GALAXY Tabらしさを失わないオーソドックスなソフトケース


パッケージ。本稿では紹介していないが、保護フィルムも付属する

 7型液晶ディスプレイという単行本に近いサイズで、いま筆者にとってメインの読書端末となりつつあるのが、サムスン製Android端末「GALAXY Tab」だ。便利なアプリもあって、外に持ち出す機会も増えつつあるわけだが、今回紹介するのはその保護ケースで、レイ・アウトのソフトジャケット「RT-GTC2/B」だ。写真を見て、なんだシリコンケースじゃん、と思うなかれ。一般的なシリコンケースよりもやや硬い、TPUというポリウレタン樹脂を使ったケースなのだ。

 筆者はガジェットのケースを選ぶ際、キズ防止および耐衝撃の機能を持つのは当然として、オリジナルの本体の形状とサイズをなるべく維持できること、あとは着脱が容易であることを重視している。前者についてはなるべくかさばらずに持ち運びたいためであり、後者については別製品と組み合わせて撮影する際にすぐ取り出せるという、ライター的な事情によるものだ。

 今回のソフトケースは、シリコンのような柔軟性こそないものの弾性があり、キズ防止および耐衝撃性という点で十分な効果が見込める。GALAXY Tabのオーナーの方はご存じかと思うが、GALAXY Tabは背面が湾曲しているため、平らな面に置くと滑りやすい。このケースを装着すると背面が限りなくフラットになる上、素材そのものが持つ滑り止め効果で、机上などからの落下を防いでくれる。また表面はベゼル部を覆うようにして本体を包み込むので、うつぶせに置いた状態でも液晶ディスプレイが地面などに直接触れるのを防いでくれるというわけだ。着脱のしやすさも折り紙付きだ。

 実際に使ってみて大きなメリットと感じられるのは、滑り止め効果が必要以上に過剰ではないということだ。いわゆるシリコンケースは素材自体が高い滑り止め特性を持つため、机上などからの転落をたびたび防いでくれる一方、バッグなどに入れる際にもひっかかりやすい欠点がある。TPUでできた本製品は、手に持った場合はツルッとした感触であるにもかかわらず、机上に置いた場合の摩擦係数は高く、容易には滑らない。つまり、従来のシリコンケースだと滑らない代わりにひっかかりすぎていた欠点を解消できる素材といえる。また、シリコンにありがちな粉っぽさがまったく感じられず、ホコリが吸着しにくいのもよい。

 保護ケースといえば、どうしても突飛なデザイン・機能の製品が取り上げられやすく、また興味を引きやすいわけだが、本製品は見た目こそオーソドックスながら、実用性の高さでは群を抜いていると感じられた。見た目の奇抜さよりも堅実に使えるケースを探しているユーザーには、おすすめできる製品だ。

製品本体。TPUという、軟質樹脂なのだが表面はツヤのある素材。半透明なので向こう側が透けて見えるGALAXY Tabと重ねたところ。柔軟性のある材質を生かしてスムーズに着脱が行える
装着していない状態(左)と装着した状態(右)。スモーキーブラックというカラーのせいもあるが、カバーを装着していることをほとんど感じさせない
背面。ケースの穴の部分だけが開いている。おそらく金型自体はシリコンケースと共通だと思われるmicroSDのところだけ穴が開いている
底面の充電ケーブルおよび左右のスピーカーは露出している構造

 

製品名製造元購入価格
RT-GTC2/Bレイ・アウト2480円

 

 

(山口 真弘)

2011/2/7 06:00