【Mobile World Congress 2013】
豊富なサービスメニューをアピールするNTTドコモ
(2013/2/26 18:58)
今年も出展するNTTドコモのブースでは、日本国内で提供しているサービスや製品が展示されている。
海外の携帯電話事業者は、通信回線以外のサービスメニューがさほど豊富ではなく、いわゆる「土管」(通信サービスのみ提供する形態を指す業界用語)に近いことが多いが、ドコモは同社の豊富なサービスを展示することで、単なる「土管」ではない携帯電話事業者であることをアピールしている。
ブースの前面ではdマーケットやiコンシェルといった、ドコモがスマートフォン向けに提供している各種サービスが展示されている。ブースではドコモのスマートフォンの実機を使って、英語化されたコンテンツを試せるような展示となっていた。とくにしゃべってコンシェルは「スヌーピー」のチャーリー・ブラウンが英語で応対する特別バージョンが展示されていた。
おサイフケータイを含むNFC関連のサービスも展示されている。おサイフケータイは、世界でもまれな、広く一般に普及している携帯電話搭載型のNFC対応サービスだ。従来は「Osaifu-Keitai」などとして、日本独自のサービスとして紹介されることが多かったが、Androidプラットフォーム上でNFCが標準化され、NFCが一般的になりつつあることもあり、今回は「NFC」の一環としておサイフケータイのサービスが展示されている。
NFC関連の展示としては、ドコモが韓国のKTと提携して行っている相互乗り入れサービス、マスターカードのPaypassとiDの連携などに加え、日本で運用されているNFC(おサイフケータイ)やQRコードを使ったチケット管理ソリューションも紹介されていた。このチケット管理ソリューションは、電通が主要株主のBOARDWALKが開発・運営しているもので、コンサート会場の入り口などにNFCとQRコードのリーダ機器を設置し、スマートフォンや携帯電話に発行された電子チケットで入場管理を行うというもの。チケットの「もぎり」担当の人件費削減や来場者の入場スピードの向上、入場者の細かい電子管理、顧客の情報管理などの利点があるとしている。
このソリューションは、国内を中心に多数の商用利用実績があり、さまざまなアーティストのコンサートで利用されているという。とくにEXILEはこのシステムの利用に積極的で、近いうちに新バージョンの機器も導入される予定とのことだ。主に日本で利用されているが、日本のアーティストの海外公演時での利用実績や、日本で開催されるコンサートのために来日する海外の来場者による利用もあるという。日本人ではおサイフケータイが広く普及しているため、NFCの利用率は半分以上だというが、iPhoneのように、おサイフケータイ非対応の端末もあるため、QRコードも半分近い利用があるとのこと。
なお、ドコモではMWC初日にあわせたタイミングで、チャイナモバイルとKTと共同で策定したNFCサービスの国際ローミングの共通仕様を発表している。それに関する展示はなかったが、ブースではこの発表の英文リリースが配布されていた。
ドコモならではの端末製品としては、「らくらくスマートフォン」や「スマートフォン for ジュニア」が展示されていた。らくらくスマートフォンについては、富士通がフランスのOrange向けに提供予定の海外版「STYLISTIC S01」も展示されている。ドコモ版のらくらくスマートフォンは、Google Playによるアプリ追加ができず、メールや地図もGoogleではなくドコモのサービスを利用する形式となっているが、「STYLISTIC S01」は、Google PlayやGoogleマップ、Gmailなどのサービスが利用可能になっている。またSYLISTIC S01」におサイフケータイ機能は搭載されていない。
シニアや子ども向けの端末は、日本独特なものとして、これまでも海外の展示会で展示されるケースはあったが、海外で発売される日本発のシニア向けケータイが展示されるのは、今回が初のケースとなる。なお「STYLISTIC S01」は富士通ブースでも展示されていた。
このほかにもドコモブースでは、ドコモが提供するサービスや開発中の新技術など、さまざまな展示が行われていた。