本日の一品

ポイントは「傾き30度」、“寝ながらスマホ”に最適な3Dプリンター製スタンド

30度の傾きだけが特徴の3Dプリンタ製スマホスタンドを手に入れた

 世界中で数十億台が稼働していると言われるスマートフォン。それに伴い、主(あるじ)が手を離したときに端末を休息させるためのスマホスタンドも、地球上には星の数ほど存在している。常に複数台のスマートフォンを並行して運用している筆者の場合、所有しているスタンドの総数は、手元にあるスマホの台数の優に2倍を超えている。

 それら膨大なコレクションを俯瞰してみると、スマホスタンドには大きく分けて2つの役割があることに気づく。ひとつは「スマホを休ませておく(保管する)ためのスタンド」、そしてもうひとつは「スタンドに載せた状態で、別の目的のためにスマホを活用するためのスタンド」である。前者はインテリア性や収まりの良さが重視され、後者は視認性や操作性といった機能性が求められる。

筆者のデスク回りに鎮座する、押し出しの強い個性派スマホスタンドたち。多くは「休ませるため」の目立ちウケのコレクションだ。

 筆者が現在所有しているスマホスタンドの多くは、どちらかと言えば前者の「休ませるためのスタンド」に属するものが多い。ガジェットとしての機能性もさることながら、やはり見た目が可愛いとか、どこか気持ち悪いとか、デザインの押し出しが明快なモノに物欲を刺激されてしまうのだ。

しかし、今回Temuで520円で購入した「3Dプリンター製30度傾いたスマホスタンド」は、完全に後者の「別の目的でスマホを活かす」ためのアイテムである。

Temuで購入した3Dプリンター製のスマホスタンド。粗削りな積層痕が、かえってガジェットとしての実用主義的なミリタリー感を醸し出す。超軽量だ

 届いた製品は、いかにもパーソナルファブリケーションで作られたといった趣の、粗削りな3Dプリンター製である。表面には独特の積層痕が残り、ハニカム状や円形の肉抜き加工が施されている。高級感とは無縁だが、そこがかえって実用主義的なツールとしての良さを感じさせる。注意点はスマホの2方を支える凹面部分(スロット)の深さの浅いことだ。

 特筆すべきは、スマホをホールドできる角度が「ただ30度のみ」という極端な割り切りだ。一般的なスタンドのように、ヒンジを動かして無段階に角度を変えるような機能は一切備わっていない。しかし、この「30度」という固定角にこそ、恐るべき人間工学的なライフハックが隠されている。

水平から約30度に固定されたスロット。角度調整機能は一切排除されている。

 この30度という傾きが最大のメリットを発揮するのが、ベッドや床にゴロ寝し、アゴ肘をついてスマホ画面を眺めるという、最高に怠惰なリラックスタイムである。人間が横を向いて肘をついたとき、頭部は完全に真横(90度)にはならず、床に対しておよそ30度~45度ほど傾く。つまり、このスタンドの30度という傾斜は、横寝した人間の視線の水平線と見事にシンクロするのだ。画面が歪みなく正対するため、目の筋肉や首に無駄な負担がかからない。

右腕でも左腕でも横寝の体勢にシンクロする30度の傾き。

 実際に使ってみるとその快適さは圧倒的だ。長編のドラマやミュージックライブの動画を、手ぶらで、かつ首を不自然に曲げることなく堪能できる。もしアゴ肘をつく手が疲れても、もう一方の腕に替え、同時にスマホスタンドを180度回転させればそれだけで体勢変更は完了する。本体が極めて軽量であるため、スマホを載せたままスタンドごと位置を微調整するのも容易だ。要注意なのは、スマホスタンドがあまりにも軽量なために転倒する危険性もあることだ。

 なのでBluetooth対応の小型リモコンなどを併用すれば、スマホに触れることも無く快適性はピークに達する。画面に直接タッチするために腕を伸ばす必要すらなくなり、指先ひとつで動画の再生・停止や音量調節が可能になる。まさに寝ながらの快適操作を極めたシステムだ。

 ただし、本製品に受け入れられるスマホの厚みには制限がある。スロットの横幅から見て、ケースを含めて11mm~12mmあたりが限界だ。そのため、手帳型の厚手のケースを装着している場合は収まらない可能性が高く、基本的にはスリムな運用を求められる点だけは注意が必要である。

 また、このスタンドはスマホを載せていない時間も無駄にならない。その独特の30度傾いたスリットは、机の上のあらゆる小物の「休憩台」として活用できるのだ。筆者の手元にあるコレクションをいくつか載せてみたが、どれも妙に収まりが良い。

スマホを載せていない時は、ユニークな「電卓休憩台」や昨今流行のバッジプレイヤーなどのスタンドにもなる

 スマートフォンだけでなく、スリムで大画面の折り畳みスマホや電子書籍リーダーを立てかけて読書に耽るのも良いだろう。スマホやタブレットは年々大画面化し、比例して重量も増している。これらを長時間、手で保持し続けることから解放されるメリットは想像以上に大きい。

ブックリーダー(電子書籍端末)を立てかけ、読書に耽るのも良い。手首の疲労から完全に解放される。

 このスタンドの活躍の場はベッドの上に留まらない。たとえばオフィスや書斎のデスクの上で、両腕を組んでその上に顔を乗せる「居眠り姿勢(うつ伏せ寝)」の際にも、目の前にこれがあれば絶妙な角度で画面を視界に収めることができる。

 たかが30度の傾き、されど30度。角度調整ができないという一見不便な割り切りが、実は寝そべり生活における多様な使い勝手を生み出している。わずか520円のチープなプロダクトだが、ぜひ自分なりの至高の活用法を見出してみてほしい。3Dプリンターをお持ちなら自分のスマホ専用を作ってみるのも面白いだろう。

製品名発売元実売価格
ベッド用横向きスマホホルダー-753円