インタビュー

KDDI田中社長に聞く

KDDI田中社長に聞く

ネットワークとサポートで勝負、次のステージは「データシェア」

 「LTEのエリア競争はKDDIがダントツではないか」――9月2日、通信障害対策などを紹介する記者説明会で、KDDI代表取締役社長の田中孝司氏が述べた言葉だ。エリアに強い自信を示す同氏だが、18日、本誌のインタビューに応えた同氏は「ネットワークとユーザーサポートが“auらしい”要素になる」と説明した。

 インタビューを通じて、田中社長の言葉の端々からは、いよいよ国内でiPhoneを取り扱うことになった、NTTドコモへの対抗心が垣間見えた。

「端末は同じ、料金は横並び」

――iPhoneの発売日が近づいてきました。

田中氏
 今日は、エリア品質強化室の高橋(明美氏)と、カスタマーサービス企画部長の木村(奈津子氏)が同席しています。つまり「ネットワーク」と「サポート」が、今日、お伝えしたいことです。

田中社長(中央)、木村氏(右)、高橋氏(左)

 まず前者については、個人的にも800MHz帯のプラチナLTEは、相当の自信があります。去年(のiPhone 5)では対応されず、今日のために進めてきましたから。

 もう1つ、他社との差別化のポイントとして、うち(au)はサポートだよね、と思っていて。というのは、キャリアが売る商品は、「端末を売ります」「ネットワークが付いている」「料金がいくら」そして、その上アッパーレイヤー(上位)にauスマートパスなどの(コンテンツ)サービスがある。そして5番目の要素が「サポート」になるわけです。

 まず端末は、見かけも中身も同じ(iPhone)。ドコモさんは、プッシュ通知などが当初非対応となっていますが、当社も2年前に苦しんだ部分と同じでとやかく言えるところではありません。ネットワークは先述の通り、重要なポイントで、キャリアとしては一番差別化になる部分です。料金は、各社ほぼ横並びだと思っています。

 4つ目のアッパーレイヤーは、ドコモさんも各種サービスを対応させるようですが、実際はどこまで対応されるか不明で、比較しようがないというところです。最後が(ユーザーへの)サポートということになります。

社員自身が現地調査

田中氏
 (同席している)高橋は、エリア品質強化室に所属しています。実は今、当社では社員が「繋がらない場所」を見つけ出そうという取り組みを進めています。日頃から、各種ツールを使って、“穴”を見つけていますが、そのレベルをもう超えちゃったのです。わりときっちりできるようになってきた。しかしシミュレーションやツールでは表れない場所を見つけようと。そこで社内でコンテストをやっているのです。「繋がらない場所を○件見つけよう」とノルマを、各人がクリアすべく、各地で実際に試しているのです。

――エリア品質強化室の取り組みについては、既に本誌でも取材(※参考:本誌8月9日掲載のインタビュー)しましたが、トラフィックマップと端末からの情報収集などを駆使するという話でした。それに加えて、現地調査を行うということですね。どんな形で調査を?

高橋氏
 現地調査はいろいろと行っています。たとえば渋谷は道玄坂~センター街を歩いて調べたりしています。

田中氏
 たとえば女性目線で、「ここは繋がらないと困る」といった場所を調べてもらう。

高橋氏
 ちょっとしたときに訪れる、デパートの地下、コスメのコーナー、美容室の待合場所といったところですね。

――なるほど。しかし電波は“水物”と言いますか、環境、場所、時間によって変わるところがありますよね。現場の調査は、どの程度、エリア品質改善に役立つのでしょう?

田中氏
 ええ、役立ちます。ある場所で繋がりにくいことがあった場合、次に訪問したとき繋がったとしても、「一度は繋がりにくかった」ということは事実じゃないですか。そうした状況はやっぱりマズイよねということです。電波がフェージングして、波打って、良い環境のときであればいいけど、谷になって干渉が強まって3Gに切り替わったりすることがある。そうした場所を見つけて、調整しないと、エリア品質強化の意味がないのではないかと考えています。

基地局数の違い

――どの程度の規模で調査を?

