ニュース
無料プランもある音楽配信サービス「Spotify」日本で開始
4000万曲で開始、月980円のプレミアムプランも
2016年9月29日 13:24
スポティファイジャパンは、ストリーミング形式の音楽配信サービス「Spotify」(スポティファイ)を日本で開始した。日本での開始時には4000万曲を用意。スマートフォン・タブレット向けアプリやPC、PlayStation 4などのマルチプラットフォームで展開される。利用料は、無料で広告付きのプランと、月額980円(税込)で広告の無いプレミアムプランの2種類。
フリープランは広告付きで再生方法などに制限
「Spotify」は世界60カ国で1億人以上が利用し、有料会員も4000万人以上という大型の音楽配信サービス。広告付きで無料で利用できる“フリーミアム”プランが特徴のほか、すべてのサービスを利用できる、月額980円のプレミアムプランを用意する。サービス開始時はエントリー制で、招待コードの発行をWebサイトで申請する。日本では4000万曲でサービスをスタートし、楽曲は毎日追加されるとしている。
フリープラン
無料のフリープランではすべてのプレイリスト、アルバムについてシャッフル再生で視聴が可能。自分だけのプレイリストを作ることもできる。
フリープランでは“時おり”広告が入る。またパソコンとタブレット向けアプリではすべての楽曲を順番通りに再生できるオンデマンド再生が可能だが、再生可能時間は30日間で15時間という制限が設けられている。スマートフォンアプリでは常にシャッフル再生になり、楽曲をスキップできる回数に制限が設けられている。
プレイリストを中心とした楽曲の検索・提案
「Spotify」のサービスでは、音楽を探す機能として、アーティストやキュレーターなどが作成したさまざまなプレイリストを探す「Browse」、視聴履歴からおすすめのリストが毎週提供される「Discover Weekly」、新たにリリースされた楽曲のみに絞り込んだ「Release Radar」、ランニング向けとして走るテンポに合わせて楽曲が変わる「Running」、テレビゲームのサウンドトラックなどを特集した「ゲーム」といった機能が提供される。またSNS上でのプレイリストの共有も簡単に行える。スマートフォンのアプリやPCでは、日本市場が先行する形で歌詞表示機能も搭載される。
日本でのサービス開始にあたっては国内外のアーティストの楽曲を用意。日本向けのプレイリストを作成する専門のスタッフもおり、さまざまなキュレーションや編集、提案を行っていく。日本向けとして100万のプレイリストがすでにあるとしている。
「音楽ファンがつくる音楽ファンのためのサービス」
スポティファイジャパンは9月29日、日本市場でのサービス開始を発表するイベントを開催した。発表会には、来日したSpotify CEOで創設者のダニエル・エク氏が冒頭で挨拶を述べたほか、スポティファイジャパン代表取締役のハネス・グレー氏からサービス内容や機能が解説された。
グレー氏はSpotifyについて、「我々はテクノロジー企業ではない。テクノロジーで音楽を提供する企業。音楽ファンによる、音楽ファンのためのサービスを提供する」と自らの立ち位置を示す。無料の広告付きのプランがユニークで、世界中で急成長を遂げた要因とも分析した。
スポティファイジャパン ライセンシング&リーベル リレーションズディレクターの野本晶氏は、日本の音楽市場やアーティストの収益などについて触れ、世界で1億人のユーザーがいるSpotifyが、アーティストと1億人をつなぐとし、ユーザーは新たな楽曲を発見でき、これらがデジタル配信市場を活性化し、新たな収益を生み出していけるとした。
後半にも登壇したSpotify CEO・創設者のダニエル・エク氏は、「日本には(音楽にまつわる)すべてが揃っている。長きに渡って提供していきたい」と意気込みを語ると、10月からスポティファイジャパン 代表取締役社長に就任予定の玉木一郎氏を壇上に招き入れた。玉木氏はこれまでアマゾンジャパンでKindle事業を担当していた人物で、「Spotifyの一員としてこの場に立てることを嬉しく思う」などと挨拶した。
発表会ではこのほか、宇宙飛行士の毛利衛氏が登場するSpotifyの紹介動画や、世界各国のアーティストがSpotifyの日本ローンチを祝うメッセージ動画が紹介された。