矢野経、2011年の世界スマホ出荷数は4.7億台に


 矢野経済研究所は、携帯電話の世界市場について調査し、その結果をまとめた。

 2010年の世界の携帯電話出荷数は、前年比10.6%増の13億7845万台となった。市場を牽引するBRICS(ブラジル/ロシア/インド/中国)地域に加え、NEXT11(イラン、インドネシア、エジプト、韓国、トルコ、ナイジェリア、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、メキシコ)地域での出荷が伸びた。先進国では、スマートフォン人気が成長に貢献した。

 また、スマートフォンの出荷数は2010年、前年比39.5%増の2億7722万台だった。ソーシャルメディアが流行し、その受け皿としてスマートフォンの注目度が高まった。

 2011年の出荷数は、前年比8.2%増の14億9206万台と予測された。スマートフォンは前年比71.2%増の4億7465万台になる見通しで、先進国だけでなく途上国でも本格的な普及がはじまったとしている。

 オープンプラットフォームを採用したメーカーの出荷数が急増し、一部を除いて独自プラットフォームのメーカーは苦戦した。スマートフォンの出荷数が1億台に迫る2社が突出しており、1社は高いブランド力を背景に垂直統合型モデルを展開し、もう1社は後発組ながらグループ内から調達した付加価値の高いデバイスと、デザイン力、コスト競争力で優位に立った。今後数年はこの大手2社が市場を牽引するという。

 矢野経済研究所では、2017年の携帯電話加入者数を79億9373万人と予測。同年出荷数は19億1913万台に達する見通しだ。タブレット端末については、2013年には市場が拡大するとした。

 

(津田 啓夢)

2011/12/21 14:56