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ドコモ、世界の主要ベンダーと5Gの実験で協力

2020年に10Gbpsを目指す

 NTTドコモは、第5世代移動通信方式(5G)に関する実験を世界の主要ベンダーと協力して行っていくことで合意したと発表した。

 ドコモと実験を行うことになったのは、Alcatel-Lucent、Ericsson、富士通、NEC、Nokia、Samsung Electronicsの6社。それぞれ個別の実験に向けた検討を進めるほか、他のベンダーとの協力を含めて検討を進めていく。

 ドコモによれば、2014年中に神奈川県横須賀市にあるドコモR&Dセンタなどで屋内実験を開始し、2015年以降に屋外実験を行う予定。6GHz超の周波数を有効活用するための技術や単位面積あたりの容量を増大させる技術、M2Mや各種アプリケーションに適した無線伝送方法の確立などを目指す。

 Alcatel-Lucentとの実験では、5Gにおけるブロードバンド通信やM2M通信に適した新しい信号波形の候補について実験を行う予定。

 Ericssonとの実験では、高い周波数帯の利用を想定した新無線インターフェイスのコンセプトについて実験を行う予定。周波数帯としては15GHz帯、周波数帯域幅として400MHz程度を想定している。空間多重とビームフォーミングを併用するMassive MIMO技術により、1ユーザー当たり5Gbpsの伝送速度を目指す。

 富士通との実験では、5Gにおいて単位面積あたりの容量をさらに増大させるため、超高密度に配置された光張出し基地局において、単一光張出し局からのデータ送信を前提に、複数光張出し局間で協調無線リソーススケジューリングする技術について実験を行う予定。

 NECとの実験では、5Gにおいて単位面積あたりの容量をさらに増大させるため、スモールセル向け超多素子アンテナを使用し、時間領域において指向性を制御するビームフォーミング技術について実験を行う予定。周波数帯として5GHz帯、周波数帯域幅として100MHz程度を想定している。

 Nokiaとの実験では、5Gにおけるミリ波の有効利用を想定した超広帯域無線伝送の実験を行う予定。周波数帯としては70GHz帯(ミリ波)、周波数帯域幅として1GHz程度以上を想定している。ミリ波のカバレッジを可能な限り拡張するため、シングルキャリアの信号波形(Null Cyclic Prefix Single Carrier)、およびMassive MIMO技術を活用する。

 Samsungとの実験では、5Gにおける高い周波数帯における安定した超広帯域伝送を実現するため、デジタルとアナログを組み合わせたハイブリッドビームフォーミングを基地局と移動局に適用し、移動局に搭載する多素子アンテナは実端末を考慮したサイズとして、移動局を追従するビーム制御技術の実験を行う予定。周波数帯として28GHz帯、周波数帯域幅として500MHz~1GHzを想定している。

湯野 康隆