スタンダードな70Xiシリーズの端末となるSA702i。デザイン性をウリにする端末が増える中、わりと地味に見えてしまう外見だが、逆に、今どきのケータイのデザインは個性が強すぎると思っているユーザーにはありがたい、大人しめの見た目だ。
だが、そんな外見だけで判断するのはもったいない。SA700iSやSA800i(キッズケータイ)もそうだったのだが、インターフェイスまわりの俊敏性は現在のFOMA端末の中ではピカイチだ。LinuxとSymbianが各メーカーで採用されてからというもの、他メーカーの端末では、待受画面やメニュー画面から機能を呼び出した時、あるいはメールなどで日本語を入力する時、ワンテンポ遅れるのがどうしても気になる。この点は、とりわけ、他キャリアからの乗り換え組には大きなストレスと成り得る。SAシリーズの場合、そのストレスが無い。
待受画面でセンターキーを押すとメニューが表示されるというインターフェイスや、設定メニュー全体の体系なども直感的。発話ボタンを押して、あらかじめ登録しておいたユーザーに電話をかけたり、メールしたりできる「直デン」機能(auで言うペア機能)も便利。これで、おサイフケータイなどの最新サービスに対応した90XiシリーズのSA端末が出てくると、業界の勢力図が一変するかもしれない……と感じるほどだ。結局のところ、ユーザーにとっては、OSの種類などはどうでもいい話で、手にとった時の使用感が一番大事なのだ。
このほか、GPS機能を使ったナビゲーションサービスもSA702iの特長だ。SA700iSやSA800iから大きく進化したというわけではないが、両端末が女性や子供を意識したデザインだったことを考えると、本来、地図マニアが多いであろう男性諸氏にとっては受け入れやすいデザインになったのではないだろうか。また、FOMA端末としては、なにげにFMラジオ機能を搭載しているのもポイントの一つ。アンテナ内蔵で、イヤホンケーブルを繋がなくても聴けるのは便利だ。
ドコモユーザーにとってはなじみの薄い三洋製端末だが、実は結構オススメの一台だ。実際に店頭で動いている端末を触ってみてほしい。