田中氏
 なかなかすごいですよ。山手線ですと、五十何周だっけ?(と高橋氏に)

高橋氏
 今週だけでも、山手線は述べ100周はしています。新幹線も今週だけで50往復はしています。

田中氏
 昨日は大丈夫でも今日はダメ、というところがあって。もちろん統計処理して、繋がりやすさ/繋がりにくさを見つけることはできますが、(エリアの細部は)結局、人が訪れて調査しなきゃいけないということです。アンテナの角度を変えたりして調整するのです。

――それは“終わり”のある作業ですか?

田中氏
 (終わりの……で言葉をかぶせて)ない、ないですよ。終わりのない闘いです。

――社員自身の計測は、一度始めた以上、今後も継続していくのですか?

田中氏
 たとえば統計データで、繋がりにくい場所は見つかります。そうした場所があると、電波測定車で計測したり、車が入らなければ人が調査したりします。繋がりにくい原因も、どの基地局が要因なのか解析するのですが、これが時間かかるんですよ。そこが判明してからソフトウェアを改修するのか、アンテナの角度を調整するのか、それでもダメならピコセル(小規模なエリアをカバーする基地局)を設置するのか……という流れです。これは終わりがありません。

 こうした取り組みの結果、(ビジネスの用途が多いと言われる東海道新幹線だけではなく)東北新幹線、山陽新幹線もずいぶん繋がりやすくなりました。

高層ビルのエリアも

田中氏
 もう1つ、法人も結構キーだと思っています。企業が入居するビルのうち、商業エリアがあれば、そうした場所はそれなりにLTE化されています。それでも競合他社では弱いところがあります。

 一方、第三者が入ってこないような場所(オフィスエリア)がLTE化されているかというと、まだそこまで行っていない。当社が今、気合いを入れているのがそうした場所です。KDDIの法人営業が伺った場所でスループットを計測して、エリア対策をしています。

最高齢は93歳

――もう1つの差別化要素が「サポート」ですね。

田中氏
 木村は、(auのショールームとしてオープンした)KDDIデザイニングスタジオの初代館長、次いで(直営店の)au NAGOYAのオープニング時の店長と、現場中心型の人物です。ぼくらは今春、「auスマートサポート」を発表していますが、先述したように、サポートサービスが差別化の要素だと強く思っています。木村とは「auスマートサポート」をハイクオリティのサービス、プレミアムなサービスとして訴求しよう、とやってきました。

――これまでの手応えはいかがですか。

木村氏
 店頭では、実際にお客さまが困っている場面でサポートしてきました。実際にスマートフォンを使い始めてみたけれど、何をしていいかわからない方、あるいは使い方が少しでもわかれば、つまり、あとちょっと背中が押されればスマートフォンへ移行するような方がたくさんいらっしゃいます。

 そうした中で提供を開始した「auスマートサポート」は、有料のサービスであり、いわゆるマス向けではなく、使い方で困っている、サポートが必要な方にぴったりとなる、パーソナルなサービスとして提供しています。

田中氏
 コールセンターは、普通は派遣スタッフかもしれませんが、auスマートサポートはKDDIの社員が表に出て担当しています。ここだけは直営なんです。

木村氏
 普通にお客さまと会話しながら、音楽に興味があることがわかったら、スマートフォンでの使い方をお伝えするとか……イメージとしては、「街のかかりつけのお医者さん」みたいな存在になりたいと思っているのです。

田中氏
 だから、auスマートサポートのコールセンターには、当社のスタッフのうち、ユーザーの馴染みのあるスタッフへ指名でくるんです。「この人をお願いして」と。

 (木村氏に向かって)そういえば、auスマートサポートの利用者で最高齢の方は?

