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サムスン、防水や虹彩認証に対応の「Galaxy Note7」発表

Gear VRの新モデルも登場

 サムスンは8月2日(現地時間)、米国ニューヨークで「SAMSUNG Galaxy Note Unpacked 2016」を開催し、同社のGalaxy Noteシリーズの最新モデルとなる「Galaxy Note7」を発表した。米国などを中心に8月19日から販売が開始される。日本市場向けの展開についてはアナウンスされていない。

「Galaxy Note7」

 Galaxy Noteシリーズは2011年9月に初代モデルの「GALAXY Note」(日本向けは2012年4月発売)を発表して以来、2012年8月に二代目モデルの「GALAXY Note II」、2013年9月に三代目モデルの「GALAXY Note 3」、2014年9月に四代目モデルの「GALAXY Note 4」と「GALAXY Note Edge」、2015年8月には五代目モデルの「Galaxy Note 5」を発表しており、今回のGalaxy Note7は六代目モデルになる。

Galaxy Noteシリーズ

 本体はGalaxy S7 edgeと同じように、ディスプレイの両端を湾曲させたデュアルエッジディスプレイを採用し、前面と背面を同じ曲線で湾曲させることにより、側面の丸みもシンメトリカルなデザインに仕上げている。ボディ幅は従来のGalaxy Note 5よりも2.2mmも狭く、Galaxy Noteシリーズとしてはもっとも狭い73.9mmに抑えられている。

 付属のSペンも含め、Galaxy Noteシリーズとして初のIP68の防水・防塵に対応する。ボディは航空機の素材にも採用されるアルミニウム7000シリーズで構成される。

 サイズは高さが153.5mm、幅が73.9mm、厚さが7.9mm、重量は169gとなっている。ボディカラーはBlack Onyx、Silver Titanium、Gold Platinum、Blue Coralの4色がラインアップされる。

 ディスプレイは約5.7インチ、2560×1440ドット(QHD)のSuperAMOLEDを採用する。表面ガラスは、高い耐スクラッチ性能と割れにくさを実現したコーニング製Gorilla Glass 5をディスプレイ面と背面の両方に採用している。

 チップセットはGalaxy S7 edgeと同様にサムスン製Exynos 8890 2.3GHzクアッドコア+1.6GHzクアッドコアを搭載し、国と地域によってはクアルコム製Snapdragon 820 2.15GHzデュアルコア+1.6GHzデュアルコア搭載モデルもラインアップされる。メモリ(RAM)は4GB、ストレージは64GBで構成され、最大256GBのmicroSDメモリーカードも装着が可能。

 バッテリーは本体内蔵の固定式で、3500mAhの容量を備える。充電はAdaptive Fast Charging(AFC)またはQuick Charge 3.0の急速充電に対応し、ワイヤレス充電も利用できる。底面に備えられた外部接続端子は、USB Type-Cを採用している。パッケージには従来のmicroUSBとの変換アダプタも同梱される。

 カメラはメインがGalaxy S7 edgeと同じ12Mピクセルのデュアルピクセルセンサーを採用し、F1.7のレンズを組み合わせる。インカメラは5Mピクセルのイメージセンサーに、F1.7のレンズで構成する。

 SIMカードはnanoSIMを採用し、地域によってはデュアルSIMモデルもラインアップされる。デュアルSIMは従来のLTE/2Gの構成からLTE/3Gの構成になり、デュアル待受に対応する。LTEはCat 9に対応し、三波を束ねる3CAにも対応する。

Sペン

 Galaxy Noteシリーズの特徴のひとつであるSペン自体も防水に対応し、画面が濡れた状態でも書いたり操作したりできる。IP68の環境に限られるが、本体が水中にある状態で、Sペンで文字を書くことが可能だ。

 Sペンそのものも従来モデルより、高性能化している。ペンの動きを検出するスキャンレートはGalaxy Note 5の1.5倍に相当する360Hzに引き上げられ、ペン先の太さを約半分の0.7mmに仕上げられた。圧力感知は従来モデルの2倍にあたる4096段階になり、繊細なタッチを再現することができる。

 Galaxy Note7はGalaxy S7 edgeでも採用された「Always On Display」にも対応し、従来のGalaxy Noteシリーズと同じように、画面オフの状態からメモを書くこともできる。プリインストールされるSペン対応のアプリは、これまで世代を重ねるごとにアプリが追加され、「S Note」や「アクションメモ」、「スクラップブック」など、複数の対応アプリが存在していたが、今回はこれらが「SAMSUNG Note」というひとつのアプリに統合される。

 Sペンを画面から浮かせた状態でボタンを押したときに表示されるエアコマンドのメニューが変更され、新たに追加された「ルーペ」「グランス」「GIFアニメ作成」などの機能を起動できる。「GIFアニメ作成」はYouTubeなどの動画からSペンで範囲を指定して、GIFアニメを生成できる機能で、生成したGIFアニメはメールに添付したり、SNSなどで共有できる。

 Sペンを画面に浮かせた状態で操作する「エアビュー」には、「翻訳」と「ルーペ」が追加される。ルーペはピンチ操作で拡大ができないような表示や場所でも拡大表示できる機能で、最大300%までの範囲で倍率を変更できる。翻訳はブラウザに表示されている単語にSペンを浮かせた状態で合わせると、その単語を翻訳できる機能だ。翻訳にはGoogle翻訳を利用しており、92カ国語に対応する。

 セキュリティについては、従来のホームボタンに内蔵された指紋認証センサーに加え、ディスプレイの上部に備えられた赤外線センサーを利用した虹彩認証にも対応する。

 虹彩認証などで解除したときに表示される「セキュリティフォルダ」が新たに搭載され、特定のアプリやフォルダ、アカウントなどを表示しないようにすることで、プライバシーを保護できるようにしている。

 大画面を活かしたマルチメディア機能としては、スマートフォンや携帯電話では初となる「mobile HDR Video」に対応する。現在、テレビなどで注目を集めているハイコントラストなHDRビデオの再生機能をスマートフォンで実現するもので、HDRコンテンツを配信する企業との連携を予定している。

 ユーザーインターフェイスも見直されており、カメラはファインダー画面から左にスワイプすると設定画面、右にスワイプするとフィルター画面、上下のスワイプではメインカメラとインカメラを切り替えるようになっている。

 アクセサリー類もGalaxy Note7向けのものが数多く用意され、Galaxy S7 edge用などにも展開されたClear View Cover、Clear Cover、Leather Cover、Lens Coverなどがラインアップされる。窓付き手帳型のS View Coverは新たにスタンド機能が追加され、動画などを視聴しやすくしている。

「Gear VR」の新モデル

 Galaxy Note7の発表と同時に、Gear VRの新モデルも発表された。外観のデザインはカラーがブラックに変更されたほか、瞳との距離や視野角などが見直されたことで、より没入感の高い体験ができる設計になっているという。本体側面にはOculas Homeへワンタッチで移動できるボタンも新たに装備されている。スマートフォンを装着する部分の端子はGalaxy Note7に合わせ、USB Type-Cに変更されているが、Galaxy S6/S7シリーズのmicroUSB端子も接続できるように、交換用アタッチメントも同梱される。