スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

凄いぞ手ブレ補正双眼鏡!

キヤノン「18×50 IS AW」など3機種をズギャッと購入!

 始まりましたこの新連載では、ワタクシ、スタパ齋藤がハマって凝って堪能しちゃった物事をガッツリとご紹介いたします。熱しやすいタチなので、四方八方イロイロな物事にハマりつつ凝ったりしていますので、ジャンルを問わずなんでもかんでも採り上げていく予定です。

凄いぞ手ブレ補正双眼鏡!

 さて、ここ最近で凝りに凝って現在も凝り中のモノと言えば、手ブレ補正機構を備えた双眼鏡です。手ブレ補正機構により、手持ちでも揺れの少ない安定した眺望を楽しめるという双眼鏡ですな。

 何社かが作っていまして、富士フイルムなら「テクノスタビ&スタビスコープ」シリーズ(メーカー製品ページはコチラ)、ニコンなら「防振(VR)双眼鏡」シリーズ(メーカー製品ページはコチラ)、キヤノンなら「BINOCULARS」シリーズ(メーカー製品ページはコチラ)という感じ。ワタクシはキヤノン製を使っております。

キヤノンの手ブレ補正双眼鏡「BINOCULARS」シリーズの「8×25 IS」。8倍の双眼鏡で、本体上部のボタンを押している間、手ブレ補正機能が効きます。メーカー希望小売価格は税別5万5000円ですが、実勢価格は3万円前後。コストパフォーマンスの良さからか、品薄状態が続いているようです。そのため割高で販売する業者もありますので、購入時はご注意を。

 対象を立体的に観察できるという快適さから、双眼鏡が好きです。なのでチョイチョイ使うんですが、使い慣れてもけっこー疲れますな。手で持っているので、視野が揺れがち。展望台なんかに設置されているゴツい有料の双眼鏡のようには、快適に眺めることができません。

 ちなみに、多用している(していた)のは、オリンパスの「8 × 21 RC II WP」(メーカー製品ページはコチラ)。倍率8倍の双眼鏡で、軽量&コンパクト。防水である点も安心感があります。なお、手持ちで使うのにラクなのは8倍くらいまでと言われていて、確かにこれ以上倍率が高いと手持ちで安定的に使うにはツラそうな感じです。

オリンパスの「8 × 21 RC II WP」。ポケットサイズで質量215g。小型で軽いので、いろいろな用途に役立ちます。価格には開きがありますが、5000~6000円くらいで購入できます。

 で、去年の後半に「もっと快適に双眼鏡を使いたい」という欲求が噴出。ウォーキングや軽い山歩きを始めたので、動植物や風景をより快適に観察したい! となった感じです。そこで調べたらアッサリと「手ブレ補正機構を搭載した双眼鏡」を発見しました。

 いろいろな機種がありましたが、惹かれたのがキヤノンの「12×36 IS III」(メーカー製品ページはコチラ)。12倍という倍率と、最新の手ブレ補正機構が搭載されていることで、実勢価格8万5000円前後と「この倍率の双眼鏡としてはヒッジョーに高価」でしたがズギャッと購入。

 そして使ってみたらビックリそしてビックリ再びビックリ+ビックリです。見える見える見えまくり! 手ブレ補正がバッチリ効くので、像が安定し、対象の細部までよ~く観察できます。もちろん、視野が揺れることから来る疲れもほとんど感じられません。

 この双眼鏡から久々の「視覚的感動」を得ました。これまで見えなかったモノが見えちゃうんです。たとえば、普通の双眼鏡で木の枝にとまる鳥なんかを見ると「あ~鳥だ……メジロかな」とか思うわけですが、手ブレ補正双眼鏡だと「あっメジロだ……すぐそばに羽虫が飛んでる」みたいな感じ。像が安定して初めて見えてくるモノ(羽虫)があったり、鳥のディテイルが即座に鮮明に見えたりします。

 フツーの双眼鏡を使うと「遠くがよく見える!」といった楽しさがあるわけですが、手ブレ補正双眼鏡を使うと「おおお、俺の視力が増幅された!」みたいな感動があります。遠くの対象が、揺れずにハッキリと見えていることは、何というか「そこに双眼鏡が介在しない」という感覚もあり、対象がよりダイレクトに視野へと入ってくるような印象です。

