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長野県大町市でIoT向け通信技術「LoRaWAN」の通信実験、水道管理で

 ハタプロと長野県大町市は、IoT向けの通信技術のひとつ「LoRaWAN」を使った長距離無線通信の実験を行い、その結果、市内の水道拠点施設と市役所庁舎の間で通信ネットワークを構築できることを確認した。

 実験が行われた長野県大町市は、北アルプスからの湧水を、複数の拠点を経由して住民の自宅へ供給している。水源や配水池のなかには、携帯電話の電波が届かない山中にあったり、冬には多くの雪で訪れにくくなったりするため、正常に動作しているか目視確認するには多くの労力がかかる。

 そこで、ハタプロとNTTドコモのIoT事業化支援サービス「39Meister」で開発されたLoRaWANシステムで、水源3カ所、配水池11カ所と市役所で通信ネットワークを構築。最大2mの雪が積もった状態にある各施設を無線で結び、センサーで取得したデータを最大5kmという距離で送信した。山の起伏や山林が通信品質に影響を与えるが、たとえば山中では中継装置を設置するなど、技術的な課題をクリア。実験を通じて課題を把握、解決したことで、水源や配水池といった拠点が積雪状態で、なおかつ携帯電話の圏外であっても、LoRaWANシステムのネットワークを構築すれば各地の状況を常に遠隔監視できることがわかった。

 将来的には、水道施設の遠隔監視といった用途に加えて、山岳での救難救助を支援するといった用途での活用も視野に入れる。