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MCFのアプリアワード、学生部門向けオリエンテーションを実施
MCFのアプリアワード、学生部門向けオリエンテーションを実施
(2012/12/14 15:29)
モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、「2013東京国際スマートフォン アプリアワード」を開催するにあたり、学生部門に応募する学生に向けてアプリ企画・開発のポイントなどを解説するオリエンテーションを開催した。
オリエンテーションでは、同アワードの審査委員長で武蔵野国際大学准教授の木暮祐一氏がまず登壇し、前回の結果を振り返りながら審査のポイントを解説したほか、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記氏がアプリ開発に対する考え方を披露した。日本マイクロソフトからは渡辺弘之氏らが登壇し、Windows 8アプリの開発手法などを解説し、前回のアワードで最優秀賞を受賞したエキサイトの小島靖彦氏からは企画書の要素など具体的な対策が語られた。最後にはニワンゴの杉本誠司氏社長が登壇、アプリもネット上のサービスと位置づけながら、自社サービスを中心に、事業にどう取り組んでいるかなどが学生向けのヒントとともに解説された。
木暮氏は昨年の結果を解説した上で、「企画の独創性」「それを実現するための技術的な革新性」が審査の重要なポイントになるとした。学生部門は企画書だけで応募でき、賞金が30万円で「非常に魅力的なコンテスト」とアピール。「日本からスマートフォンの素晴らしさを発信できるよう期待しています」とエールを送った。
「だれか1人のためのものでもいい」
ニッポン放送の吉田アナウンサーは知る人ぞ知るデジタルガジェット好きで、スマートフォンアプリへの関心も高く、ラジオでアプリの番組を作ってしまったほど。さらにはアイデアを形にするため、アプリ開発の会社まで立ち上げたとのことで、今回のオリエンテーションでの登壇は、“アプリ開発会社の人”としての側面も強くなっている。
その吉田氏は、「昔は音楽が世界を変えていたが、今はアプリが世界(生活)を変えている」と自らの視点で、アプリの番組を自ら企画した経緯を紹介する。「面白い技術でも、使いこなさないと普及しない。技術やアプリは、使いこなされて広まっていく」と持論を語る吉田氏は、「アプリの面白いところはマスプロダクツではないところ。だれか1人のためのものでもいい。ちょっとした思いつきを形にしていい。自分のための個人的なニーズが、ほかの人の大ニーズを掘り起こす可能性がある。自分が必要と思ったものが、アプリとしてより本質的なものになるだろう」とアプリ開発にかけるポリシーを披露する。
開発の基になるアイデアについては、「アイデアは自然にこぼれてくるものだが、知らない事については絶対に思いつかない。新しい石油の採掘方法を考えてと言われても、僕は石油がどうやって採掘されるのか分からない。だからアプリに詳しくなってほしい」と語り、アイデアを生み出す土壌も重要とした。
Windows 8アプリの開発や、前回受賞者からの「傾向と対策」も
日本マイクロソフトからは、Windows 8 エバンジェリストの渡辺弘之氏が登壇し、Microsoft Student Partnersの2人の学生とともに、(パソコンの)Windows 8アプリの開発方法やWindows ストアで世界に向けて配信できることなどが解説された。
エキサイト スマートフォン推進室プロデューサーの小島靖彦氏からは、前回のアワードで最優秀賞を受賞したアプリの開発手法や開発体制が語られ、今回のアワードで設定されているテーマへの傾向と対策も示された。
ニワンゴ杉本社長が語る戦略
最後に登壇したニワンゴ 代表取締役社長の杉本誠司氏は、先日開催された、衆議院選挙に関連した党首討論をニコニコ生放送で配信したことに触れ、「これまであり得なかったことがネット上で実現する、ということが起こっている」と指摘。その中心ともいえるニコニコ動画のサービスは、面と向かい合った人がお互いに影響を受けるように、コメントなどを通じてユーザー同士が影響しあうのが特徴という。杉本氏はそうしたプラットフォームを抱える立場から、概念や仕組みを理解し、より多くの人に影響をもたらす仕組みが重要になると解説する。
また、会員が3000万人を超えたというニコニコ動画でも、実際には「ボカロ民」など、セグメントでユーザーのタイプは異なっているとし、「それぞれのセグメントに分断されて、合計で3000万人ということ。12の民族がいて、言語も違うようなもの。Facebookは全世界で8億人と言われるが、(アプリなどを)8億人に向けて開発するのは愚かしいことで、全体が同時に挙動することはない。平均的に狙うのか、特定のセグメントだけを狙うのか。マーケティングの世界の話だが、しっかりとイメージし、最初に考えてほしい」と語りかけた。