5800円で買えるリモートアクセス対応NASキット「RockDisk」
筐体は黒でロゴは赤。横置きも可能な筐体だが、本体正面ロゴが横置きを想定していないのはやや残念 |
筆者宅では、写真や音楽ファイル、ドキュメントといった家庭内のデータの保存先をNASに一本化してしまって久しい。どのパソコンからでも呼び出せる便利さに慣れたおかげで、パソコンと1対1で接続する従来型のUSB外付HDDに、すっかり興味がなくなってしまったほどだ。
こうした状況であるが故、HDD換装で余ったドライブを有効活用しようと考えた場合も、USBの外付HDDケースに手が伸びることはまずなく、NASの自作キットに目が行く。以前であれば玄人志向の「玄箱」や、挑戦者の「LANTANK」が有名だったこれらのカテゴリだが、最近はスマホからリモートアクセスできる機能がひとつのトレンドになっている。専用アプリを用い、ルータを超えてスマホから写真などをアップロードしたり、あるいはNAS内のデータをスマホから参照できるという、「Pogoplug」のような機能だ。
今回紹介する「RockDisk」もこうした製品のひとつで、5800円という低価格が売りの製品だ。シングルドライブNASの筐体のみをパッケージにした製品で、手持ちのHDDと組み合わせることで、スマホからアクセス可能なNASを自作できるという製品だ。
組み立てはごくシンプルで、本体の基板を外してSATAのドライブを装着、4本のネジで基板を固定したのち、2本のケーブルをつなぎ、ケースに戻して作業完了。あとはACアダプタとLANケーブルをつないで電源を入れれば、自動的にIPアドレスを取得してパソコンから参照できるようになる。上級者向けの挑戦者ブランドの製品ということで、マニュアルやツール類はサイトからダウンロードする必要はあるが、作業そのものは難しくない。UPnP対応ルータを使っている筆者宅の環境では、ルータのポートを開ける設定すら不要だった。
iPhoneおよびAndroidからのアクセスは、「MyiSharing CloudSync」という無償アプリを使う。あらかじめ設定したユーザ名とパスワードを用いてログインすれば、本体内のファイルが参照できる。画像ファイルはもちろんWordやExcel、PDFファイルもプレビューできるなど、使い勝手は悪くない。Androidはいったんデータを転送してからでないと開けないという制限があるが、メディアファイルの再生のみに制限されている一部NASに比べると、本製品のほうがむしろ機能としては充実しているくらいだ。
また、スマホ側から画像などのアップロードも行える。撮影した写真や動画はもちろん、キャプチャした画像のアップロード先として用いることで、わざわざケーブルで接続しなくとも、パソコンとの間のデータの転送がスムーズに行えるというわけだ。
5800円という低価格であるが故、使ってみるまではその機能や性能に懐疑的だったが、実際に使ってみるとなかなかどうして本格的だ。設定に最低限のネットワークの知識は必要なこと、またWeb設定画面のUIがあまり直感的でないといった問題はあるが、ほかのNASも似たりよったりで、本製品だけがとりたてて問題があるとは言えないだろう。LAN以外にUSBポートも備え、いざという時は外付USBハードディスクとして使える点もポイントだ。余ったドライブを活用する手段の1つとして、有力な選択肢になりうる製品だ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
RockDisk(CL2-004LD) | アイ・オー・データ機器 | 5800円 |
2012/1/20 06:00