【CES 2017】

「FeliCa対応」「新たなペン入力」「防水強化」~ファーウェイ幹部が語る、2017年の新戦略

 「FeliCaへの対応はロードマップに入っている」「『Mate Book』とスマートフォンで共有できる新しいタッチペンを開発している」――こう語るのは、グローバルでファーウェイの携帯電話端末部門を統括する、President of the Handsets Product Lineのケヴィン・ホー氏だ。

 1月5日(現地時間)に同氏はCESで、報道陣からの質問に答え、2017年の端末戦略を語った。主な一問一答は次のとおり。

新モデルのヒントを次々と語ったケヴィン・ホー氏

――2016年はシェアを大きく伸ばしましたが、2017年はどのような戦略で臨んでいくのでしょうか。

ホー氏
 2016年は1.39億台の販売でしたが、需要ベースでは1.5億台でした。生産、供給の問題があり、最終的には1.39億台になっています。伸びがよかったのは、中国、北欧、西欧、東欧などで、日本でもシェアを伸ばすことができました。イタリアやスペイン、フィンランドでは、すでに20%のシェアを超えていますし、一部地域ではサムスンを抜いて1位になっています。

 2016年4月には、「P9」、(日本未発売の)「P9 Plus」を発表しましたが、これらの端末にはライカと共同開発したカメラが載っています。ブランド認知も進み、2015年に比べても大きな飛躍がありました。

ライカと共同開発したカメラが、大きな飛躍のきっかけになった。写真はエッジスクリーンを採用した「Mate 9 Pro」(日本未発売)

 2017年も、新しい製品は引き続き投入していく予定です。上半期にPシリーズを、下半期にMateシリーズの新製品を出し、その間にNovaシリーズ(日本未発売)の新製品を投入します。また、インターネットユーザー向けに、Honorシリーズの新製品を出す予定もあります。これらは、業界のなかでも、非常に競争力のある製品に仕上がっています。

CESでは、ミッドレンジのデュアルカメラモデル「Honor 6X」のグローバル版を発表

――デュアルカメラが好評ですが、やはり競争軸はカメラなのでしょうか。

ホー氏
 私どものデュアルカメラは3年前に送り出していて、この分野では先頭を走っているメーカーという自負があります。「P9」や「Mate 9」でもブレイクスルーを達成し、ライカとの共同開発で設計や性能向上のノウハウも蓄積できました。これは、サムスン、アップルの先を行くと確信しています。

 ご質問にお答えすると、カメラに重点を置くという考えは維持していきます。現在も、新しい端末に対応するモジュールで、ライカとの協業を進めています。レンズやIPSの最適化を取り入れることで、撮影をより良いものにしていきたいですね。

 ただ、撮影機能は1つの方向性、一部でしかありません。その他にも、バッテリーの持ちや、ソフトの最適化があります。Androidを最適化し、長い期間使っても動作が遅くならないことにも注力しています。

――Apple PayやGoogle Payのような、モバイル決済はどのようにお考えでしょうか。

ホー氏
 ペイメント(決済)に関しては、継続的に投資をしていきます。中国では、すでに「HUAWEI PAY」を開始していて、地下鉄に乗ったり、ショッピングしたりができます。これは、徐々にグローバルにも広げていきたいと考えています。

NFCでの非接触決済に対応した「HUAWEI PAY」

――広げていく中で、日本ではFeliCaが必要になります。

ホー氏
 日本のFeliCaに対応する計画も、ロードマップにはあります。今年は、日本の製品でぜひ対応していきたいですね。

――機能面でいうと、アップルやサムスンは防水にも力を入れるようになりましたが、こちらはいかがですか。

ホー氏
 私どものフラッグシップモデルにも防水はありますが、これはあくまでも生活防水で、水滴や雨にちょっと濡れても大丈夫といった程度のものです。この機能が重視されているのは、重々承知していますし、さらに強化した製品を投入する予定もあります。

――私(筆者)は今、「Mate 9」をメインで使っていますが、これだけ画面が大きいと、どうしてもペン入力がしたくなります。タッチ以外の入力については、どうお考えでしょうか。

ホー氏
 まさに今、「Mate Book」とスマートフォンで共有できる、新しいタッチペンを開発しているところです。このペンは(Mate Book用のペンより)サイズも小さくして、携帯性を高め、ユーザーエクスペリエンスにフォーカスした新しいタイプのものです。こちらは、間もなく市場に投入します。

――現在、日本ではSIMフリー市場でシェアを伸ばしていますが、結果として、MNO(ドコモ、KDDI、ソフトバンク)からの引き合いも強くなりそうです。こちらはいかがでしょう。

ホー氏
 いくつかのキャリアから引き合いがあり、現在、ニーズや仕様のすり合わせをしています。そういった話がうまくまとまり、協業が決定すれば、今年にもMNO名義でリリースできる可能性はあります。

――本日は、ありがとうございました。