クリア液晶テレビの映り込みを防止する「TVガード」

反射防止タイプのTVガード BSTV08HN37

　昨年11月、エコポイントブームに乗ってテレビを買い替えた。それまで使用していたテレビは東芝・REGZAの「37Z2000」という機種で、NAS（ネットワークハードディスク）に録画できる機種だった。小さな不満として、レジューム機能がないため、録画データの再生を中止すると最初からの再生になってしまうことや、再生中に録画が始まると再生が中止されてしまうことなどがあった。

　買い替えた機種はREGZAの「37Z1」で、W録画に対応、レジュームなどの不満点も解消されている。USBハードディスクに録画が可能になったことで、NASに比べ録画用ストレージのコストダウンもでき、機能面は大満足となった。

　購入前に不安に感じていたことは、37Z2000は画面の反射が少ないノングレア液晶だったのに対し、37Z1はクリア（グレア）液晶を採用しているため、映り込みが激しいという点だ。ノートPCの液晶ディスプレイもツヤのあるタイプが増え、写真などは鮮やかに見えるが、蛍光灯などがハッキリと映り込む機種が多い。CRTモニターが全盛だった時代、ノングレア処理されたモニターの方が高級品だった時代を知る世代としては、最近のクリア液晶には疑問を感じている。

　実際に37Z1を設置をしてみると、予想通り室内の様子がハッキリと映り込んでいる。バラエティー番組やニュースなどでは問題ないが、ドラマ、映画、ドキュメンタリーなどでは、暗いシーンになると室内の映り込みが気になってしまう。スカパー！ などのアナログ映像の画質もこれまで使っていた37Z2000より落ちていると感じ、設置当日は「売っちゃおうか」と思ったほどだった。

　調べた限りでは、W録画に対応しノングレア液晶、という機種は見つからなかったので、反射防止の対策を考え導入したのが、今回紹介する「液晶TVガード ハード＆反射防止タイプ BSTV08HNシリーズ」だ。製品名がTVガードとあるように、本来は小さな子供が液晶パネルを傷つけないようにする保護が主目的の製品だが、光の写り込みを軽減する性能もあり、サイズは20型から52型まで対応している。

　樹脂製のパネルは表面に反射防止処理が施されており、上部に可動式のレールを取り付け、テレビに引っ掛けるだけで設置できる。落下防止の安全対策として、テレビ背面の穴にS字金具を引っ掛ける紐や、しっかりと固定できるベルトも用意されている。

　固定ベルトは、本体となる樹脂製パネルに4カ所のスリットが開けられており、幅3cm、長さ135cmのしっかりしたマジックテープ付きのベルトで固定できるというものだが、厚みがあるためスリットに通すのが難しい。加えて、運悪く左下のスリットの位置がリモコン受光部と重なったため、固定ベルトを付けるとリモコンが使えなくなってしまった。

　そこで、付属品の固定ベルトに代わるものを手芸屋さんをハシゴして探してきた。お店で事情を相談し、15mm幅のリボン素材とプラスチックバックルを購入。付属品より見た目もスッキリし、リモコン受光部も塞ぐことなく固定することに成功した。

　さて、その効果は。「TVガード 反射防止タイプ」の効果を比較するために撮った画像を見てもらおう。リビングとダイニングの照明は昼白色2本＋電球色1本、昼白色2本、電球色1本の3段階の明るさが選べる機種を使用していて、一番明るいリビング、ダイニングとも、「全て点灯」と、「やや暗めのダイニング側だけ電球色のみ」の条件で比較してみた（画像の宇宙望遠鏡や登場人物、右肩の放送局名は掲載用にぼかしてある）。

　部屋が明るい状態では、望遠鏡の左側に、テレビと反対側の壁の額などが映り込んでいるが、TVガードを付けるとハッキリとした映り込みはなくなっている。反面、ぼやっと反射するので黒の締まりがなくなっている。部屋が暗い状態でも、写真の主人公の背中にそれなりの映り込みがあり、TVガードを付けると同様な傾向となった。

　こうして比較すると黒の締まりがなくなり一長一短にも見えるが、実際に視聴しているときは、気になっていた映り込みが見事に解消され、大いに満足している。あえて不満な点をいえば、埃が付きやすいことと、斜めから見たときにボケることだ。2～3m離れて視聴している時は気にならないが、近付くと樹脂製パネルに埃がたっぷりと付いているのが見える。また、テレビにつないだPCを操作するために至近距離から見下ろすと（45度くらい）、文字がボケてやや見辛くなることがあるが、筆者としてはどちらも我慢できる範囲だ。

　ネットの掲示板などを見ると、ブラウン管から買い替えた人は映り込みが気にならないようだが、筆者のように気になって仕方がないという方にはお勧めできる製品だ。今回の撮影で感じたのは、部屋を真っ暗にすればいい……ということだが、明るい部屋で、テレビへの映り込みが気になる方は参考にしていただきたい。

S字金具の付いた紐でテレビ背面の穴に引っかけて固定が可能	付属品のマジックテープ付きの固定ベルトはややゴツイ
背面でマジックテープにより固定する	運悪くスリットの位置がリモコン受光部と重なってしまった
15mm幅のリボン素材とプラスチックバックルを用意	細く、薄くなったので、リモコン受光部、明るさセンサーを塞がない
上面も付属品の固定ベルトよりスッキリ	背面の様子

TVガード設置前。暗い部分に部屋が移り込んている	コントラストはやや落ちるが、反射が抑えられ見やすくなった
部屋を暗くしても映り込みが発生している	ドラマの暗いシーンも見やすくなった
埃が付きやすくなったが、視聴位置からは気付かない程度	斜めから見るとボケてしまう

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