P2101Vの充電スタンド

 P503iSなど、パナソニック製の折りたたみ端末の充電スタンドは、これまで縦置き型が主流だったが、P2101Vでは横置き型になっている。充電スタンドの底面には三脚用のネジ穴があるので、三脚に固定したP2101Vを使ってテレビ電話も行なえる。


充電スタンドも曲面を多用したデザイン 充電スタンドは底面に三脚用のネジ穴がある

P2101VのFOMAカードと赤外線インターフェイス

 P2101VでもN2001同様、端末自体の電話番号を書き込んだFOMAカードを使う。FOMAカードを入れていないと、通話などの操作ができない。


FOMAカードのスロットは電池の下 FOMAカードは跳ね上げるようにしてはずす

FOMAカード。他のFOMA端末と同じ形状をしている 赤外線ポートは画面側の左側面

画面表示

 P2101Vの操作体系は、P503iSとほぼ同じだ。最大9つならぶアイコンメニューとオーソドックスなリストメニューの組み合わせなどは、P503iSと同じ。ただ、画面の解像度が向上している分、文字やアイコンはより精細なものとなっている。
 解像度は公表されていないので不明。編集部で取り扱った端末は、画面の実測アスペクト比はおよそ4:5(横:縦)だった。最大で176×144ドットの画像を表示できる(それ以上の解像度では縮小する)ことから画面横幅を176ドットと仮定すると、搭載画面は176×220ドット程度と推測される。
 ちなみに編集部で扱った端末の画面には、うっすらと右上から中央下にかけて、黒い線が写りこんでいた。肉眼ではうっすらとしか見えないのだが、真正面からバックライトのみで撮影すると強く写りこんでしまう。少々目障りなのだが容赦願いたい。これが画面の仕様なのか、端末の個体特徴なのかは不明。
 なお、画面の発色数は26万色で、携帯電話としては最大級となる。画面の方式については公表されていない。


P503iSでのアイコン画像(第1階層メニューの中央)。P503iSとP2101Vではデザインが似ている P2101Vでのアイコン画像(第1階層メニューの中央)。実物に近いデザイン

P503iSでの文字表示(第3階層メニューの文字)。このあたりのメニュー内容はP2101Vと同じ P2101Vでの文字表示(第3階層メニューの文字)。「量」の字に注目。より細かくかかれている

第1階層のメニューはアイコン形式。デザインは2種類から選べる 第2階層のメニューもアイコン形式 第3階層のメニューはリスト形式

標準では10字×8行表示 縮小表示させると13字×10行表示になる メールの入力は単文節変換でインライン入力ではない

P2101Vでiメニューにアクセスすると、トップに「M-stage」の項目が来る M-stageメニューからはパケット通信でなく、64kbpsの回線交換式通信に切り替わる N2001同様に、FOMA専用の「今週のお知らせ」。iモードメニューもFOMA独自のもの

カメラ動作中。決定ボタンで「静止画」→「連射」→「動画」と撮影モードを切り替え 撮影画像のリスト表示。画像リストは、静止画・動画で操作は同じ サムネイルを表示させながら画像を表示させることもできる

静止画の表示画面 動画の再生画面 動画は最大4枚まで同時再生可能

撮影画像

 P2101Vでは2種類の解像度、3種類の画質でJPEG画像を撮影できる。ここではメールで転送できるものについて、そのままの形で掲載する。なお、P2101Vには画像縮小機能があるため、閲覧時は176×144ドット以上の画像を自動縮小してくれる。
 なおP2101Vの撮影画像は、J-フォンのカメラ内蔵端末とは違って横長となっている。


CIF(352×288ドット)のノーマル画質画像(7.07KB)。これ以上画質を上げるとメールで転送できない

QCIF(176×144ドット)のファイン画質画像(3.78KB) QCIF(176×144ドット)のファイン画質画像(3.21KB)

テレビ電話

 テレビ電話は、ハンズフリー機能を使うことで、P2101Vを手に持って行なうこともできる。しかしスピーカー音がそれほど大きくないので、イヤホンマイクを使った方が良い。
 また、搭載するレンズは広角タイプではないので、普通に構えると自分の顔しか写らず、非常に暑苦しい印象を与える。できれば三脚などに固定して、P2101Vと自分との距離を調整した方が良いだろう。
 テレビ電話は3GPPで標準化されたテレビ電話国際規格「3G-324M」に準拠している。64kbpsで接続したところ、ほぼ問題なく動画付きの会話を行なえた。


