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ソニーのスマホ事業は赤字が拡大、米ドル高が影響

ソニー2015年度第1四半期決算

 ソニーは、2015年度第1四半期の連結決算を発表した。連結業績は、売上高と営業収入が前年同期比0.1%減の1兆8081億円、営業利益は前年同期比38.8%増の969億円、純利益は前年同期比207.5%増の824億円になった。

 増益は、音楽分野の再評価益と、デバイス分野の大幅な増収が大きく影響した。一方、スマートフォンなどのモバイル・コミュニケーション分野は、為替の悪影響と販売台数の減少により赤字が大幅に拡大し、この分野は通期の見通しも下方修正している。映画分野も興行・ライセンス収入が減少し、前年同期比で赤字に転落した。

スマートフォン事業

 モバイル・コミュニケーション分野の売上高は、前年同期比16.3%減の2805億円。営業損失は前年同期比で213億円拡大し、229億円の赤字。

 同社では売上高の減収について、「収益構造を改善するため、売上規模を追わない戦略を徹底し、スマートフォンの販売台数が大幅に減少したたため」と説明している。

 損失の拡大については、「主にコストの米ドル建て比率が高いことによる米ドル高の悪影響により損失が拡大した」としている。為替の悪影響は254億円とした。

 これにより、モバイル・コミュニケーション分野の業績の通期の見通しは修正され、2015年4月時点で売上高が1兆3100億円、営業利益は390億円の損失としていたが、売上高は1兆1900億円に、営業利益は600億円の損失に、それぞれ下方修正された。

 第1四半期のスマートフォンの販売台数は720万台で、前年同期比で220万台の減少。こちらも、4月の通期見通しは3000万台だったが、2700万台に下方修正されている。

 なお、この第1四半期から、ソネットとその子会社の業績はモバイル・コミュニケーション分野に組み込まれている。

太田 亮三