木村氏
 ええと、93歳ですね。平均は40~50代の方で、女性のほうが若干多いですね。これまでフィーチャーフォンを利用されていた方です。有料の訪問サポートも提供しているのですが、たとえば「孫とLINEをしたい」という要望を持ちつつ、どこに相談したらいいかわからなかった、というケースもあります。

田中氏
 そういった方に伝えるときも、一気に全部教えるのではなく、今日はここまで、明日はここまで、とステップを踏んでいます。

木村氏
 そういう形でとことんお伝えします。逆に、しばらく電話がないとちょっと心配になることもあって、確かめてみると「転んで怪我をした」という話になって、その流れでスマートフォンにはタクシーを呼べるアプリがあって……とお伝えすることもあります。

田中氏
 正直、コスト度外視でやっていますので、auスマートサポートの満足度は異常に高いですよ。

――ポップなカラーの「iPhone 5c」は、そういった方々にも支持されそうですね。

田中氏
 そうでしょう? アーリーマジョリティにはスマートフォンが行き渡った感があります。今からスマートフォンへ移行する方は、「買って損するのはイヤだ」というところってあると思うんですよね。

木村氏
 高い買い物ですしね。今、auスマートサポートでは、端末を試用できるサービスを用意していますが、準備でき次第、「iPhone 5c」も用意していきます。

“auらしさ”を追い求める

――ネットワーク、サポートが他社との違いを打ち出す、差別化の大きなポイントになるとのことですが、そのあたりはiPhoneの取り扱いを始めた当初から、想定していた、ということなのでしょうか?

田中氏
 いわゆるダムパイプ化(土管化)、あるいはスマートパイプという議論がありますが、以前は気を許せば土管屋になりかねないと恐れていました。もしそうなると、ユーザーとのタッチポイント(顧客接点)を失うと。

 かつて、通信事業の歴史を振り返ると、固定回線・固定通信ではタッチポイントを失って、ユーザーが何を考えているかわからなくなって厳しい時代を迎えた、というトラウマが結構あります。

 携帯電話の時代になって、キャリアが端末を販売し、そこがタッチポイントになって、ユーザーのニーズにあわせていろいろ開発して、サポートサービスも充実させてきました。ところがスマートフォンの時代になると、なんとなくグローバルな端末が広がり、我々の要望がうまく反映されなくなってきています。

 ただ、Androidでは、“auテイスト”を残そうと努力してきました。たとえばINFOBARはその1つ。そうした努力は失わないでおこうと思っています。さらにWebサービスやアプリといったレイヤーも絶対にあきらめちゃいけないと思っています。当然サポートもです。auらしさを出す部分ですから。こうした「auらしさ」はグローバル端末が増えても、残さなきゃいけない部分で、他社との違いは、常に努力して出していかなければいけません。あきらめたら、まぁいいや、となっちゃうと思っています。

――auらしさを出したい、とKDDIだけが唱えていても実現しないところもありますよね。たとえば、今回のiPhoneでの800MHz帯対応は、アップルへ働きかけて実現した部分では?

田中氏
 これは長い長い交渉の末でここまで来たんです。1年、1年半かな?

――iPhone 5の段階からですか?

田中氏
 それは、お願いは相当していましたよ。

――でも、当時はうまく取り入れられず、と……。

田中氏
 それは、(当時)シングルプロダクトといった考え方などもありますから。今回対応となった800MHz帯は、LTEでは、日本特有のバンド(周波数帯)です。エコバンド(多くの国で共通の周波数で、グローバル端末ではサポートされやすい)という意味では、今回、800MHz帯がサポートされたのは大きな意義があります。

 やはり2GHz帯のほうが“エコ力”は強いですよね。でも、いつかこういう日が来ると思って、多額の設備投資を行って(800MHz帯の)基地局を展開してきました。Androidはわりと我々の自由になるので、先に実現していましたが、今回iPhone 5s/5cでサポートされ、他社より先行してエリアを構築しているという状況は、本当に我慢してきて良かったと思いますし、結構嬉しいですし……。気合を入れてやろうと。

――800MHz帯に対応した、アップルの背中を押したものって一体何だったのでしょうね。KDDIのリクエストが奏功したということでしょうか。

田中氏
 しょっちゅう言ってたからじゃない?(笑) 長くお願いしてましたから、受け入れられて嬉しいですよ。

――事前の観測のなかには、TD-LTEへの対応も噂されていましたね。

田中氏
 チャイナモバイル向けのことを考えると、その周波数ではサポートされていますね。今回サポートするかな、と思っていましたが、蓋を開けてみるとそうではなかったと。