 あ~オモシロい! オモシロ過ぎるゼ、手ブレ補正双眼鏡! というわけで、現在もハマり続けているという感じです。

こんな機種を使ってます

 現在使っている手ブレ補正双眼鏡は3機種。どれもキヤノン製で、「8×25 IS」「12×36 IS III」「18×50 IS AW」です。8倍、12倍、18倍の手ブレ補正双眼鏡。キヤノンの双眼鏡は全部が手ブレ補正機構搭載のようですが、その製品一覧はコチラにあります。

 ちなみに双眼鏡の倍率は、「8×25 IS」なら8倍、「12×36 IS III」なら12倍です。型番などに含まれる「○×○」の最初の数字が倍率を示します。後ろの数値はレンズ(前玉)の直径ですな。また、1倍は35mm判カメラで言うところの50mmレンズ相当と言われていますので、8倍なら400mmレンズ相当、12倍なら600mmレンズ相当となります。「手持ちなら8倍くらいまで」というのも頷けます。

 なお、倍率とは「双眼鏡で覗いた像がどれだけ大きく見えるか」を表します。10倍の双眼鏡なら、100m離れた対象に10mまで近づいて見たのと同じ大きさで見えます。ほか、双眼鏡に関する基礎知識は、キヤノンの「双眼鏡の基礎知識」(ページはコチラ)が詳しいですので、参照してみてください。

双眼鏡の倍率のイメージ(※画像はキヤノンのウェブサイトより抜粋)。ちなみに、18倍の「18×50 IS AW」だと、900mmのレンズ相当となり、手持ちで使うのは難しいように思えてしまいますが、手ブレ補正機構があるとラク。手持ちで使っても、月面の大きめのクレーターなどがハッキリ見えます。

 さて、「8×25 IS」「12×36 IS III」「18×50 IS AW」を使用中ですが、それぞれの使い分けを少々。どんなときにドレを使い、どんな使用感なのかを書いてみましょう。

 まず倍率8倍の「8×25 IS」ですが、倍率はいちばん低いものの、その分、見える範囲が広いので、いちばん汎用性が高いですな。「とりあえずコレ」的に多用しています。実際に試してみると、135m先にあるクルマのナンバーがハッキリ読めるという倍率です。コンサートや旅行、身近な鳥の観察などに向くと思います。

 ただ、手ブレ補正機能を発揮させるためにボタンを押し続ける必要があるのが少々面倒。軽く押せばOKではありますが、押し続ける指がちょっと疲れたり。この点は12倍の「12×36 IS III」についても同様です。

8倍の「8×25 IS」。上部にあるボタンを押している間のみ、手ブレ補正が効きます。電池別の質量は約490gで、電池はCR123A リチウム電池×1本を使用します。手ブレ補正の連続動作時間は常温(25℃)で約6時間となっています。まあまあコンパクトなので、わりと気軽に持いて使えます。メーカー希望小売価格は税別5万5000円で、実勢価格は3万円前後。

 次に12倍の「12×36 IS III」ですが、遠くのモノをよりアップにして見たいという場合にはコレが便利です。野山などの遠くの風景を鮮明に見たいという場合、8倍くらいのほうがいいかなと思いますが、ピンポイントの対象にもっと近づきたい場合は、当然12倍のほうがよく見えます。実際に試してみると、135m先にあるクルマのリアウインドウに貼られたステッカーの文字(BABY IN CAR とかそういうヤツ)までハッキリ読めました。野鳥観察や天体観察など、遠くの対象をよりジックリと観察したい場合に向くと思います。携帯性も悪いというほどではないので、アウトドア・アクティビティに携帯するのも現実的です。

12倍の「12×36 IS III」。上部にあるボタンを押している間のみ、手ブレ補正が効きます。電池別の質量は約660gで、電池は単3形乾電池×2本(ニッケル水素電池も使用可能)を使います。手ブレ補正の連続動作時間は常温(25℃)で約9時間(アルカリ電池使用時)となっています。ちょっと重めで大きめなので、気軽さにはやや欠けます。メーカー希望小売価格は税別11万3000円で、実勢価格は8万5000円前後。

