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ソフトバンクの主張を一蹴、日本通信との協議再開命令へ

 日本通信から「ソフトバンクが協議を拒否した」との申し立てを受け、電気通信紛争処理委員会は総務省に対して、協議を再開するよう命じるよう答申を行った。

 日本通信では、レイヤー2での相互接続を求めてソフトバンクと協議していたが、ソフトバンクのSIMロックがかけられた端末でも、日本通信の設備経由で通信できるよう、SIMカードの提供を求めた。しかしソフトバンクはこれを拒否した。日本通信では「協議は不調にいたった」と判断して、2016年9月、総務大臣へ協議再開を命ずるよう申し立てた。

 申し立てを受け、総務省は協議再開を命じる方針とし、その判断が正しいか、電気通信紛争処理委員会に質問する、という手続きに入った。そこで同委員会が日本通信とソフトバンクの主張、それぞれに対して、法的な根拠があるかどうか検討を行った……というのがここまでの流れだった。

 ヒアリングをしてみると、ソフトバンクは「日本通信が求める接続には応じている」「そもそもSIMカードは電気通信設備および通信回線設備ではない」と主張していたが、委員会は「SIMカードなしでは通信できない。実際に通信できなければ無意味」と判断。さらにソフトバンクの「日本通信からの申し立ては直ちに却下されるべき」という主張には根拠がない、と一蹴。

 法律上、他社が接続を求めてきた場合は応じる義務があるものの、サービスのスムーズな提供へ悪影響がある場合や、システム改修が技術的あるいは経済的に著しく難しい場合は拒否できる。

 こうした「接続を拒否できる理由」がちゃんとソフトバンク側にあるかどうか、と検討した結果、同委員会は「拒否する根拠になるような問題はない」と判断。さらにソフトバンク側が、日本通信へいったん「ネットワークの開発に加えて、運用業務などにも影響がある」と説明していたものの、総務省や電気通信紛争処理委員会への意見書にはそれにあたる説明がなかった。総務省と同委員会は幾度かにわたって、意見を求めたが、ソフトバンクは具体的な説明をしなかったため、「技術的・経済的に難しいとは思えない」と見なされた。こうしたことから、日本通信の主張を認め、同委員会では「協議を再開するよう命令することが相当」と総務省へ答申した。

 ソフトバンクは「詳細は確認中ですが、答申の内容については真摯に受け止めます」とコメント。近く、総務大臣からソフトバンクへ協議再開が命令されると見られる。