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ドコモ、2系統の電力を利用する基地局「ダブルパワー制御」実験成功

 NTTドコモは、基地局が利用する電力として2つの系統を利用し、環境への負荷を抑えられる技術「ダブルパワー制御」の実証実験に成功した。

 「ダブルパワー制御」では、基地局を稼働させる電力として、太陽光発電と夜間電力を利用する。太陽光電力は化石燃料を用いずに発電すること、また夜間電力はニーズが少ない深夜(23時~翌7時)に発電され化石燃料の利用が少ないとされていることから、どちらも環境への負荷が少ない発電方法。今回、ドコモでは、日中の太陽光発電の余剰電力と夜間電力をリチウムイオンバッテリーに蓄電しておき、太陽光発電が停止する夕刻~夜間電力が始まる23時まで、バッテリーの電力を優先するよう「ダブルパワー制御」の技術をテストした。

 この技術を使うことで夕刻~23時までの“昼間電力”の利用を抑えることができる。ドコモではダブルパワー制御によるグリーン基地局では、昼間電力の利用を4%にまで抑え、残り96%の電力は太陽光や夜間電力、そしてバッテリーに蓄電された太陽光および夜間電力でまかなえるようになったと説明している。

 現在、グリーン基地局は10局設置されており、そのうち3局にダブルパワー制御技術を導入、商用化を目指して評価を続ける。また、グリーン基地局そのものも商用化に利用できると判断され、2015年3月末までに北海道~九州に11局設置して2015年4月から本格的に運用する。

関口 聖