【ワイヤレスジャパン2015/WTP2015】

富士通、5Gの「超高密度分散アンテナ」を紹介

NEC、Nokia、NICTなども

 5月27日~29日の期間で、東京ビッグサイトにて開催中の、通信分野の展示会「ワイヤレスジャパン2015/ワイヤレステクノロジーパーク2015」。今回は、富士通の取り組みを中心に、次世代モバイル通信技術5Gに関連する技術を開発する各社の展示をご紹介したい。

富士通の「超高密度分散アンテナ」

 富士通は、NTTドコモと共同で、5Gの要素技術の開発を進めている。同社が開発を担当する「超高密度分散アンテナシステム」は、複数の方向に指向性のある電波を発する蜂の巣型のアンテナを組み合わせることで、都市部などの複雑な形状のエリアで高トラフィックを処理するための技術。

 同社の分散アンテナは、六角形のユニット型をしており、1ユニットに4つのアンテナが搭載されている。このユニットを必要な処理量に応じて8個程度まで蜂の巣に組み合わせて利用する。ユニットが複数あることで、それぞれの電波の出力を調整して、特定方向に重点的に発信することができる。

 組み合わせたアンテナユニットを多数展開し、親局(Centralized Controller)で制御することにより、きめ細やかなエリア展開が可能となる。

 このほか、富士通のブースでは、ネットワーク向けにSDN/NFV技術(サーバーの仮想化による統合制御)を提供するソリューションを展示していた。

NEC

 NECでは、ドコモと共同で開発を進めている、5GのMassive MIMO技術で用いる超多素子アンテナなどを展示していた。

Massive MIMO用の超多素子アンテナ
企業向け屋内用スモールセル
高効率の無線伝送方式についての展示

Nokia

 Nokiaのブースでは、ドコモと共同で実験している、ミリ波を利用した超広帯域無線伝送技術について、シミュレーターを用いたプレゼンテーションを行っていた。

情報通信研究機構(NICT)

 情報通信研究機構(NICT)は、現行のTDD-LTE技術を用いて、テレビ放送で割り当てられている周波数帯のうち、利用されていない周波数帯でモバイル通信をする「テレビ帯ホワイトスペースLTEシステム」を研究している。

 ブースでは、空き周波数帯(ホワイトスペース)を判定するデータベースと、専用の基地局、端末を組み合わせたシステムを展示していた。

石井 徹