――国内の状況からすると、ソフトバンクグループにとっては痛手になったように見えます。

田中氏
 彼らはAXGP方式(TD-LTE互換とされる)を展開していますから、日本向けのiPhoneがTD-LTE対応だったら、(ソフトバンクにとってのメリットが)大きかったんじゃないかなと思います。KDDIグループにも、TD-LTE互換の方式をこれから展開するUQコミュニケーションズがありますから、これからのiPhoneをキャッチアップしなければいけないかもしれないよね、と思っています。

――話はそれますが、これからのUQを牽引する材料が、今は少し欠けているようにも見えます。

田中氏
 7月下旬に、新しい免許を得ることができて、かなり気合は入っていますよ。今の周波数は結構、逼迫してきていると聞いていますから、彼らにとっては(新たな免許獲得は)良いことで、成長のシナリオができてきたかなと思っています。

次のステージを見据えた「データシェア」

――9月2日の会見は、今にして思えば、iPhoneの800MHz帯対応で、auの競争力が強くアピールする格好になりました。

田中氏
 そこはよく勘違いされるんですが、今春の通信障害への対策を8月末までに完了する方針でしたから、記者さんからも早く説明を、と求められていたのです。他社のことはわかりませんが、当然ながら、あのタイミングで自分たちのエリアの強みがどうなるかは分かっていましたから、ずっと我慢していたことを言いたかった、ということはあります。とはいえ、あまり言えないこともありますし。

――新しいiPhoneが発表された今の段階で、もう1つ、2つ、新たに言えることはありませんか?

田中氏
 またまた、そんなの言えませんよ(笑)。でもおおよそのことは発表済です。料金も出ましたし。

 ドコモさんが(iPhone取り扱いに)入ってきたことで、携帯業界が、もう一段、上のステージに行ければいいなと思います。3社が競争環境にあるのは事実だし、相当シビアになるのは事実ですが、決して消耗戦にいくことはなく、「こういうことができるんだ」という次のフェーズに行かなきゃいけないし、行くべきだと思います。

――それがネットワークとサポートですか?

田中氏
 もう1つ思っているのが、今回発表した「データシェア」です。次って、日本が遅れているタブレットを、スマートフォンと一緒に使いこなすフェーズに持ち上げなければと思っているのです。今は、両方使うと(料金が)高くなる。だからWi-Fi版を買っちゃうという流れ。でもセルラーモデルだとパッケージの蓋を開けるだけですぐ使えるわけです。

 では、どうすればいいのか、ということで、エントリーの料金を下げて、それでいてスマートフォンと両方使いやすい環境を提供しなきゃいけない。目線はそっちにあります。パソコンでもいいですが、タブレットが広がるようにしたい。映画を観るときも、手元のタブレットで観つつ、テレビでも観られる。そんな使い方をストレスなく利用できるようにしたい。

 スマートフォンはレイトマジョリティ層になってきて、これからも頑張らなきゃいけませんが、タブレットは世界的にもまだまだ浸透していません。これを放置していいのか。3社が切磋琢磨して使い方を提案しなきゃいけない。

――データシェアは、料金面において、KDDIが進める3M戦略(マルチユース、マルチネットワーク、マルチデバイス)とマッチするところでもありますね。対応デバイスが増えて、固定回線とのセットも既にありますし、今後は、個々人との契約であった通信回線が世帯ごと、という形にしやすくなりますね。

田中氏
 そうそう、そうです。何に使っても変わらない、目方でドン、という。

――その世界観を具体的な形に落とし込む時期は、まだ先の話でしょうか。

田中氏
 一歩一歩登っていかないと、「これが僕たちの世界観です。さぁお使いください」と言っても、なかなか使ってもらえません。

 去年は、iPad miniが出て、タブレットの年だと思っていましたが、なかなかそうはならなかった。今年~来年にかけてしっかり取り組んで、再来年くらいにはみんな使っている状況になればと思います。僕はもうたくさん持ってるんですけどね。

