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ドコモ・ヘルスケア、健康事業ブランド「WM(わたしムーヴ)」
ドコモ・ヘルスケア、健康事業ブランド「WM(わたしムーヴ)」
(2013/3/6 17:23)
ドコモ・ヘルスケアは、健康関連の事業ブランド「WM(わたしムーヴ)」を4月1日より開始する。あわせて6月1日より、女性向けの健康管理サービス「カラダのキモチ」をスタートする。3月6日、都内で発表会が開催された。
わたしムーヴでは、NTTドコモとオムロンヘルスケアの健康支援サービスを融合したポータルサイトをオープンする。会員になると、運動や睡眠、ダイエットなど、6ジャンル16コンテンツの健康関連コンテンツが利用できる。わたしムーヴの利用料は無料だが、オムロンの「ウェルネスリンク プレミアムコース」のコンテンツを利用する場合は月額315円かかる。
各コンテンツは、オムロンの体温計や体組成計、血圧計など対応機器と連携し、計測したデータをクラウド上で管理できる。
6月1日にスタートする「カラダのキモチ」では、オムロンヘルスケアの婦人用電子体温計「MC-642L」と連携し、基礎体温が気軽に記録できる。アプリ上で不調が検知されると、アプリを通じて医療機関で受診するよう案内され、実際に受診すると見舞金として現金が支払われるサービスなども用意される。
わたしムーヴ
ドコモ・ヘルスケアは、NTTドコモとオムロンヘルスケアにより2012年7月に設立された合弁会社。スマートフォンとオムロンの健康機器を連携させ、測定したデータをクラウド上で管理できるプラットフォームを構築し、提携するパートナー企業とこの基盤を使ったサービスのエコシステムを作るとしている。
わたしムーブでは、ドコモの健康サービス「docomo Healthcare」と、オムロンヘルスケアの機器測定データの連携サービス「WellnessLINK(ウェルネスリンク)」を融合したサービスとして展開される。
対応機器で測定したデータを蓄積するこれまでのサービスに、データを分析し、その先の予測までを行うコンテンツが提供される。当初提供されるわたしムーヴのポータルサイトでは、女性向け3コンテンツ、ダイエット関連2コンテンツ、睡眠関連2コンテンツ、運動関連と血圧関連コンテンツが各1コンテンツずつ提供される。これに加えて、蓄積データをさまざまな形で表示するコンテンツが7つ用意される。ポータルサイトでは合計16コンテンツへの導線が用意されるほか、今後ポータルアプリなども提供される計画だ。
なお、わたしムーブでは当面の間、オムロンの健康関連機器に対応する形で展開される。また、スマートフォン側はAndroid端末にのみ対応する。ユーザーの多いiPhone向けにも今後展開予定だが、そのためにはまず、iPhone側がNFCをサポートするか、健康機器側がBluetooth Low Energy(現状はおサイフケータイもしくはNFCに対応)をサポートする必要がある。
わたしムーヴのアライアンス
健康機器で測定したデータをわたしムーヴに蓄積し、分析、予測する。そして、その内容をアプリやサービスで利用する。こうしたサービス連携の仕組みのほかに、わたしムーヴのエコシステムには、アライアンス企業との展開も計画されている。今回アライアンス企業として紹介されたのは、ドコモが出資するオークロンマーケティングやらでぃっしゅぼーやのほか、ABC Cooking Studioなど。
5月サービス予定のABC Cooking Studioは、全国120拠点で料理教室を展開している。会員数は28万人で、主要な会員はF1層と呼ばれる20~34歳の女性だ。わたしムーブでABC Cooking Studioはアプリと連動して、ライフスタイル提案型の健康や美容にいいレシピを提供する。このため、同社はフードカウンセラーを設置し、食べ物からの健康提案、ライフスタイル提案を行う。これによりF2層など新規顧客獲得にも繋げていきたい考え。
6月サービス予定のオークローンマーケティングでは、ダイエット支援を行う。アプリにはダイエットサポートルームを設置し、体組成計などのデータを受けて「ヒルズダイエット」というダイエット食品を軸に楽にやせる方法を伝授するという。
野菜の宅配事業を展開するらっしゅぼーやのサービスは10月の予定。同社では、体を温める食材、よく眠れる食材といった健康に絡めた食材提案を行う計画という。
カラダのキモチ
6月よりサービスが開始される「カラダのキモチ」は、基礎体温がより手軽に記録できる機能や、女性の体調か心の変化に合わせてアドバイスやさまざまなサービスを提供するというアプリ。Android 4.0以上で動作する。利用料は月額315円。
