P901iTV相当の画質というECOモードは最長7時間の連続視聴が可能となっているが、実際に使ってみると、より高輝度ではっきりした画質で見たいという欲求が先に立つ。通勤通学時という限られたタイミングでワンセグを視聴するならば、長時間よりも高画質を優先してしまうだろう。ただし、7時間という視聴時間は、D903iTVやSH903iTVよりも長く、P903iTVが他機種よりも優れている点の1つ。ワンセグケータイとして、P903iTVを選ぶ理由の1つになるのだろう。
またホイップアンテナと内蔵アンテナで“合成ダイバーシティアンテナ”が実現されており、普段は「TOKYO MX」が視聴できない自宅近辺でもP903iTVではなんとか受信できたことには驚いた。
ワンセグ関連では、視聴中にメールを受信すると、縦画面でメールを表示して返信できるなど、マルチタスクがサポートされている。もしメール設定で「通知優先」を選んでいると、ワンセグ視聴中でもメールが届けばそちらに画面が切り替わるので、視聴を邪魔されたくないのであれば「操作優先」にしておこう。
個人的には、同梱ソフトの「SD-Mobile Impact」によって録画した番組をパソコンにムーブできるところに注目している。詳しい操作感はAV Watchでレポートされているが、テレビやHDDレコーダーがなくとも、パソコンと携帯電話によって気軽にテレビを楽しめる環境が構築できるというのは面白い。これらの点によってワンセグ機能に注目する人にとっては、魅力的な機種に仕上がっていると言えるだろう。
一方、携帯電話として見ると、P903iTVはやや大振りなサイズであることが気にかかる。先述したような各機能を考えると、サイズ面については私が欲張りかもしれないが、今回手に取ったレッドの場合、ヒンジ部周辺は結構圧迫感があった。これはシルバーなど他のカラーであれば、そのあたりの印象は変わるかもしれないので、店頭で比べてみるのも一興だろう。このほか、操作感はP902i以降のPシリーズとの差が感じられない。もちろんメニュー画面の切り替えなどはより分かりやすくなっているのだが、「ワンセグは必要ない」というPユーザーにとっては、P903iTVへ機種変更するメリットは多くはないと思う。やはりワンセグが必要かどうか、という点を踏まえて、購入を検討してみてはいかがだろうか。