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DNP、スマートグラスを使ったAR能楽鑑賞システムをソニーらと開発

舞台進行に合わせて視界上に解説を表示。「土蜘」公演で実証実験

 大日本印刷株式会社(DNP)は15日、VR・ARを活かしたサービス「DNP VR・AR活用ソリューション」の一環として、スマートグラスを使ったAR能楽鑑賞システムの実証実験を実施することを発表した。実験は23・31日、東京都文京区の宝生能楽堂で開催される「土蜘(つちぐも)」の公演にて実施される。

 AR能楽鑑賞システムは、DNPと能楽の主流会派である公益財団法人宝生会、ソニーが共同開発したもの。古典芸能に親しみのない若年層や訪日外国人に向け、舞台に集中したままでも解説を閲覧できるようにするために生まれた。

 実験では、ソニーのスマートグラス「SmartEyeglass」を使用。スマートグラスの画面には鑑賞の妨げにならない位置に、台詞や所作の解説といったテキストを舞台の進行に合わせて表示、能楽に対する理解を深められるという。また、利用者はスマートグラスを操作する必要がなく、舞台から目を離さずに能楽を鑑賞できる。

 DNPは今回の実証実験の結果を踏まえ、今後は古典芸能だけでなく、文化・娯楽・スポーツ・観光施設などに向けて、スマートグラスとARを組み合わせた鑑賞・ガイドシステムのプラットフォーム構築を行うとしている。あわせて、多言語対応や、聴覚障がい者への対応も図るとする。