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0円禁止でApple初の前年割れ、2015年度国内携帯電話出荷は3659万台
フィーチャーフォン大幅減、SIMフリースマホは171万台に
(2016/5/12 20:09)
MM総研は、2015年度(2015年4月~2016年3月)の国内の携帯電話出荷数を調査し、結果を明らかにした。今回の調査では、大手キャリアの販売数に加えて、メーカーが独自に販売する端末やMVNOが販売する端末も調査し、これらを総合してメーカー別の出荷数やシェアを公表している。また、SIMロックフリースマートフォンに限定したシェアも明らかにした。
2015年度、フィーチャーフォンの大幅減で前年割れ
2015年度の国内の携帯電話出荷数(フィーチャーフォンとスマートフォンの合計、総出荷数)は、4年連続の減少で、前年度比5.6%減の3658万5000台。
スマートフォンの出荷数は3年ぶりに増加し、前年度比2.9%増の2916万5000台。総出荷数に占めるスマートフォンの割合は前年度比6.5ポイント増の79.7%。
スマートフォンの出荷数に占めるSIMロックフリー端末の出荷数は170万5000台で、前年度の86万5000台から倍増した。スマートフォンに占めるSIMフリー端末の割合は、前年度比2.7ポイント増の5.8%。
フィーチャーフォンの出荷数は前年度比28.7%減の742万台で、1000万台での推移から一転、300万台規模の減少になった。総出荷数に占めるフィーチャーフォンの割合は前年度比6.5ポイント減の20.3%。
調査ではSIMフリー端末の拡大とフィーチャーフォンの減少をポイントとして挙げている。フィーチャーフォンの減少は、買い替えサイクルの長期化やMVNOへの乗り換えの増加が影響していると分析。また、Android搭載のフィーチャーフォン型端末は月額料金が高くなる傾向から需要は限定的だったとした。
Appleは1532万台を出荷するも初の前年割れ
2015年度のメーカー別出荷台数とシェアは、Appleが4年連続の1位で、前年度比1.3%減の1531万7000台だった。総出荷数に占めるシェアは前年度比1.8ポイント増の41.9%、スマートフォンに占めるシェアは前年度比2.3ポイント減の52.5%だった。
Appleは2008年の日本でのiPhone販売開始以降、6年連続で出荷数を伸ばしており、Y!mobileでの取り扱い開始や、年度末の3月31日に最新モデルのiPhone SEが投入されるなどしたが、2015年度の出荷数は初めて減少に転じた。
調査では、大手キャリアによる過剰な販売奨励金(インセンティブ)が制限された結果、MNP一括0円やキャッシュバックなどで恩恵を最も受けていたiPhoneの需要が僅かに減少した結果と分析している。
2位ソニー、3位シャープ、4位京セラ、5位富士通
総出荷数の2位はソニーで、前年度比15.1%増の487万台。シェアは前年度比2.4ポイント増の13.3%。XperiaシリーズはAndroidスマートフォンで一番人気となった。
3位はシャープで前年度比21.7%減の399万3000台。シェアは前年度比2.3ポイント減の10.9%。4位は京セラで、前年度比18.4%減の351万4000台。シェアは前年度比1.5ポイント減の9.6%。5位は富士通で、前年度比15.5%増の324万台。シェアは前年度比1.7ポイント減の8.9%。
前年度比で最も好調だったのはシェア5位の富士通で、らくらくホンシリーズの堅調な推移に、SIMフリー端末の増加が加わった形。ソニーも3キャリアにXperiaシリーズを提供し好調だったことから、プラス成長になった。
SIMフリー、ASUSが61万台を出荷して1位
SIMロックフリーのスマートフォン170万5000台に限定し、メーカー別シェアをみると、1位は60万9000台を出荷したASUSだった。SIMフリー端末に占めるシェアは35.7%。「ZenFone 2 Laser」(5インチ)が特に好調で、2位の倍以上のシェアを獲得することに成功している。
2位はFREETELブランドのプラスワン・マーケティングで、27万2000台、シェアは16%。3位はHuawei(ファーウェイ)で、19万3000台、シェアは11.3%。4位は富士通で13万台、シェアは7.6%だった。