ニュース

ワイモバイル、「Android One」ブランドのシャープ製「507SH」

 ソフトバンクは、ワイモバイル(Y!mobile)のAndroidスマートフォンとして、新たなカテゴリーとして「Android One」ブランドを作り、シャープ製の「507SH」を7月下旬に発売する。価格は未定だが、割引適用後の実質価格が1万~2万円程度になる見込み。

 Android Oneは、グーグルが世界各国のメーカーと協力して開発するスマートフォン。最新のAndroid、セキュリティ機能が自動アップデートが毎月提供される。Google音声検索、Googleマップなどが用意される。

 こうしたAndroid Oneとしての機能に加えて「507SH」では防水(IPX5/8)、防塵(IP5X)、ワンセグに対応する。一方、おサイフケータイには非対応。またシャープ独自の仕様もサポートされておらず、たとえばカメラ機能で構図などをアドバイスする「フレーミングアドバイザー」、ユーザーに語りかけてくるアシスタント機能「エモパー」なども利用できない。

 大きさは約71×142×8.8mm、重さは約135g。約5インチ、HDサイズのIGZOディスプレイに、1310万画素カメラを搭載する。Bluetooth 4.2に対応する。CPUはオクタコア(1.5GHz×4、1.2GHz×4、MSM8952)で、メモリは2GB、ストレージは16GB。OSはAndroid 6.0。ボディカラーはスモーキーブルー、ブラック、ホワイトの3色。

 SIMロックが施され、購入から6カ月経過すれば無料で解除できる。

写真で見る「507SH」

日本独自の仕様にあわせつつ、最新のAndroidを

 5日、ソフトバンクは「507SH」の記者向け説明会を開催。説明を行ったY!mobile事業推進本部の寺尾洋幸本部長は、この春に投入したiPhoneと並び、Android Oneを今後、ワイモバイルにおける主流ラインアップにする、と位置付ける。スマートフォンのコモディティ化(日用品化)が進むなか、純粋なAndroidの世界を楽しめる機種を投入することで、グローバルでの知見を活かせる、と意気込む。

寺尾氏
追加されているのはこの4つのアイコンのみ

 ハードウェアのスペックとしては、シャープが今夏提供するミドルクラスの機種に近しい「507SH」は、Android Oneと位置付けられることにより、シャープ独自の機能を排しつつ、純粋なAndroidスマートフォンに仕上げられた。

 2014年にインドで初めて登場した「Android One」は、廉価さによってより多くのユーザーに行き渡ることを目指した機種だった。100ドルスマホとも呼ばれ、その価格から、これまでは新興国向けの機種というイメージが強かった。しかしグーグルでは、既に21カ国で「Android One」を、各地の市場にあわせた形で展開。最近ではトルコでも、日本円にして3万5000円程度のミドルクラスの機種が投入されたという。

 「507SH」は、防水防塵といった日本市場にあわせた仕様を備えつつ、“素のAndroid”を利用できる。最低でも18カ月間は最新OSを利用できることが約束され、セキュリティ機能もアップデートされる。メーカーならではの機能はほとんどなくたとえばカメラアプリも、Googleのものであり、シャープのカメラ機能は利用できない。ホームアプリなども含め、全てAndroidそのまま、という形で、ハードウェア面ではおサイフケータイも省かれた。こうしたメーカー独自仕様が除かれたのは、Androidの最新版を継続して利用できるようにするため。

 ワイモバイルではNexusシリーズも扱っており、「純粋なAndroidを体験できる」という意味では、NexusもAndroid Oneも同じ環境を提供する存在になる。ただし、これまでのNexusシリーズはITリテラシーの高い層に受け入れられてきたのに対して、従来よりも幅広い層に利用されるのでは、とワイモバイルでは期待する。

 昨秋からワイモバイル側から声をかけることでプロジェクトがスタート。ソフトバンクとしても付き合いが古く、ベースとなるモデルもちょうど良いものがあったため、メーカーとしてシャープと協力することになった。

 なお、「507SH」が日本以外でも販売されるかどうかは未定。