みんなのケータイ

じぶん銀行からスマホだけで現金引き出しに挑戦

 おサイフケータイが登場して早13年。今では、スマホだけを持参して外出し、財布を持っていないことに後から気がつくということも珍しくなくなった。FeliCa対応のスマホがあれば、電車に乗れるし、コンビニで買い物もできるし、食事もできる。昨年はiPhoneもFeliCaを搭載し、日本でApple Payが利用できるようになった。Apple PayのベースはiDとQUICPayだが、キャンペーンも充実しているので、今ではすっかりiPhoneで電車に乗ったり支払いをするようになってしまった。

 そんな中、じぶん銀行がスマホだけで現金を引き出せるATMサービスを始めた。FeliCaなどの非接触ICは一切利用することなく、カメラとQRコード、さらには手入力を駆使してお金をおろすというものだ。もともと、じぶん銀行の口座を持っていることもあり、早速使ってみることにした。

 スマホATMは、セブン銀行のATMで使えるようになっている。セブン銀行のATMは、最近はセブン-イレブン店内だけでなく、駅構内などにも配置されており、至る所で目にすることができる。じぶん銀行のアプリでも、ATMの場所を検索できるので特に心配はない。

 スマホATMを使うには、まずじぶん銀行のアプリで、申し込みが必要となる。申し込みと言っても、利用規約に同意したり、確認番号を入力する程度なので、さほど難しくはない。じぶん銀行のウェブを見ながらやれば簡単だ。

 実際にATMでお金を引き出すには、まずじぶん銀行のアプリを起動し、おろしたい金額を入力。一方、ATM側操作としては「スマートフォン出金・入金」というメニューを選択後、ATMの画面に出てくるQRコードを、アプリで読みとる。あとはアプリに表示された「8333」という企業番号をATMに入力し、さらに4桁の暗証番号を打ち込むことで、現金が出てくるという流れだ。

 ここまで、実際に使い、原稿に起こしてみると、「どこが便利なのか?」と一瞬悩んでしまった。確かにスマホだけでお金をおろせるのは画期的だ。しかし、操作手順がちょっと多いのが気になった。これなら、従来通り、カードを読み込ませて、金額と暗証番号を打ち込むだけでお金が出てくる方が簡単に思えてくる。

 ただ、スマホを使えば、セキュリティ面がかなり強化されるのだろう。カードを落としてしまっては、使われる可能性が高いが、スマホであれば、何重にもロックがかかっているため、勝手にお金を引き出される心配がない。

 「財布持ってくるのを忘れた」と外出先で気がついても、スマホがあれば、ATMから現金が引き出せる。そう考えると、いざというときにスマホATMを使えるように準備しておいても損はない。

 海外では、Apple Payを使って、現金を引き出せるATMもあるようだ。じぶん銀行にはせっかくなので、もう一踏ん張りしてもらって、スマホをタッチするだけで現金が引き出せるATMを開発してもらいたいものだ。