【2015 International CES】
クアルコム、自動車やヘルスケア、スマートホームの取り組みを発表
(2015/1/6 21:43)
ラスベガスで開催中の家電の展示会「2015 International CES」において、クアルコムはプレスカンファレンスを開催し、社長のDerek Aberle氏がクアルコムの新しい取り組みを紹介した。
まずAberle氏は今後の見通しとして、2014年から2018年にかけての5年間で合計80億台のスマートフォンが出荷されるとの予測を紹介し、クアルコムはこの業界をリードする非常に良いポジションにいるとアピールする。たとえばすでに10億台以上のAndroidスマートフォンがクアルコムのSnapdragonを搭載して出荷されていおり、2014年度だけでも8億6千万個以上の「MSM」シリーズのチップセットが出荷されるという。
そして今年(2015年)は昨年発表された最新のSnapdragon 810を搭載したスマートフォンが登場する。Snapdragon 810は最上位の「プレミアセグメント」のチップセットで、CAT 9のLTEサポートや、処理能力が向上している。また、このプレスカンファレンスの直前にLGが発表したLG G Flex 2にも搭載されることも紹介し、Snapdragon 810上で3Dゲームエンジン「Unreal」を動かすデモも行なった。Snapdragon 810が搭載するGPU(Adreno 430)は、Snapdragon 805のAdreno 420よりもグラフィック性能が30%向上しているという。
さまざまな分野に製品を展開
続いてAberle氏はクアルコムの取り組みとして、ローパワーからハイパフォーマンスまで、さまざまなスケールで、さまざまな分野に、新技術を素早く市場に展開していることを紹介する。
まず自動車分野では、Android搭載のコンセプトカー(2015 Cadillac XTS)、組み込みのQNX OSをベースにしつつもタッチやジェスチャー、ボイス操作に対応したコンセプトカー(2015 Maserati Quattroporte GTS)、車両自体のワイヤレス充電に対応するコンセプトカー(2014 Honda Accord PHEV Vehicle Integration)をCESでも展示していると紹介する。
ヘルスケアもクアルコムが力を入れつつある分野で、モバイル技術によってコスト削減をしたりと、エキサイティングなチャンスがあると語る。具体的な取り組みとして、全米で展開する薬局(Pharmacy)チェーンのWalgreenとの協業し、Walgreenが展開する「Balance Rewards for healty choices」というサービスの強化などを行なうこと、製薬・バイオを手がける国際企業Novartisとも臨床試験などの分野で協業することを発表した。
ウェアラブル分野についても、すでにAndroid WearやGoProなどにクアルコムの製品が採用されており、Aberle氏も「スイートスポットと考えている」と語る。すでに30以上の国で15以上の製品が出荷されているという。
スマートホーム分野では、昨年、業界団体のAllSeen Allianceを立ち上げ、すでに100以上のメンバーが参加していることを紹介した。また、新たな取り組みとしては、メディアプラットフォーム「AllPlay」の強化やトライバンドをサポートするWi-Fiソリューションの「Qualcomm VIVE」、Wi-Fiベースの照明制御システムのLIFXとの協業も発表した。