三脚に固定。充電スタンドが横置き型なので、充電スタンドだけで卓上に固定してカメラと画面を自分に向けるのは難しい テレビ電話中(相手はドコモの試験サービス事務局)。右下に自分の画像(この写真ではカメラを構えている)が映る

仕様で見るP2101V

 ドコモの次世代携帯電話サービス「FOMA」の試験サービス用にモニターに貸与されたパナソニック製端末。FOMAは次世代携帯電話「IMT-2000」の1つ「W-CDMA」方式を採用したサービスで、高速なデータ通信と高品位な通話が期待されている。
 P2101Vは「ビジュアルタイプ」と称されるもので、画像関連機能を強化しており、カメラと26万色カラー画面を搭載する。画面解像度は公表されていないので不明だが、おそらく現行の携帯電話としては最高解像度と見られる。
 カメラで静止画を撮影してメール添付できるほか、動画を撮影することもできる。また、64kbpsの回線交換式データ通信を使うことで、P2101V同士でテレビ電話を楽しむことも可能。64kbpsのデータ通信を使って、ドコモの画像配信サービス「M-stage visual」を利用することもできる。このほかは503iシリーズと同じで、SSLに対応したブラウザを搭載し、iアプリ、iメロディを利用できる。
 これまでの国内の携帯電話・PHSでは通常、端末本体に電話番号情報を書き込んでおり、機種変更は店頭で行なってもらう必要があった。しかしFOMA端末では、欧米のSIMカードと同じような「FOMAカード」を採用する。FOMAカードの入っていない端末を買ってきて、FOMAカードを自分で抜き差しして新しい端末に移行することができる。
 なお、今回ご紹介するのは編集部で調達した1台の端末についてとなっている。P2101Vは試験サービス用の端末なので、生産ロットで仕様が異なる可能性もあり、交換によって画面の解像度が変わった、などという可能性もある。また、正式サービス開始時に同様の端末が発売されるという保証もない。とくに試験サービスから正式サービスまでは半年近い時間があるので、ご参考程度に見ていただきたい。

【おもな仕様】
サイズ
(高×幅×厚)
104×56×35mm
重量 150g
連続通話時間 音声通話:約100分、TV電話:約65分
連続待受時間 約30時間
充電時間 約110分
ディスプレイ カラー(26万色)
表示文字数 10文字×8行、13字×10行
メモリダイヤル 500件
リダイヤル・着信履歴 各20件
データ通信速度 下り最大384kbps(パケット)、64kbps(回線交換)
ボディカラー ブルー/ピンク

【iアプリ】
iアプリ件数 ・ダウンロード:10件まで
・登録済み:なし

【インターネットメール】
サービス名 iモードメール
利用料 送信・受信ともに1パケット(128バイト)ごとに0.05円(試験サービス時は契約料金不要)
メール受信機能 全角5000文字まで。
メール送信機能 全角5000文字まで。10個までの画像・メロディを添付可能。
メール保存件数 送信:最大100件
受信:最大200件

【着信メロディ】
和音数 16和音
着信音 ・登録メロディ:8曲
・ダウンロード/自作メロディ:30曲まで
登録メロディ曲名 ルパン三世のテーマ’78
アンチェインド・メロディ
素直になれなくて
プレイバックPART II
聖者の行進
SCARBOROUGH FAIR
ピアノ協奏曲第1番
主よ人の望みの喜び
和音着メロダウンロード 可能(iメロディ対応)

【カメラ(静止画)】
撮影可能解像度 QCIF(352×288ドット)
CIF(176×144ドット)
撮影可能画質 スーパーファイン、ファイン、ノーマル
撮影可能容量 100件もしくは300KB(CIFのスーパーファインで約10枚、ノーマルのQCIFで約70枚)

