本日の一品

パッと見は便利そうだがじょじょに疑問が増す一品「SPRING CASE」

 アップルという会社は、大昔のガレージカンパニーの頃から、良きにつけ悪しきにつけ“オリジナル”が大好きな会社だ。大きくなってもそこは変わらない。時にそれは、単なるデザイン上の思い入れだったりすることも多いが、工業製品として本当に優れている場合もある。

 同社がiPhoneに標準採用したLightningコネクターは、まさにその最右翼だ。ケーブルさえあれば、コネクタの表面裏面の区別なく、真っ暗闇でもiPhone本体に確実なコネクションを保証してくれる。

SPRING CASEとパッケージには書かれているが、これほど特徴的なケースの解説がパッケージのどこにも書かれていない。パッケージの流用だろうか?
Lightningケーブルを標準USBプラグに変換してくれる特殊ケースだ

 一方、誕生から20年近く経過したUSB規格は、今や社会インフラとなった。最新鋭の飛行機には標準でUSBポートが付くほど。

 そんな結果かどうか知らないが“きわめて便利で怪しい”商品を、秋葉原の裏通りで見つけてしまった。見れば見るほどユニークな中身のアイテムを表現するコピーワードは、パッケージのどこにも見当たらない。

表面から見るとただのプロテクトケースに見える
背面を見ると誰もが驚くが、しばらくすると皆その用途を理解する

 iPhone 6 Plus専用の、そのフルカバーケースの背面には、なんと金属ハウジングなしの標準サイズのUSBコネクターが付いている。そしてケースを装着すれば、ケース内部に取り付けられたLightningプラグが、iPhone 6 PlusのLightningコネクター部分に自動的に挿入される構造だ。

USB/ACアダプタさえあれば、指先でケーブルを引き出して、どこでも充電できる
ケーブルの長さが短いので、コンセントの場所によってはアクロバティックな充電スタイルになる

 これによって、筆者のiPhone 6 Plusはもう今後、出かけるときにも専用のLightningケーブルを持ち歩く必要はない。ケース背面から伸びた、しっぽのようなUSBケーブルは、待機時は溝の中にきっちりと収まり、充電時には指先で引き出すことで、普通のショートケーブルと同じように使用できる。

 ボーイング777を常に通勤や出張に使っているスーパーiPhone 6 Plusユーザーなら、今後は本体だけ持っていけば充電が可能だ。この優越感は一度は体験してみたいものだ。もちろんそれ以外の交通機関やホテルを愛用しているロードウォーリアーも、USB/ACアダプターさえ持っていけば、もはやLightningケーブルの携帯は不要だ。

 とても便利な商品だ! と思い、愛用しつつも、それまで収集し、すでに自宅に溢れているLightning系の充電機器やケーブルの行き場が無くなってきた。

 まあ、出張などの限られた時にだけこのケースに交換して持っていけば良い……と、安易に考えていたが、このケースはなかなかの曲者で、きわめてタイトにかっちりと取りつけられていて、そうそうたやすく着脱はできない。今後どうするかはともあれ、もうしばらくはこのケースによる便利さと不便さを楽しんでみようと思った。

(※編集部注:僚誌AKIBA PC Hotline!が今年1月に伝えた記事によれば、本稿掲載の商品は、MFi認証を取得していないとのこと)

製品名購入場所購入価格
「SPRING CASE」秋葉原のジャンク屋通り980円

ゼロ・ハリ