本日の一品
電池レス＆摩擦ゼロ、次世代感あふれる自転車ライト「Magnic Light」
（2016/2/24 06:00）
筆者は大変怒っている。なぜなら、注文してから手元に届くまで、往復15回のメールのやりとりと1年半もの年月がかかり、しかし実際に使ってみたら期待通りすばらしい製品だったからだ。もっと早くおすすめしたかったなあ、というのが率直な気持ちだが、ともかく「Magnic Light」は“次世代”を感じさせる画期的な自転車用ライトなのである。
Magnic Lightは、電磁誘導の仕組みで発電する自転車用ライト。金属製ホイールのすぐ近くに取り付けることで、回転するホイールによって生じる電位差によって発電する、らしい。そのため電池が不要で、摩擦抵抗なしに使えるのがウリだ。
フロントライトと後方用の赤いテールライトがあり、Vブレーキ用またはキャリパーブレーキ用の専用ステーのいずれかを選んで注文する。筆者が購入したのはフロント2個・テールライト1個のセットとVブレーキ用ステーで、計約150ユーロ（当時のレートで約2万500円）ほど。送料込みで2万2000円と、自転車用ライトとしては高額だ。
装着にはプラスドライバーや六角レンチなどの工具が必要になる。Vブレーキの場合は、アルミステーにプラスチックのバックルを組み合わせ、Vブレーキ側のボルトで共締めする。その後はステーにライト本体をスライドさせるだけでセット完了だ。ホイールのリムブレーキが当たる部分にできるだけライト本体を近づけられるよう、ステーの細かな位置・角度調整が必要で、マニュアルも分かりやすくはないが、取り付け自体はさほど難しくはない。
走り出すと、だいたい時速5kmのゆるゆるとした加速の時点からすぐにライトがつき始める。時速10kmほどで光量は安定し、時速20km前後で最大光量になる。それ以上はいくらスピードを出しても明るさはほとんど変わらない。正面から見ると「まぶしい！」と思うほどではなく、どちらかというと若干暗めではあるけれど、対向車から確実に視認できる程度の光量にはなっているので問題ないだろう。フロントライトは2個とも取り付けたが、片側の1個でも十分と思える。
キャパシタを内蔵しているのか、しばらく走ってから停車してもライトがすぐに消えることはない。ずっと停車していると5分ほどかけて徐々に暗くなり、やがて消えるが、信号待ちや急な上り坂でライトがすっかり消えてしまうことはないはずだ。ちなみに摩擦はゼロではあるけれど、強力なマグネットがライトに内蔵されていて、ホイールを常に横から引っ張る形になるので、実際のところは抵抗がゼロということにはならないだろう。とはいえ、脚に感じるほどの負荷は一切ない。
課題と考えられるのは3点、仕組み上、カーボンホイールだと発電しないこと、バックルで簡単に取り付け・取り外しできるものの繰り返す場合はやはり面倒なこと、自転車によってはテールライトを取り付けられないこと、といったところ。
ロードレーサーならカーボンホイールを装着している場合もあるだろうから、そういう人にとっては最初から選択肢に入らないのが残念だ。また、筆者は通勤自転車として使っているクロスバイクに装着しているが、ライトの盗難を気にして自転車を駐輪するたびに取り外し・取り付けを繰り返すのは、バックル部分が小さいこともあり、特に夜間の暗い駐輪場では難儀する。取り付けたままで使う盗難防止用のパーツも付属しているが、混雑する駐輪場ではライト自体の破損も怖いので、悩みどころだ。
テールライトについては筆者の自転車に取り付けることができなかった。Vブレーキがシートステーの後ろに固定されている場合は問題ないけれど、前に固定されているタイプでは固定してもライトを後ろに向けられないので注意したい。
もっと言うと、キャリパーブレーキの自転車に買い替えた時、キャリパーブレーキ用ステーをスムーズに発送してくれるか、という点でも一抹の不安がある。が、ライトが壊れない限り電池交換なしでずっと使い続けられるわけで、この“次世代っぽさ”だけでも所有感が満たされっぱなしだ。
| 製品名 | 販売元 | 購入価格 |
|---|---|---|
| Magnic Light | Magnic Light | 150.02ユーロ（約2万2000円、送料込） |