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「神戸市ドコモ見守りサービス」、LoRaWAN活用で精度を向上する実験

 兵庫県神戸市、神戸大学、NTTドコモ、ハタプロは、実証事業「神戸市ドコモ見守りサービス」において、IoT向け通信規格のLoRaWANを活用する実証実験を行う。期間は4月17日~5月7日。

 神戸市とドコモは、実証事業として子どもや高齢者の見守りサービスを2016年より提供している。これまでの実証事業では、BLE(Bluetooth Low Energy)タグを利用して、街中の検知器や協力者のスマートフォンの位置情報などから居場所を特定していたが、有効半径が数十~数百mのBLE方式で広範囲をカバーするには、多数の検知器や協力者が必要になるという課題があった。

 今回の検証で利用されるIoT向けの通信規格「LoRaWAN」は、1つの基地局で半径数kmという広範囲をカバーする特性を備える。検証では市内3カ所にLoRaWANの基地局装置を設置し、LoRaWANネットワークを構築。位置情報を測位できるかどうかも含めて検証を行う。例えば、3つの基地局との距離の差から現在位置を割り出すといった方法を検討されるという。LoRaWANで位置測位が行えた場合も、その精度はBLEに比べて劣るとしているが、ローコストで広範囲を見守りエリアとすることができる。

 ハタプロは、NTTドコモとのジョイントベンチャーとして、IoT製品の事業化支援サービス「39Meister」を提供しており、今回の実証実験でも機材提供および検証を担当する。神戸市と神戸大学は、エリアの構築に協力する。

 なお、現在のところLoRaWAN子機は量産段階に入っていないため、提供中のサービスでの検証は行われない。