本日の一品

根強いファンも多いエルゴノミクスキーボードの最新作「Sculpt Ergonomic Desktop」

 「レイアウトが異なるキーボードに乗り換える」というのはなかなか勇気のいる行為だ。慣れるまでの間ストレスは溜まるし、どのくらいの期間があれば慣れるのかも個人差があってはっきりしない。また、しばらく我慢して使い続けたものの、どうしても馴染むことができずに元に戻さざるを得なくなる場合もしばしばだ。

「Sculpt Ergonomic Desktop」の製品外観。キーボードとテンキーは分離している

 そんな中で今回紹介するマイクロソフトの「Sculpt Ergonomic Desktop」は、そうしたリスクを織り込んだ上で試してみるだけの価値があるキーボードだ。いわゆるエルゴノミクスデザインを採用したこのキーボードは、109キー配列をベースにキー自体を左右に分割し、なおかつ中央部分が盛り上がった独特のデザインになっている。さらにパームレストを取り付けると、キーボードの奥ではなく手前が持ち上がった状態になる。エルゴノミックキーボードと呼ばれる製品群の中でも、かなり尖った一品だ。

パームリフトをつけることで手前が持ち上がる独特の形状
パームリフトが合わなければ外しておくこともできる

 同社では90年代後半からこうしたエルゴノミックキーボードをリリースしていて、このキー中央およびパームレストが盛り上がった形状のモデルも今回が初めてというわけではないが、今回のモデルはテンキー部分が完全に独立している(それゆえ左手で使う配置も可能)こと、さらにマウスはWindowsのスタートボタンが備わっていることが特徴だ。

キー配列は109キーが基本で、この右下周りのキー配置だけは慣れる必要がある
テンキーは独立タイプ。それゆえ左側に置くなどの使い方も可能だ

 手のひらの付け根の部分がデスクと擦り合うことが少なく、長時間の利用でも手が痛くなりにくいのは、しばらく使って初めて分かる本製品ならではの利点だが、なかでもマウスのハンドリングのしやすさは好印象だ。ネット上のレビューを見ていると女性や手の小さい人にはややサイズが大きいという意見もみられるが、個人的には大きいがゆえのフィット感にこそ本製品の意義があるように感じる。むしろ本製品に慣れてしまうと、一般的なマウスが小さすぎて扱いづらいことを実感するほどだ。

目立たないが親指が触れている位置に戻るキーがある
タマゴ型のマウス「Sculpt Ergonomic Mouse」は単品でも販売される
単3電池2本で駆動。2.4GHz帯に対応した小型レシーバーが付属する

 かつてマイクロソフトのマウスといえばホイールを回転させる際に手応えがないことが知られていた(ゆえに筆者も敬遠していた)が、本製品は適度な感触があるので、他社製品を使ってきたユーザーも馴染みやすい。キーボード+テンキーとマウス、それぞれが単品販売もされているので、キーボードに興味があるユーザー、マウスに興味があるユーザー、それぞれ個別に導入することも可能だ。マウスのスタートボタンのデザインのせいかWindows 8専用と見られている節があるが、Windows 7でも問題なく利用できるので、OS乗り換えのタイミングと言わず、気になったら導入してみてはいかがだろう。

製品名販売元購入価格
Sculpt Ergonomic Desktop日本マイクロソフト12800円

山口 真弘