本日の一品
アルテ・ディ・マーノのトカゲ革で創るマイ・ライカM
(2014/11/4 06:00)
99歳で他界した筆者の親父は、大昔からハッセルブラッドのカメラを持っていた撮影マニアック人間だった。余りにもマニアックな父親が居たりすると、その子供は同じ趣味にはハマらないとか聞いたことがあったが、本当にしばらくはその通りだった。
長い間そんな状態が続いたが、カシオ社からデジタルカメラが登場して、世界は一転した。筆者もご多分に漏れず発売日には「QV-10」をゲットしてニヤニヤしながら秋葉原から自宅まで帰った記憶をつい最近の事のように覚えている。
その後も何度も国産デジカメを買い替えたが、あまりに頻度の多いモデルチェンジ、ひとつの機種がその企業の看板モデルである期間は長くて1年止まり……。そんな市場環境に嫌気がさして来た頃、某ショップでライカのデジタルカメラの実機に触れる機会があった。
フィルム時代のライカの構造も知識も皆無の筆者だったが、記録メディアであるお馴染みのSDカードを装着する際に、金属の底板を特殊な形状のネジを回してカパッと開くのを見てなんとも言えない懐かしさと、そのピュアな工業製品のヘビーデューティなイメージが子供の頃から大好きだった“タイガー戦車”とダブって、金額のことなど考える暇もなく手はクレジットカードに伸びていった。
後で知ったのだが、当時、ライカMは予約販売オンリーで、その日だけ偶然キャンセルがあり、それを運良く入手できたようだった。入手して既に1年が経ったが、飽きるどころかますます深みにハマっている昨今だ。
そんなライカ・デジタルカメラをよりユニークな「マイ・ライカ」に仕上げる極めつけの方法が今回ご紹介する本体の革の張替えサービスだ。提供してるのはWebショップに加えて最近、浅草に実店舗を構えた「デジタルホビー」だ。
同社が扱う革製品の「Arte di mano」(アルテ・ディ・マーノ)ブランドには、既に高級なリアル・レザーケースやストラップ等があるが、圧倒的なイメージチェンジには、ライカ本体用のリアル・レザースキンの貼り革交換が効果的だろう。
貼り革を手作業でひとつひとつ丁寧に製造しているのは、「jnk-handworks」(ジェイ・エヌ・ケー・ハンドワークス)という熟練クラフトマンによって立ち上げられた韓国の工房だ。アルテ・ディ・マーノのリアル・レザースキンは既に海外のライカショップでも大人気のようだ。
現在、用意されているライカ・デジタルカメラ用の貼り革は、Leica M8、Leica M9、Leica M9-P、Leica Monochrome、Leica M240など殆どの機種をカバーしている。また革の素材に関しても、Lizard skin(トカゲ革)、Karung skin(ヤスリミズヘビ)、Goat skin(山羊革)の3種類が用意されている。
実店舗に伺って実際の貼り革を見せて頂き、カラーと素材の選択に悩んだ末、最後に落ち着いたのは、Leica M(Type240)用のLizard light brown(トカゲ革の薄茶色)だった。取り替え作業は、手先が器用で辛坊強い人ならまず問題ないとは思うが、筆者はデジタルホビーさんで、“貼り革 張り替えサービス”(4326円)をお願いした。
DIY大好きなLeica M8/M9/Monochromeのオーナーさんがご自身で張り替えを行う時には、作業途中で必ず必要となる「ライカ・プライヤー」(フレーム・セレクトレバー脱着工具:2742円)もデジタルホビーで別途販売している。
また 貼り革交換のためにオリジナル貼り革を剥がした後にボディ表面に残る糊を綺麗に除去するための「天然ゴム製クリーナー」(618円)も購入出来る。これは綺麗な仕上がりを期待するならマストバイアイテムだろう。ご自身の手によって張り替えた革は特別な思い入れもあるので、腕に自身のあるライカユーザーは、準備万端の上、是非チャレンジして頂きたい。
ライカオリジナルのブラックの貼り革もプロフェッショナルイメージ満載で素晴らしかったが、新しく張り替えた薄茶色のトカゲ革はシルバーの全体カラーとマッチして極めてお洒落な明るい雰囲気になった。シルバー系のレンズが好きな筆者にはピッタリの選択ではなかったかと自画自賛の毎日だ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
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リアル・レザースキン(Lizard light brown) | デジタルホビー | 2万394円 |