VGA液晶と5メガカメラを搭載した、ソフトバンクの最強フラッグシップケータイ。「ワンセグの911SH」とともに、ソフトバンクのハイエンド・ツートップを構成する。こちらは「カメラの910SH」だ。
光学3倍ズーム付き500万画素のカメラは、まだケータイカメラの範疇にあるとは思うが、それでもほかのケータイカメラとはレベルが違う。本体をたたんだ状態でも、側面ボタンで一通りの操作が可能だ。精細なVGAディスプレイのおかげで、デジカメを使っているような気になってくる。撮影時には、最近では当たり前になったホワイトバランスなどの設定に加え、ISO感度を自分で調整することも可能になっている。次の機種では、シャッター速度優先モードあたりが実装されそうな勢いだ。レンズふき付きストラップの使用が必須である。
非常に美しいVGAディスプレイだが、大きさは2.4型と平均的なので、メール時などにはメリットは少ない。長文メールを読むには、大型縦長ディスプレイの方が有利だ。ソフトバンクでは、2.6型ワイドQVGA(240×400ドット)を搭載する911SHの方が、同時に表示できる文字数は多い。VGAディスプレイは表示が美しいが、必ずしも「あらゆる場面でもっとも見やすい」とは限らないということに注意しよう。
機能面でいうと、おサイフケータイからホットステータスなどの最新機能まで、一通りの機能に対応している。ただし、残念ながらGSMのローミング機能とGPSは搭載していない。初代VGAケータイの904SHより退化しているじゃん、と突っ込みたくなる。重さなど気にせずに「最強ケータイ」を突き進んでこそのシャープなので、9XX系くらいは、容赦なくいって欲しかったところだ。また、同時期に発売した911SHが搭載する「おなじみ操作」にも対応していない。これはタイミングの問題か。
とにかくカメラを重視する人には、910SHが最高の選択肢となる。3倍ズーム・5メガピクセルカメラ、ISOまで設定できる高機能性、2軸回転ヒンジ構造、VGAディスプレイの組み合わせは、ケータイカメラ利用時に相性抜群である。ただし、カメラ以外の機能は、811SHや810SHと大きな差はない。カメラの差だけで20g以上軽くなっているので、カメラ目当てでないがFeliCaを使いたい、という人は、811SHや810SHがオススメだ。
逆にいうと、910SHはカメラだけで20g以上重くなっているわけだが、高性能な光学部品は大型になるというので、それだけ搭載カメラが高性能なのだと、むしろ心強く感じてしまう。