10秒で計測できるという、オムロンヘルスケアの女性用電子体温計「MC-642L」と連携し、毎朝決まった時間に計測したデータを、スマートフォンのおサイフケータイやNFCで通信して記録できる。
生理や排卵による心と体の変化、天気や時間、季節などに応じてさまざまなアドバイスが行われる。たとえば、体調が悪いと想定される時期には、肌の色が良く見えるというオレンジ色の洋服が勧められたり、食べ物や化粧品、アロマ、マッサージなどの助言が受けられる。
入力された基礎体温や生理周期データを元に、医療機関への受診を勧める通知もある。しかも、通院中ではなく公的利用保険対象であれば、婦人科などにかかると、5000円の見舞金が支払われる。利用者は病院の診療代金のレシートを撮影して、アプリに登録する。
また、通院を開始し、子宮がんや乳がんの疑いがあると診断され、精密検査を受けると3万円が年1回に限り支払われる。こうした見舞金制度は、NTTドコモと東京海上日動火災保険との業務提携により実現している。
なお、ドコモショップでは、「カラダのキモチ」への加入と同時に「MC-642L」を購入すると、「カラダのキモチ」の利用料が最大3カ月間無料になるキャンペーンも実施される。
健康は世界共通の課題
ドコモ・ヘルスケアの代表取締役社長の竹林一氏は、同社の事業について、「体と社会を繋ぐのが理念」とし、そのミッションについて「健康を核にしたスマートライフを実現」と話した。
わたしムーヴという名前については、能動的なイメージから名付けたとした。サービスについては、「体に関するデータを安全に一元管理する。体発でライフスタイルを提案する」などとした。
ドコモのわたしムーヴでは、2015年度までに国内で売上げ規模で100億円、会員数で1000万人を目指すとされた。
NTTドコモの代表取締役社長である加藤薫氏は、携帯電話事業の事業構造の変化について説明し、当初の音声通話から、iモードをきっかけとしたネット時代に映り、現在はサービスとプラットフォームの時代とした。加藤氏は「キャリアが土管化するという考えもあるが、我々はネットワークと端末とサービスの3つを提供し、エコステムを作りたいと考えている」とした。
加藤氏はスペインのバルセロナで開催されたイベント「Mobile World Congress 2013」の講演に参加したことを報告し、各登壇者の話す内容が「偶然ながらM2Mとヘルスケアがテーマだった」と語り、グローバルでヘルスケアの機運が高まっていることをアピールした。
また、健康分野だけでなく、ドコモでは医療分野でも提携しており、お薬手帳のアインファーマシーズ、東大病院との糖尿病管理サービスなどを紹介。加藤氏は「性別や年齢に関係なく、いきいきと健康的に生活したい気持ちがある。スマートフォン寄り添いながら展開していきたい」と話した。
オムロンの代表取締役社長の山田義仁氏は、同社の血圧計がグローバルで年間1300万台を販売しており、日本の市場は20%程度とした。欧米や中国、北米、ブラジルなどで需要が伸びているという。同社の血圧計の世界シェアは50%を超えているという。
山田氏は「かつては病院でしか検査できなかったものが、家庭でしかも個人でできるようになってきた。血圧計や体温計、体組成計、睡眠系などで世界中の人々の健康、健やかな生活に貢献したい。わたしムーヴで、我々だけではできなかったソリューションが提供できる。ユーザーは血圧を測りたいのではなく、血圧を下げたい。悩みを解決するソリューションが我々だけでは充分に提供できていなかった。その人に合ったソリューションを提供するのが夢だった。健康を作る、という価値を届けていきたい。まず日本でビジネスモデルを確立し、ゆくゆくは世界に拡充していきたい」などと話した。
「カラダのキモチ」については、ドコモ・ヘルスケアのサービス企画部部長の金澤亜依氏が話した。同氏は、初産年齢が30歳を超えて、女性の体に負担が大きくなってきているとし、生理の不調については9割の女性が感じているとした。「カラダのキモチ」では、健康に良いとわかっていてもなかなか自分で取り組みにくいものについて、提案していくという。
藤本美貴やハリセンボン登場
このほか、タレントの藤本美貴とハリセンボンの近藤春菜と箕輪はるかによるトークセッションも行われた。
既婚者である藤本美貴は、結婚と出産で生活が大きく変化して大変なこと、そして、とくに子供ができてからは自分の時間が取りくくなったと話した。「カラダのキモチ」を使ってみた印象については、「自分の分身がその日の体調で、洋服をアドバイスしてくれる」と語った。
すると、ハリセンボン近藤はすかさず「その日のコーディネートで体調がばれる」と茶々を入れた。ハリセンボンの箕輪は、近藤が「渡る世間は鬼ばかり」のラーメン店の主人に似ていることにかけて、「体は幸楽のご主人で、心は乙女。一番バランスがとれていない」と突っ込んでいた。