 それから18倍の「18×50 IS AW」。キヤノンのISシリーズ双眼鏡の中で最大の倍率となります。実際に試してみると、135m先にあるクルマのタイヤ付近に落ちている小石の数や葉っぱの枚数を数えることができました。そういう倍率ですので、野鳥を観察したりすると「鳥が何を意識しているか」みたいなこともわかったりします。月面を見れば大きめのクレーターがハッキリ見えます。遠くの風景を眺めて楽しむ、という用途にはイマイチ向かないかもしれませんが、遠くの対象をつぶさに観察するならこういう高倍率モデルが適しますな。

18倍の「18×50 IS AW」。上部にあるボタンを押すと手ブレ補正が効いて、一定時間それが自動的に保持されます。ので、ボタンを押しっぱなしにする必要がなく、ちょっとラクに使えます。電池別の質量は約1180gで、電池は単3形乾電池×2本(リチウム電池も使用可能)を使います。手ブレ補正の連続動作時間は常温(25℃)で約2.5時間(アルカリ電池使用時)/約8時間(リチウム電池使用時)となっています。かなり重く大きいので、ある種の本気さがないと使う気になりません。なお、裏面には三脚ネジ穴もあります。メーカー希望小売価格は税別18万9000円で、実勢価格は15万円前後。

 これら3機種を買っちゃったワタクシですが、満足度は「大」です。もちろん双眼鏡として考えると、どれもかなり高価。もっと安価になってくれると嬉しいですが、クリアな視野が物理的に広がったという現実には、何ものにも代えがたい喜びがあります。

いろいろ発見、モヤモヤも解消♪

 18倍の「18×50 IS AW」を手に入れてから、イロイロな発見がありました。近所の小さな山の頂上にちょくちょく行くんですが、「18×50 IS AW」だと、これまで見えなかったモノもよく見える感じ。たとえば「あっアレって向こうの丘の上の展望台だったのか!」とか「おお新宿のビル群が見える!」とか、そんな発見。以前は「あの丘の上に何かある?」「あれが新宿のビル群らしいけど……ん~どれがどれ?」みたいにイマイチ見えなかったんですが、そーゆーのがビシバシと見えるようになりました。

 拙宅窓から外を見ると、かな~り遠くに白い建物があり、その最上階っぽい位置に青い塗装か看板が見えていました。方角とGoogleマップで、その建物が何なのかを調べたりしていましたが、判明には至らず。しかし「18×50 IS AW」でソレを見てみると、ハッキリと「DNP」と書かれており、大日本印刷の工場であるらしきことがわかりました。その後、Googleマップとストリートビューで確認したら、大日本印刷の工場であることが判明しました。拙宅から約4.5kmの距離でした。長年の謎が解けてスッキリです♪

 それから、ある小さな山の頂上から見える、別の山の頂上。「アレはたぶん○○山の頂上だろう」と考えていたんですが、「18×50 IS AW」で観察したら、どうも別の山頂っぽい感じ。山頂にある特徴的なベンチが見えたのです。帰宅し、その「別の山頂」を画像検索してみたら、特徴的なベンチが該当。「あの山はじつは△△山だったのか~」と正解を知ることができました。山頂間の距離は約1.5kmでした。

 他にもイロイロ発見がありますが、そういう観点ではやはり高倍率の「18×50 IS AW」はインパクトがあります。5月頃からは湿度などにより見通しが悪くなるので、「18×50 IS AW」の実力がイマイチ発揮されない感じではありますが、「これまでは確認できなかった遠方を肉眼で確認できる」というコトの喜びは大きいです。

 倍率がが8倍や12倍の「8×25 IS」「12×36 IS III」ですが、これらはこれらで、インパクトがあります。単に高いところにある木の枝を眺めるだけでも愉快。頭の中では当たり前のコトではありますが「あんなに多量の葉っぱが、風に揺れている」という現実、そんなコトが、ナゼか新鮮だったりします。電線にとまる鳥を見ているだけでもミョーに興味深いです。

 しかも手ブレからくる観察しづらさや疲れは、ほとんどありません。快適♪ たとえば同じ8倍の双眼鏡でも、手ブレ補正アリのものとナシのものでは、明らかに見え方が違います。「8倍でもここまで見えるんだなあ」という発見もあると思います。双眼鏡のおもしろみを知る人なら、ぜひ一度手ブレ補正双眼鏡も試してみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。