1980年初頭の「パーカー180」デッドストックモデルを発見


アメ横で見つけた”パーカー180フライター”のデッドストック

 筆者は、腕時計と並んで、筆記具に於いてもガラクタをいくつか集めている。この腕時計コレクションの問題点は、頻繁に起こる“ゼンマイ巻き作業”と“ボタン電池の交換サイクル”だ。

 一方、筆記具コレクションの問題点は、たびたび起こるインクの乾燥だ。インクを入れないと書けないし、全部を書くヒマがないほど、身のほど知らずにコレクションを充実させてしまうと、インクの乾燥に繋がってしまう。

 そんなこんなで気を揉みながらお馴染みのアメ横を歩いていた時に、よく覗くライター&筆記具ショップで、以前から出物を探していた「パーカー 180」を発見した。

 パーカーと言えば、米国の著名な万年筆メーカーだ。 その昔、パーカー21や、51、45など、パーカー社の製品番号が2桁の万年筆が日本人の憧れだった時代もあった。パーカー180万年筆は、同社が1970年末頃から1980年代に発売していた、女性をターゲットとした細軸径万年筆だ。

 前述の多くのパーカー社の万年筆の軸径が実測で11mm強、筆者が最近愛用しているLAMY社のDialogue3万年筆の軸径が13mmであるのに対して、パーカー180の軸径実測はなんと9mm少々ときわめてスリムだ。

 それに加え、パーカー180は万年筆のペン先が“両面筆記”を標準的にサポートしている。一般の万年筆のペン先裏に当たる部分をよく見ると、そこには、X|Mと刻印されている。この意味は、通常のMサイズ(Medium=中字)とXサイズ(eXtra Fine=極細)の両サイズを同一のペン先で実現することを示している。

 通常の持ち方で筆記すれば、中字で文字を書くことができ、裏側にペンを持ち替えれば、極細の字を書くことができる仕組みだ。普通の状態で少し細めの中字を書いている場合、ペン先の長さもそこそこあり、ペン先は比較的柔らかくしなう感じで、見かけとは違い、スムースな筆記感覚だ。

 後々参照したりコピーを送る現本となる書類作成、比較的大きな文字で企画書などのアイディアを書きとめる、スケジュール帳にビッシリ小さな文字で書き込む――これらの仕事を1本でこなすことができるのが、パーカー180万年筆だ。今から約30年ほど前に、すでにこのような万年筆が完成していたことに感動だ。

同じパーカー万年筆の中でも極めてスリム(一番上がパーカー180)筆者愛用のLAMY社Dialogue3と比べると、大きさは3倍くらい違いそうペン先の裏側に、「極細」のXと「中字」のMの2つが刻印されている
中字(M)を使う場合の普通の持ち方実際に文字を書いてみると、その違いは明らか思いきり小さな文字を書いても擦れたり引っかかったりしない

商品名実売価格購入場所
パーカー180 フライター1万5000円前後御徒町 アメ横

(ゼロ・ハリ)

2010/7/15 06:00