――さすが、ですね。

田中氏
 渡米するときもパソコン、タブレット、スマートフォン、それぞれ2台ずつ持っていきます。たとえばアップル行くときにはやっぱりMacを持っていかなきゃと思いますし。プレゼンテーションするとき、Keynote(アップルのプレゼンテーションソフト)を使うのですが、Windowsも必要です。Windowsを(Mac上の仮想環境である)Boot Campで動かせと思われるかもしれませんが、面倒くさいのは嫌いなんですよね(笑)。Windows持っていこう、ということで、Surfaceを持っていきますし。

――今の時期に田中社長がSurfaceを持っていると、いろいろと期待しそうになりますね。

田中氏
 あら、誤解を招きますか?(笑)

――そうですね(笑)。マルチプラットフォームという面では、KDDIとしてFirefox OSへの意欲を示していますが……。

田中氏
 まだ時期は明らかにしていませんが、基本的に今ある製品と、同じことができてもつまらないな、とは思います。Firefox OSは、Webとの親和性が高いという面が面白いところですよね。その良さを出せないと、新しさを感じないですよね。

新しいiPhoneへの期待

――田中社長の個人的な考えとして、今回のiPhoneでワクワクする部分はどこですか?

アップルのティム・クックCEOとKDDIの田中社長。この写真は、10日、米国でのiPhone発表会のあと、田中氏のFacebookに投稿された

田中氏
 僕はギークと自負してますから、64bit CPUと思われるかもしれませんが、わりとiPhone 5cのカラーバリエーションがいいなと思っています。売りのカラーは青だそうですが、ティム(クック、アップルCEO)に聞かれて、僕は緑が好きだと答えましたよ。

――iPhone 5cはマス向け、ということになるのでしょうか。

田中氏
 ユーザーにはどう受け入れられるかは、まだわからないですね。iPhone 5sが人気という話もありますが、女性はiPhone 5cのカラーに注目しているようです。予約受付もiPhone 5cだけですから、iPhone 5sへの意向がつかめない。日本だとこういう場合は、両方出揃うのを待つ方が多いので、余計わからないですよね。

――iPhone 5sは在庫薄なのでしょうか。

田中氏
 うーん、そういうことなのでしょうね。

――ドコモが今回、iPhoneを取り扱うことになりました。

田中氏
 僕らも1年目は大変でしたから、ドコモさんも大変じゃないでしょうか。

――それは技術面、サポート面、どちらででしょうか?

田中氏
 それは販売を含めて、カスタマーサポートは大変でしたよ。

木村氏
 当時、au NAGOYAにいましたが、発表前にはまったく情報がなくて、明け方にプレスリリースを見ると、そこには直営店ですから「au NAGOYAの場合」という形で記載されているわけです。どういうこと? とジャンジャン電話が鳴って、たくさんの問い合わせがありました。

田中氏
 メールの話、プッシュの話と、2年前の我々とまったく一緒だよね。でも、我々はiPhoneの発売時に、プッシュはできませんでしたが、メールサービス自体は間に合わせましたが……。

――やはりキャリアメールはニーズがまだまだ高いサービスでしょうか。

田中氏
 迷惑メールなどはありますが、まだまだ必要なサービスですよね。ないと困ると。

――最後に、今回のiPhoneの提供で、一番大事にしたこと、あるいはこれからしていくことは何でしょうか?

田中氏

 ちょっと長くなりますけど、去年、2GHz帯で相当苦労しました。結構パケ詰まりとかありましたが、なんとか回復してきて、あまりひどくない状況まできたと思います。そして800MHz帯のエリアが揃ってきて、ここまで来れたのは本当に嬉しい。自分も社員もネットワーク屋さんが多いので、エリア品質への評価は本当に心に来ます。今の状況はある意味、ホッとしています。そして他社への優位性に繋がっているということで、経営者としても嬉しいです。ぜひとも使ってください。本当に違いますから。

――今日はありがとうございました。

関口 聖