【カメラ(動画) 】
撮影可能フォーマット ASF形式
撮影可能画質 スーパーファイン、ファイン、ノーマル
撮影可能容量 100件もしくは800KB(1回の撮影で連続35秒~60秒。合計で70秒~120秒)


スタッフが見たP2101V

コメント
工藤  この端末を持っての第一声は、ほとんどの人が「大きい」「重い」というもの。高機能化した最近のケータイでは折りたたみで100g超えるのは普通だが、それでも150gとなると、誰もが重いと感じるようだ。
 液晶は高精細で、低温ポリシリコンかなとも思ったけれど、まあこれはまったくの推測。高精細になったことで、メールやWebの読みやすさは格段に向上している。長いテキストがあまり苦にならずに読めるのには驚いた。また、テレビ電話もさすがに30フレーム/秒というわけにはいかないが、パラパラGIFアニメのようなものすごくぎこちない違和感はない。26万色表示のため、相手の画像もきれいで、実際試してみるとこれはかなり面白そう。というか、ダンナとお揃いで買いたい! 電池の持ちという問題はあるものの、予備電池を持てばいいわけで、価格が高くても欲しい人はそれなりにいると思う(もっとも、製品時には全然仕様が違うかもしれないけれど)。ISDNのテレビ電話より、自然なのには感動しました。
湯野  カメラ付きでテレビ電話ができるという“次世代”を絵に描いたような端末。よくよく考えてみれば、ドコモとしてカメラ付きの端末を出すのは、これが初めて。液晶が大きくてキレイだし、動画も撮影できるし、機能の面では特に文句はないのだが、とにかくデカイ。そして重い。もっとも、eggyの機能を詰め込んで、音声通話ができて、さらにiモードも使えるわけだから、これだけの大きさになったというだけでもすごいのかもしれないが、150gといえば、いまどきのケータイ2個分の重さなわけで、かなりの重量感がある。
 そして、肝心のテレビ電話。テレビ電話機能というと、かつて京セラがDDIポケット向けに出荷した「ビジュアルホン」という端末があったが、動画がカクカクで、音もほとんど聞き取れないという、わりと嫌な思い出もある。しかし、P2101Vでは、普通にテレビ電話ができてしまう。というわけで、ここ数年の技術の進歩を実感。
白根  操作系統は完全にパナソニックの伝統を踏襲しているので、パナソニック製端末に使い慣れた人には良いと思う。次世代携帯電話でしかもテレビ電話ができたりするスゴイヤツなのであるが、文字入力はインライン入力ではなくて単文節変換というあたりがちょっと腰砕け。まぁ、使い勝手に関しては現状の携帯電話の完成度が高いという証拠なんだけど。
 実際にテレビ電話を使ってみたが、ほとんど問題なく会話ができた。画像も「アニメーションしている」と思えるくらいに動いていた。テレビ電話は初めて使ったので、ほかのテレビ電話との比較はできないけど、表情の動きとかもある程度は見れるので、十分使い物になる印象を受けた。このテレビ電話で人と会話をするのはなかなか楽しいかもしれない。もちろん画像が加わったことでコミュニケーションに深みも増す。「電話に向かって頭を下げる」というクセが意味のあるものになるとはちょっと感動だ。
 個人的な印象だが、このレベルのテレビ電話ならば「新しい技術だー」という理由だけで遊ぶ人だけでなく「遠く離れた恋人とテレビ電話を楽しみたい」という遠距離ラバーにも使い物になると思った。でも、ほかの通信インフラに比べて格段に通信料が高価なので、使いすぎに注意。
 カメラ搭載の携帯電話として、静止画を撮影してメールに添付できるのは、すでにJ-SH04を初めとするJ-フォン端末などで実現されているので、それほど真新しい気もしない。解像度は高くなっているけど、メールの容量制限が10KBまでなので、キレイな画像をメール転送できるわけでもない。それでもカメラ搭載の携帯電話はいろいろと面白いので、iモードでも早く商品化して欲しいと思った。


・ FOMAの紹介ページ
  http://foma.nttdocomo.co.jp/
・ ニュースリリース(FOMA試験サービスについて)
  http://k-tai.impress.co.jp/news/2001/05/10/foma.htm

ドコモ、FOMA試験サービスのモニター公募を開始



2001/07/12 00:00

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