日本通信、ドコモの法人向け取引について総務大臣に意見書を提出


 日本通信は、NTTドコモが法人向けの相対取引で提示している料金が、MVNO向けの卸料金よりも著しく低廉であるとして、電気通信事業法および独占禁止法に違反しているおそれがあるとする意見申出書を総務大臣に提出した。

 日本通信は意見申出書提出の経緯として、これまでも不当廉売を主張しドコモに解決を申し入れたこと、ドコモの販売手法に変化が見られないことを挙げており、「競争環境を阻害するものであり、一民間企業で解決できる問題ではない」として、公正取引委員会と総務省が定める「電気通信事業分野における競争の促進に関する指針」にのっとり、電気通信事業法第172条に基づく意見申出書を総務大臣宛に提出した。

 日本通信は2010年2月4日に発表した2009年度第3四半期決算の中でも、ドコモの不当廉売および営業妨害について言及しており、このうち不当廉売の内容について、具体的な意見書を提出した格好。

 同社では「このような大きな問題が短期的に解決されるとは考えていない」としており、問題が解決するまでは個人向けサービスの市場に注力していく方針を明らかにしている。

 NTTドコモは、今回の総務大臣宛に出された意見申出書について、「内容を確認できないのでコメントできない」としている。一方、日本通信が2009年度第3四半期決算の中で言及した不当廉売および営業妨害については、「そのような事実は一切無い」としており、法人向けの相対取引についても、回線数や契約期間を基本として価格を決定するものの「原価を下回るものではない」としている。

 



(太田 亮三)

2010/4/20 15:21