MM総研、携帯のリサイクル・中古市場に関するレポート


 MM総研は、携帯電話のリサイクルや中古市場に関するユーザーの意識調査を行い、今後の展望を含めたレポートとして発表した。アンケートはインターネットを通じて、携帯電話・PHSユーザー2000人(15歳以上)に対して、2009年12月15日~18日に行われた。性別・年齢別に見ると、10代の男女は各100人、20代~60代の男女は各180人となる。

 同調査によれば、機種変更経験のあるユーザー(1824人)のうち、直前まで使っていた端末を「リサイクルに出した」と回答したのは全体の12.2%(233人)に留まった。手元にある古い端末は、「何らかの機能を利用している」が13.3%で、「目覚まし時計」が56.4%、「カメラ」が26.7%、「データ保存」が24.3%、「アドレス帳」が21.8%となっている。このほか、「利用せずに家で保管している」が64.9%、「家族・友人・知人に無償で譲渡した」が1.9%、「家族・友人・知人に売却した」が0.1%となった。

 リサイクルや中古で手放さない理由としては、「個人情報の漏洩が心配」が33.1%、「思い入れ・愛着がある」が27.2%、「新しい携帯電話にデータが移行できない/移行が面倒だから」が19.0%となった。なお、リサイクル制度を知っているのは、67.1%で、半数以上が知っていることになる。これらのデータから、MM総研では「市場全体では約2億台の使用済み携帯電話が利用されずに保管されている」と推計している。

 今後については、アンケートにおいて34.5%が「リサイクルに出す」と回答していることから、「年間1000万台規模まで増加できる」(MM総研)と指摘。経産省が実施しているリサイクル促進事業「たんすケータイ あつめタイ\(^o^)/」の認知度は26.9%、利用意向は60.6%で、リサイクル時に金銭面のメリットがあると仮定したアンケートでは金額が多いほどリサイクル意向が高まることから、リサイクル促進には「商品券や機種変更時の値引きなどユーザーにとってのメリットが大きな効果を発揮する」とする。ただし、携帯電話1台あたりのレアメタルの価値は102円という試算も提示し、金銭的メリットでひきつけることは得策とは言えないとも指摘している。

 このほか、使用済み携帯電話の下取り/買い取り制度の利用意向は、「利用したい」「検討したい」をあわせて68.6%となった。実際に中古端末の購入経験があるのは3.5%で、今後の利用意向も14%という。MM総研では携帯電話の中古市場について、2008年度が52万台、2009年度が62万台、2010年度が81万台、2011年度が113万台と予測するものの、新品市場に影響を与えるほどの存在になる可能性は低いとしている。

 



(関口 聖)

2010/2/4 16:10