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ドコモのグリーン基地局、太陽光発電と蓄電で停電時10時間の動作

 NTTドコモは、太陽光発電を活用する基地局において、昼間に発電した余剰電力を活用し予備電力の拡大や自活率を向上する「パワーシフト制御」を導入し、実験で効果があることを実証したと発表した。

 ドコモが「グリーン基地局」として進めている太陽光発電と商用電力と組み合わせた携帯電話基地局は、従来は太陽光発電の余剰電力を活用できていなかった。今回の「パワーシフト制御」の導入により、リチウムイオン電池の充電・放電を基地局に適した制御にし、停電時の予備電力の運用可能時間は最大6時間から最大10時間になった。

 「パワーシフト制御」において、充電池はバックアップ用を80%とした上で、サイクル動作用を20%として自活率を向上させる仕組み。基地局の電力の自活率は平均で約10%向上させ、約30%になり、実証実験では晴天時に最大49%の自活率を達成したとしている。

 ドコモは、開発中のグリーン基地局を関東甲信越に10局配置しており、今後は全国に拡大して効果の検証を進めていく。2016年度までには、自活率を5割程度にまで拡大し、商用電力への依存を少なくした基地局の実現を目指すとしている。

太田 亮三