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Gear VR始球式も!? Galaxy協賛のハマスタ公式戦「Galaxy Day」開催

 6月25日、横浜スタジアムでサムスン電子ジャパンが協賛するプロ野球公式戦「Galaxy Day」が開催された。試合はセントラル・リーグ(セ・リーグ)の横浜DeNAベイスターズ対読売ジャイアンツ(巨人)戦。

始球式で投球直前にGear VRを着用し、ボールの握りなどを確認している

 Galaxy Dayの特別な催しとして、Gear VRを使った始球式が行なわれた。これは一般公募から抽選で選ばれたファンによる始球式で、マウンドで投球直前にGear VRを着用し、ベイスターズの石田健大投手と井納翔一投手によるコーチング映像を見てから投球するというもの。

 映像は大型ビジョンでも流されたほか、同時に公募されたスタンドの約60名のファンにもGear VRが貸し出され、同じ映像を体験していた。

やや低めだが「ズバッ」という快音とともにミットに収まった投球

 始球式ではキャッチャーを高城俊人捕手、バッターを白崎浩之選手、審判を山下幸輝選手が担当。投手に選ばれたファンの男性は、横浜商業高校などで野球経験があり、とくに現在ベイスターズの倉本寿彦選手は1年下(横浜高校)だったため、同時期にプレイしていたという。投手経験はないとのことだが、投球は鋭く高城捕手のミットに収まっていた。

大型ビジョンには視聴中の映像が表示されている
日本未発売の全周カメラ「Gear 360」がマウンド上の様子を撮影
始球式と同時にスタンドの公募ファンもGear VRを体験(写真:サムスン提供)
サムスン電子ジャパンの堤浩幸CEOは花束贈呈に登場(写真は始球式前の待機風景)
始球式前にベンチでGear VRを体験する高城捕手
白崎選手もGear VRを体験。手が動いちゃう気持ち、わかります
Galaxy Day限定のGalaxy体験イベント

 始球式のほかにも、「Galaxy Day」限定イベントとしてスタンプラリーも開催されていた。こちらは今シーズン中は球場に常設されているGear VRの体験ブースとGalaxy Day限定の「S7 edge金魚すくい」体験ブースの両方を巡ると、抽選で「Galaxy S7 edge」やサイン入りユニフォーム、「Gear VR」が当たるというもの。当日の試合開始前は、とくにGear VRの体験ブースは常時20人以上が並ぶほどの人気となっていた。

Gear VR体験ブース。ベイスターズ関連の全周映像が見られる
S7 edge金魚すくい。Galaxy Studioなどで開催されたものと同じ内容だ
金魚すくいブースでは国内未発売のカメラGear 360も展示されていた

 プロ野球の公式戦はしばしば企業の協賛が付くが(協賛してもイベントが追加されるだけで、基本的に通常の試合と変わらない)、スマートフォンのブランドが協賛に付くのは珍しく、Galaxyブランドが国内の試合の協賛をするのも今回が初めてだという。なお、今シーズンのGalaxy Dayは今回のみで、来シーズン以降の開催は未定とのことだ。

横浜スタジアム

 ちなみにGalaxy Dayの試合は、セ・パ交流戦明けの最初の3連戦の2戦目。前日の1戦目は、巨人のエース菅野投手が3回で9点を失いノックアウトされるという予想外の展開で、ベイスターズが快勝していた。

 Galaxy Day当日は、天気予報では降水確率が高めだったが、土曜の巨人戦ということもあり、立ち見も多数で来場者は公式発表2万8446人、収容人数3万人のハマスタとしては95%近い大入りとなっていた。

 試合は一進一退、両チーム逆転に逆転を重ねるという展開で、ベイスターズは8回裏に逆転して1点リードとする。9回表の巨人の攻撃は2番からの好打順だったが、「ヤスアキジャンプ」に迎えられたクローザー山﨑康晃投手が打者3人をゴロやフライに打ち取りゲームセット。見所の多い、非常に熱い試合となっていた。

