海外でスマートフォンの通信が使い放題「MiFiレンタルサービス」


Xperia(左)と今回レンタルした「MiFi2372」(右)。海外でもパケット通信料を気にすることなく使うことができる

 海外に出かけたとき、いつものように使いたいけど、安心して利用できないのがケータイ。音声通話はともかく、パケット通信は状態が把握しにくいため、「メールだけなのに、結構な金額になってしまった……」なんていうことが起きる。特に、スマートフォンのような機種だとバックグラウンドで通信をするため、気が付かない内にパケット通信料がかさんでしまうケースも多い。

 そんなとき、ぜひ活用したいのがインターコミュニケーションズの提供する「MiFiレンタルサービス」だ。現在、国内ではイー・モバイルの「Pocket WiFi」やバッファロー/NTT東日本の「ポータブルWi-Fi」など、3Gネットワークのモバイルデータ通信を利用したモバイルWi-Fiルーターが人気を集めているが、この「MiFiレンタルサービス」は、言わばその海外版といったところ。

 レンタルできるのはNovatel Wireless社製のモバイルWi-Fiルーター「MiFi 2372」で、本体には渡航先の国や地域で利用するための3G/GPRS対応SIMカードが装着されている。筆者が米国へ行くにあたって利用したレンタル料は、1日あたり1580円。これにはMiFiから発信する各国のパケット通信料が含まれているため、iPhoneやiPad、Xperiaといったスマートフォンをはじめ、ノートPC、ニンテンドーDS、PSPなどの通信を、Wi-Fi経由で定額で利用できるというわけだ。

 今回、筆者がレンタルしたのはアメリカ用で、AT&Tの3G/GPRSネットワークを利用する設定となっていた。この他にも中国、台湾、香港、シンガポール、ドイツ、イギリス、フランス、オランダ、メキシコ、ブラジル、オーストラリアなど、世界25カ国の定額プランが用意されている。

 設定はいたって簡単。海外に着いたら、MiFiの電源を入れ、iPhoneやXperiaなどのスマートフォンからWi-Fi(MiFi)を検索する。「MiFi……」で始まるワイヤレスネットワークが見つかるので、そこに接続し、取扱説明書に記載されているパスワード(WEPキー)を入力するだけ。最大5台までを同時に接続できるため、筆者のスマートフォンだけでなく、同行した人のパソコンやスマートフォンなどをつなぐこともあった。スマートフォンなどで注意が必要なのは、各機種の設定メニュー内にある「データローミング」をオフに設定しておくこと。オンに設定してあると、MiFiのWi-Fiが途切れたとき、国際ローミングの3G/GPRSネットワークに接続してしまい、意図せず高額なパケット通信を使ってしまうからだ。

 MiFiの接続状態は、電源スイッチのLEDの色で確認できる。HSUPAのときは快適に使えるが、GPRSのときはレスポンスが落ちるので、LEDで状態を見ながら、使える場所を選ぶのが確実だ。ちなみに今回使用した中では、XperiaやiPhone 3GS、Nexus One、ThinkPad X201s、MacBook Airなどを接続できたが、auのWi-Fi対応端末は国際ローミング時にWi-Fiが利用できない仕様のため、使うことができなかった。なお、MiFiに設定されているパスワード(WEPキー)は共通なので、セキュアに使いたいユーザーは注意が必要だ。

 MiFiのレンタルは、オンラインかFAXで申し込むことができ、受け取りは宅配便で自宅などに送ってもらってもいいし、成田空港や関西国際空港、中部国際空港、福岡空港の受け渡しカウンターで受け取ったり、直接、インターコミュニケーションズ本社(東京都渋谷区)で受け取ることも可能。返却は宅配便で送るか、空港の受け渡しカウンターでの返却が可能だ。

 パッケージには本体のほか、充電用ACアダプタ、取扱説明書などが含まれており、海外に持って行きやすいように、専用のケースに収められている。連続稼働時間は約4時間程度だが、必要なときに電源を入れ、こまめに切るようにすれば、意外に長く使うことができる。バッテリーの持ちが不安なユーザーは、エネループを利用した予備バッテリーのオプションサービス(レンタル料は1日あたり210円)を利用するのも手だ。破損や紛失に備えての保険サービス「あんしんパック」も提供されているので、万が一のときにも安心だ。

 国際ローミングのパケット通信料では、ソフトバンクが1日単位の定額制の導入に踏み切ったが、MiFiレンタルサービスなら、他の携帯電話事業者のスマートフォンでも変わらない使い方ができるし、友だちや家族など、いっしょに旅行する人たちで共有できる。パソコンも持っていくのであれば、MiFiの方がお得という見方もできる。夏休みが近づき、海外旅行を計画している人は、MiFiレンタルサービスを検討してみてはどうだろうか。

レンタルのパッケージには本体、ACアダプタ、取扱説明書が含まれる。ケースもいっしょに送られてくるので、このまま海外に持ち出せる今回はアメリカ用を選んだため、電池パックを外すと、AT&TのSIMカードが装着されていた
充電はmicroUSB端子を利用。左隣のスロットはmicroSDメモリカードスロットMiFiのWeb設定画面。すべて英語表記だが、バッテリーの状態や接続中のクライアント数も表示されるなど、わかりやすい

 

製品名提供元購入価格
MiFiレンタルサービスインターコミュニケーションズ
1万262円
(5日間のレンタル料及び補償料金、配送料)

 



(法林岳之)

2010/7/14 06:00