「あと5分だけ」を聞いてくれる、ブラウン社の復刻版目覚まし時計


復刻されたBNC004モデルは、1980年代のオリジナルのAB31vsのレプリカだ

 いつ頃からか、海外出張には自前の目覚まし時計を持って行くようになった。きっかけは、ホテルの部屋の目覚まし時計の設定ミスで寝坊して、日本に帰る国際線接続の国内線に乗り遅れそうになった悪夢のような経験だ。

 昔懐かしい“マーフィーの法則”ではないが、ここ一番という時に限って、こういう基本的なミスが起こりがちだ。普段から使い慣れた目覚まし時計なら、こうしたトラブルが起こる心配もないだろう。筆者が比較的長く愛用しているブラウン社の旅行用音声対応目覚まし時計は、「AB314vsl」と呼ばれている商品だ。

 ごく標準的なデザインのスクエアなブラウン社の目覚まし時計に、人の声を収集するマイクロフォンと少しだけハードなフラップ式カバーが付いた商品だ。簡単なカバーだが、旅行中に他のものとぶつかって時刻表示面が傷つくことを防いでくれる。

 ブラウン社で、「AB314vsl」以上に有名な「アラームクロック ボイスコントロール」モデルといえば、 1984年に発売され翌年グッドデザインに選出された「AB30vs」が代表的な製品だ。既に生産終了した「AB30vs」の後継復刻モデルとして登場したのが、今回ご紹介する「BNC004」だ。

 外装カラーはブラウン社伝統のブラックカラーと、もうひとつは、昨今は準標準カラーになりつつあるホワイトモデルがある。すでにブラックモデルは他モデルで持っているので、今回、筆者は、ホワイトモデルを購入した。「BNC004」モデルの細かな仕様はオリジナルの名機「AB30vs」とほぼ同様だ。

 目覚ましを起床時刻に設定し、枕元に時計を置き熟睡する。指定した任意の時刻になると、「ピッ」「ピッ」というけっこう甲高い耳障りな音が、はじめはゆっくりと、時間の経過と供に間隔を詰めて断続的に鳴りだす。

 文字盤をチラッと見て、まだ起床には時間的な余裕があり、もう少し寝たい時は、空中に向かって「もうちょっと寝かせろ~!」と言えば、あなたに従順な「BNC004」は約4分間は耳障りな音を止めてくれる。もちろん「やかましい!」でも、彼女の名前を叫んでも構わない。

 しかし、何を叫ぼうが、その後4分経過すると、又しても血も涙もない甲高い耳障りな連続音で今度は40分ものあいだ「起きろ!」の警告音を連続発振する。1回はお目こぼしがあるが、2度は許してくれない強情者だ。

 どうしてもアラーム音を止めたい時は、時計の上部に飛び出しているスヌーズ・バーをいっぱい押しこめばアラーム音は確実に停止してくれる。しかし、その結果が国際線連絡の国内線に乗り遅れても、ブラウン社も誰も責任は取ってくれない。On Your Dutyだ!

筆者が長く愛用しているAB314vsl(右)と同じテイストを感じるBNC004(左)他のブラウンと同じく単三乾電池で動作する。右上のスヌーズバーの原始的でメカニカルな構造が興味深い
押し込むと見えなくなるスヌーズバーの全面のグリーンカラーがブラウンらしいBNC004の左上に位置する集音マイクの雰囲気もオリジナルとほとんど同じだ


商品名実売価格購入場所
ブラウン
アラームクロック ボイスコントロール
BNC004
4830円アイ・ネクスト ジーイー株式会社
ウェブショップ


(ゼロ・ハリ)

2012/4/24 06:00