【2015 International CES】

LG、機能やデザインを大幅に強化した湾曲形状の「G Flex 2」を発表

 LGエレクトロニクスは、米・ラスベガスで1月6日(現地時間)に開幕する「2015 INTERNATIONAL CES」に合わせ、5日に記者会見を開催した。冷蔵庫、洗濯機などの白物家電や、WebOSを採用したテレビなどに加えて、湾曲したディスプレイが特徴のスマートフォン「G Flex 2」を発表した。

「G Flex 2」
スマートフォンの最新モデルを発表した、LGのFrank Lee氏

 G Flex 2は、日本ではKDDIから発売されたG Flexの後継機。会見で同モデルを披露したLGエレクトロニクス モバイルコミュニケーションUSAのブランドマーケティング担当、Frank Lee氏が「大幅によくなった」と述べているように、昨年発売されたG Flexよりも、機能性やデザイン性が大きく向上している。

カーブしたデザインが最大の特徴。背面には星空をモチーフにしたというヘアライン加工が施されている

 機能面では、64ビットCPUを採用する最新のチップセット「Snapdragon 810」を採用。CPUはオクタコア(8コア)で、2.0GHz駆動。4つの高機能なコアと4つの省電力なコアを駆動させる、big.LITTLE技術が採用されている。カメラは、LG製のフラッグシップモデルに搭載されてきた「光学手ブレ補正」や「レーザーオートフォーカス」に対応。ブレが少ない写真を撮ることができ、フォーカスが合うのも早いのが特徴だ。画素数は1300万画素となる。

チップセットには64ビット対応のSnapdragon 810が採用される
カメラは1300万画素で、光学手ブレ補正やレーザーオートフォーカスに対応

 一方で、G Flexでは6インチだったディスプレイは、5.5インチと一回り小さくなった。その分、解像度はHD(720×1280ドット)からフルHD(1080×1920ドット)に上がり、ピクセル密度も403ppiと大きく上がっている。ディスプレイはカーブしたP-OLED(プラスチック有機EL)で、端末の形状に合わせてバッテリーもカーブしている。こうした点はG Flexから受け継がれており、加重をかけても元の形状に復元するのも同じだ。本体は擦り傷にも強く、軽微な傷であれば自己修復する性能も備えている。

加重や傷に強いG Flexの特徴は継承されている

 コンパクト化に伴い、バッテリー容量も3500mAhから3000mAhに減少している。先に述べたように、バッテリーも端末の形状に合わせてカーブしており、安全性の面から取り外すことはできなくなっている。

 OSは、Andoridの最新バージョンであるAndroid 5.0 Lollipopとなる。設定メニューや通知上のボタンなどのUIにはLGエレクトロニクスのカスタマイズが加えられているが、Android 5.0の特徴であるマテリアルデザインの面影を残す部分も見られた。画面をタップした位置を記憶してロックを解除する「ノックコード」など、LGエレクトロニクス製の端末でおなじみの機能も継承されている。

OSにはAndroid 5.0 Lollipopを採用
マテリアルデザインの面影が残る部分がある一方で、設定メニューなどは大きくカスタマイズされている
ノックコードに対応
ナビゲーションキーを変更できるのも、LGエレクトロニクス製の端末ではおなじみの機能

 CPUの64ビット化に伴い、メモリ(RAM)も3GB以上まで搭載できるようになったが、G Flex 2に関しては2GBに留まっている。ストレージは16GBもしくは32GBで、最大2TBのmicroSDXCもサポートする。サイズは149.1×75.3×9.4mm。重さは152g。通信方式はLTE、3Gなどで、カラーはPlatinum SilverとFlamenco Redの2色となる。

 KDDIからも発売されたG Flexの後継機だが、LGエレクトロニクス関係者によると日本での展開は未定とのこと。CESが開催されている米国では、AT&TやSprintが取り扱いを表明している。

 このほか、LGエレクトロニクスの会見では、IoT(モノのインターネット)に関する取り組みも発表された。同社は「OneM2M」や「AllSeenAlliance」といった団体に加盟。テレビやサイネージといった製品では、プラットフォームとして「WebOS」を活用していく方針だ。また、家電連携の仕組みとしてLINEを活用する「HomeChat」は、音声入力やウェアラブルへの対応を行う。これによって、同社製のAndroid Wearである「G Watch R」などで、家電をコントロールできるようになるという。

IoTに関する取り組みも発表された。その一環として、テレビはWebOSに対応する
LINEを活用して家電を対話形式でコントロール「HomeChat」も、機能が強化される。IoTの一環として、ウェアラブル端末でのコントロールも可能になる

石野 純也