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ドコモが5G屋外実験で4.5Gbpsの通信に成功「5G実現の第1段階」

チャイナモバイル、KTと技術開発推進で合意も

 NTTドコモは、研究を進めている第5世代移動通信方式(5G)のエリクソンとの共同実験において、15GHz帯で、下り最大4.5Gbps以上のデータ通信に成功したと発表した。実験結果は、スペインのバルセロナで3月2日から開催される「Mobile World Congress 2015」のドコモブースで紹介される。

 エリクソンとの伝送実験は、スモールセル環境を想定し、屋外に設置した基地局と、端末に相当する移動中の測定車両との間で通信を行ったもの。周波数は15GHz帯、400MHz幅で、MIMOが4ストリーム、移動速度は時速10km。通信速度は最大で下り4.58Gbps、半径100m以内では平均2Gbps以上になった。

 実験は「5Gがめざす性能を実現する第一段階の実験」と位置付けられている。5Gでは高速通信の実現のために、より多くの帯域幅を必要とすることから、これまで利用が難しいとされてきた6GHz以上の高周波数帯を活用できるよう、技術検証が行われている。

 ドコモはまた、さらに高い周波数帯であるミリ波を活用し、5Gの移動通信を実現する「ビーム追従機能」の検証をノキアネットワークスと共同で行った。屋内実験にて、70GHz帯、1000MHz幅で、下り最大2.075Gbpsの通信に成功。この実験は2014年12月18日に実施されている。

ドコモは、三菱電機、ファーウェイを加えた8社と実験を行っている

日中韓のキャリアが5Gの技術開発で協力

 NTTドコモはまた、中国のChina Mobile Communications Corporation(チャイナモバイル)、韓国のKT Corporation(KT)と、5G技術開発推進に向けた協力で合意したと発表した。

 今回の合意により、ドコモ、チャイナモバイル、KTの3社は、具体的なサービスを見据えた検討を進め、標準化活動などを通じて5Gの実現に取り組んでいく。

 具体的には、アジア市場を見据えた5G要求条件を策定し統合していくほか、5Gでのサービスや市場の模索、5Gの主要技術の特定、ITUや3GPPなど国際団体との協力による世界共通周波数計画や世界統一5G規格の策定などの取り組みを進めていく。

 ドコモでは、2020年の東京オリンピックまでに、5Gのサービス提供開始を目指している。

太田 亮三