ハードディスクをカセットのように使えるHDDケース「デジ蔵」


製品本体。インターフェイスはUSB2.0。ちなみに今回紹介したブラック以外にシルバーもある

 プリンストンテクノロジーが展開している「デジゾウ」シリーズには、「ゾウ」の部分に当てる漢字の違いによって、アナログレコードやビデオテープをデジタルに変換する「デジ造」、デジタル映像が見られるメディアプレーヤーの「デジ像」、複数のキーボードやマウスを切り替える「デジ操゛」などのバリエーションがある。今回紹介する「デジ蔵」は、「蔵」という漢字が示すように、データを貯蔵する役割を果たす、一般にはハードディスクケースと呼ばれる製品だ。

 本製品は、自作パソコンのショップやコーナーで売られているSATAタイプのベアドライブ(バラ売りのハードディスク)を組み合わせて利用する。フロントパネルのレバーを手前に引くことでハードディスクを取り出し、カセットのように交換して利用できるので、テレビ番組の録画など大容量のデータを記録していく用途に向いている。また挿入時も、ハードディスクを奥に押し込むことでフロントパネルも連動して閉じる仕組みになっている。

 類似の製品として、ロジテックの「LHR-DS02SAU2」という製品を以前紹介したのだが、ロジテック製品はフロントパネルの開閉とハードディスクの出し入れが連動しておらず、それぞれを別の手順になっていたのに比べると、本製品のギミックは合理的と感じた。また本製品の一体成型の金属製ボディは放熱性が高く、付属のクリアスタンドと組み合わせれば縦置きが可能、もちろん横置きにも対応する。全体的な質感は、ロジテック製品のそれよりも上だと感じられた。

 また、PCでドライブをアンマウントしたのち、本体のハードディスクを入れ替えてロックすればハードディスクケースが再起動し、PC側に自動的に認識される。いちいち本体背面のスイッチを操作しなくてよいのは、使い勝手の面でもすぐれている。また、PCの電源との自動連動機構を備えているほか、5分間アクセスがないと自動的にスタンバイ状態になるなど、市販の外付けハードディスクと比較しても遜色ない機能を備えている。

 このほか、ユニークなポイントとして、本製品のパッケージ(化粧箱)をハードディスクの収納ケースとして使えるのが面白い。化粧箱を裏表逆に組み立て直したのち、付属の紙製の仕切りをセットすれば、3.5インチのハードディスク5個を収納できるケースに早変わりするのだ。ケース本体の価格は実売5000円を切っており、コストパフォーマンスの高さも含めて、大量のデータを扱うユーザーにおすすめできる製品だ。

正面のレバーを手前に引くと、てこの原理でハードディスクが取り出されるハードディスクが取り出された状態。フロントパネルの開閉と連動している
左から順に縦置き用スタンド、本体、別売りのハードディスク。本体のボディ部は一体成型でかなり頑丈背面の放熱ファンは静音タイプで非常に静か。ちなみに正面から背面にかけてエアを通す構造になっている。電源はON/OFF/AUTO(連動)の3段階
本製品(左)とロジテックの「LHR-DS02U2」(右)。全長は本製品のほうがやや長いが、そのぶん薄いという特徴があるハードディスクを取り出そうとしている状態。ロジテックの「LHR-DS02U2」とはフロントパネルの開く方向が異なる
製品パッケージ厚紙製の間仕切りが同梱されている
製品パッケージを裏返して組み立て、間仕切りをセットすると、ハードディスク収納ケースとしても利用できる

 

製品名製造元購入価格
デジ蔵 PEC-SB2Bプリンストンテクノロジー4980円

 

(山口 真弘)

2010/10/18 06:00