ベイスターズファン必見のGear VRコンテンツ

バックネット広告。左上にGalaxyのロゴが入っている

 サムスン電子ジャパンは今回の試合協賛以外にも、今シーズンはベイスターズと協力し、さまざまな取り組みを行なっている。横浜スタジアムには広告を出しており、中継でよく映るバックネット下に「Galaxy」のロゴが入っている。さらに三塁側内野の最上段にある特別シート「スカイバーカウンター」は、今シーズンは「Galaxy Gear VRスカイバーカウンター」となっていて、このスカイバーカウンターの利用者にはGear VR(もちろんスマートフォンのGalaxyがセットされた状態)を貸し出すサービスも提供している。あとは前述の通り、Gear VRの体験ブースも、シーズン中はコンコース内に常設されている。

 Gear VRはGalaxyを使うVRゴーグルだ。Galaxy S6シリーズ以降のモデルが対応している。サムスンはGear VR向けのコンテンツでもベイスターズと提携しており、ベイスターズの練習風景などの全周映像を配信している。YouTubeの「360BAYSTARS」でも配信されているが、Gear VRでは全周映像の制作も担当しているejeのアプリ「VR Cruise」で視聴できる。

Galaxy Gear VRスカイバーカウンター。5人もしくは6人セットのシート

 配信されているベイスターズの全周映像は、筒香嘉智選手のフリー打撃、山﨑康晃投手のブルペン投球、勝利時のハイタッチなど、ベイスターズファンのツボを抑えた内容となっている。

 360BAYSTARSのコンテンツは、今年のプロ野球のシーズン開幕に合わせて配信が開始されたが、シーズン中も随時、新コンテンツが制作されている。ルーキー今永昇太投手の横浜スタジアム初勝利時のヒーローインタビューやハマスタ名物「ヤスアキジャンプ」など、シーズン中ならではの映像も追加されている。

 放映権やプロ野球としてのルールがあるので、インプレー中のフィールド映像は撮影できないとのことだが、イニング間などは撮影できるようで、たとえばイニング間の投手交代時に行なわれるヤスアキジャンプは、ある意味ギリギリOKの映像だという。

スカイバーカウンターでGear VRを着用する筆者。これは別の日にプライベートでハマスタに行ったときの写真である

 野球は打席周辺がゲームの中心となるので、カメラの位置や画角が固定される全周映像との相性が良い。たとえば山﨑投手のブルペン練習映像は、カメラが右打席の位置に置かれていて、山﨑投手の投球を打者目線で体験できる。解像度やフレームレートの問題もあるかも知れないが、野球経験のない筆者には投球を追うどころかタイミングも合わせられず、プロの投球の凄さを感じることができる。

 また、普段は観客としての視点で見ているところを、プレーヤーに近い特殊な視点から見られるようになることも面白い。たとえば「ヤスアキジャンプ」の映像では、リリーフカーにカメラが搭載され、山﨑投手と一緒にマウンドに向かう様子を体験できる。こうした体験ができるのも、VR全周映像ならではだ。

ハマスタのショップでベイスターズ特別仕様のGear VRも販売中(1万6000円)。Galaxy S7 edgeなどは別売りだ

 360BAYSTARSの全周映像は、スマホのYouTubeアプリだと、スマホの向きに合わせて視点を変えながら視聴できる。しかしこれはあくまで疑似的なもので、「画面の向こうの世界をのぞき見る」という体験でしかない。Gear VRなどのVRゴーグルによる「バッターボックスに立っている」などの体験とはレベルが違う。

 Gear VRは、Oculus Riftなどの室内の固定された環境向けのVRゴーグルと異なり、ケーブルレスで扱いやすく、対応Galaxyを持っているならば比較的安価に導入できる。加えてGear VRはOculusが共同開発しているので、遅延が少ないなど細かい点のクオリティが高く、Cardboardなどの簡易VRゴーグルに比べると違和感が小さくて酔いにくい傾向がある。

 今シーズン中のベイスターズ主催試合では、横浜スタジアムにGear VRの体験ブースが設置されている。横浜スタジアムを訪れることのあるプロ野球ファンは、是非ともGear VRで360BAYSTARSを体験することをオススメしたい。