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通信衛星経由でLTE、ソフトバンクが実用化に向けたテストに成功

 ソフトバンクとGilat Satellite Networksは、LTE基地局とコアネットワークを通信衛星で結び、携帯電話サービスを提供するための試験を実施し、実用化に向けた技術開発に成功したと発表した。2016年中に商用環境での実用化を目指す。

 通信衛星を経由して、高速なLTEサービスが提供できれば、基地局向けの固定回線を設置しづらい地域でもLTEが提供できるようになる。両社では協力して、Gilat社の高速衛星通信システム「SkyEdge II-c」の開発を進め、端末のFTP通信において下り100Mbpsを超える通信に成功した。

 2013年にはアフリカ・ケニアにおいて、インドのバーティ社とともに衛星通信を利用し、3G基地局を展開できる技術の開発を行っていたソフトバンク。今回は、そうした仕組みで既に3G基地局が設置されている場所へ、LTEの設備を導入できる仕組みを新たに採り入れた。衛星回線は、ソフトバンクが契約して調達したものでKu帯といった衛星通信用の周波数帯をそのまま利用。基地局ベンダーとしてGilat社が装置を開発して実験はソフトバンクのネットワークセンターで実施された。

 ソフトバンク技術統括の今井康之氏は、固定回線を導入しづらい山間部や離島などで安価かつ短期間でLTEサービスを導入できるようになるとコメント。まずは硫黄島(東京都)や沖縄、奄美などの離島での展開が想定されている。日本だけではなくグループ会社の米スプリントでの利用にも期待する、としている。

関口 聖