本日の一品
一眼レフをリモート操作、写真データも取得できるアダプター
(2013/3/13 06:00)
ニコンのワイヤレスモバイルアダプター「WU-1b」は、対応するデジタル一眼レフなどのカメラのUSB端子に装着し、無線LAN経由でスマートフォンと連携してさまざまな機能を利用できるアダプターだ。対応するカメラが限られているのと、カメラのモデルによりアダプター側にもいくつかの種類があるなど、やや整理されていない印象はあるが、「WU-1b」に対応する一眼レフカメラ「D600」を買ったこともあり、同時に「WU-1b」も入手した。連携するスマートフォンはAndroid端末を利用している。
「WU-1b」の機能は、カメラのファインダー画像をそのままスマートフォンに表示し、タッチ操作でシャッターが切れるというもの。フォーカスポイントの指定もタッチ操作で行えるため、一眼レフカメラの操作としては新鮮な感覚だ。リモートシャッター機能は、光学ファインダーはもとより、ライブビュー表示にした背面液晶すらもまともに確認できないようなアングル、例えば草花を凝ったローアングルで撮影する際などに役に立つ。集合写真でも、手元でリアルタイムにファインダーの様子を確認しながら撮影できて便利だ。
もうひとつは、一眼レフカメラなどデジタルカメラのメモリカードに保存されている写真をスマートフォンに取り込み、スマートフォン上で活用できるというもの。筆者はAndroid端末なので「Wireless Mobile Utility for Android」(wmu)を利用しているが、SNSなどへの投稿自体はインテントでほかのアプリに受け渡す形だ。
カメラに保存されている写真をスマートフォンで取得できる機能は、「Eye-Fi」や「Flash Air」などSDカード単体で同様の機能を実現している製品がすでに販売されているので、利用シーン自体は概ね予想できるのはないだろうか。「WU-1b」を利用した場合は、SDカード側に制約がないので、高速・大容量などハイスペックなSDカードを(つまり普段の環境を変えることなく)利用できる点がメリットだろう。
一方で、筆者が組み合わせて利用している「D600」での操作については、「WU-1b」を装着すると一眼レフとして撮影は行えるものの、機能はかなり制限されるので、「WU-1b」は付けっぱなしで利用するものではなく、使いたい時だけ装着するというイメージだ。カメラのストラップに装着できる小型の専用ケースが付属するのも、普段は外して持ち運ぶという状況を想定したものだろう。
少し煩わしいのは、スマートフォン側で無線LANの切り替えが必要だという点だろうか。「WU-1b」は無線LANのアクセスポイントとして機能するので、スマートフォン側でアプリを起動すると、無線LANの接続先を「WU-1b」に切り替えるよう促される。その後、好みの写真をカメラから取得し、写真をスマートフォンからSNSに投稿しようとするのだが、無線LANが「WU-1b」に接続されたままだと、インターネットに接続されておらず投稿できない……という事がよく起こる。写真をスマートフォンに取り込んだ後は、「WU-1b」を装着したカメラの電源をすぐに切るなど、動作の順番を決めればいいのだが、アプリ側で接続を元に戻すような工夫があってもいいかもしれない。
旅行や街角のスナップで、デジタルカメラで撮影した後、SNSに投稿するために改めてスマートフォンでも撮影する、という経験はあるだろうか? すぐに投稿したい場合ならやはりスマートフォンが便利だが、すこしこだわった絵で見せたい、あるいは、よく見かける雰囲気ではなく少し差を付けたい、といった場合には「WU-1b」と一眼レフカメラの組み合わせが活躍してくれる。デジタルカメラならではのひと味違う写真でも、スマートフォンに写真を取得してしまえば、後はいつもどおり。無線LANの切り替えなど仕様的に避けられない煩わしさは残っているが、対応するカメラを持っているなら導入を検討したいアイテムだ。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
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ワイヤレスモバイルアダプター WU-1b | ニコン | 4430円 |