本日の一品
スマートウォッチ新時代、人気は“アナログ時計型”?
2016年12月12日 06:00
AndroidとiOSの両陣営から鳴り物入りで登場したスマートウォッチだが、どちらもパッとしないのが現状だ。ソニーやセイコー、マイクロソフトやFossilが過去に発売したクラシカルなスマートウォッチから数えると、既に20年で30個以上は使ってきた筆者だが、ここ1年ほど、装着率が最も高いのは、スイスのタグ・ホイヤーが昨年末発売した「Connected」だ。
ConnectedはAndroid Wearを搭載したスマートウォッチだが、スイスの名門腕時計会社がデザインしただけあり、デジタル的な機能は他社製品と同じでも、細部においてタグ・ホイヤーのブランドを損ねないアナログ的な工夫や試みが施されている。
発売当初は供給量も少なく、人気も高く、筆者が昨年末に予約購入したときは、ベルトカラーを選べる環境ではなかった。結局、店頭で選択したのは黒のラバー仕様のモデルであった。その後、今年の夏前にはオプションで単体販売の始まった赤のシリーベルトを購入、交換して使っていた。
今回ご紹介するのは、その後、発表された新しいConnectedの革ベルトバージョンのベルトだけのオプションパーツ(FT6070)だ。
発売当初に多色のカラー展開をしたラバータイプのベルトではなく、標準的に革ベルト(カーフスキン)タイプが付属したConnectedが発売されたのが今年の初夏。そして3~4カ月遅れて、革ベルトだけのオプションとして単体発売された。
17万円でラバーベルト仕様のConnectedを購入したユーザーの中に、革製のオプションベルトまで追加購入して交換するユーザーがどの程度存在するかは別にして、どうしても欲しいという衝動を抑えられなかった筆者はふらっと入った銀座のタグ・ホイヤーショップで気に入って即刻購入してしまった。
Connectedの各色ラバーモデルと革ベルトモデルの価格差は2万1600円(税込、以下同)。ところが、オプションとして単品購入するとなんと3万8880円と1.8倍の値段だ。まあ、多くのIT系パーツもオプションで単品購入すれば同じような価格差だと諦めるしかないが、同じ値段でApple Watch Series 2のそこそこのモデルが買えてしまう。
店頭で購入したとはいえ、偶然、訪問したときはConnectedを腕にしておらず、結局、購入した革ベルトを持ち帰って自分で交換することとなった。
この革ベルトの最大の特徴は、表面の密度が高い”カーフスキン”。肌に触れる内面には、ラバー素材のベルトを縫い合わせている。交換そのものは一度でも腕時計ベルトの交換をやったことがあれば、特別難しい手順はない。
最初にチタン製のバタフライ型留め具を装着し、続いて同じチタン製の腕時計のベゼルに付属のバネ棒でベルトを固定すれば終了だ。カラフルなラバー製のベルトも夏場はなかなかスポーティで良いが、オールシーズンが前提ならタグ・ホイヤーの腕時計には革がよく似合う。
スマートウォッチの特徴の1つでもある文字盤の着せ替えをいろいろやってみたが、けっこう遊んだポップな感じの文字盤でも品の良いカーフスキンベルトは、ミスマッチなく追随できそうだ。
一般的に腕時計の革ベルトの最大のマイナス点は、暑い夏場には腕首の汗を吸収して、変色したり汗の匂いが付着する危険性がきわめて高いことだ。カーフスキンのベルトは、前述したように、肌に触れる内面はラバーを採用しており、1年を通じて問題なく愛用できるのが最大の特徴だ。
販売価格だけをみると、ごく普通のスマートウォッチをもう1個買えそうな値段ではあるが、もし既にConnectedをお持ちの読者諸兄なら、ここはカーフスキンベルトを大人買いするか、他人とそれほどカブることのないConnectedを最初からカーフスキンベルトモデルで購入してみるのはどうだろう。
購入者の特典として付加されているサービスを利用して、来年の今頃、追加で1500ドル支払って、スペシャルな機械式腕時計に交換するユーザーがどのくらいいるかも、今から楽しみなConnected腕時計だ。
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
---|---|---|
TAG Heuer Connected | タグ・ホイヤー | 18万3600円(税込) |
カーフスキンベルト(FT6070) | タグ・ホイヤー | 3万8880円(税込) |