スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」
イケてる「Boa Closure System」♪
モンベル「リールアジャストシステム搭載シューズ」ばかり購入!
2016年6月15日 06:00
Boa Closure Systemってナニ?
もう何年も凝っている……というか「この機能ありき」で選んでいるモノと言えば、シューズ。Boa Technology社の「Boa Closure System」という独自の機能を搭載した靴です。Boa Technology社のウェブサイトはコチラ。「Boa Closure System」を説明した動画はコチラで見られます。見たことあるかも、ですが、下の写真に見られる機構を備えた靴ですな。
要は、靴ひもの代わりにワイヤーとダイヤルがあって、ダイヤルを右に回すと靴がフィットするという機構ですな。ダイヤルを引いてロックを外すとワイヤーのテンションが緩み、靴のフィットも緩みます。
コレがですね、ヒッジョーに便利なんです。イロイロ便利なんですが、まずは靴を脱いだり履いたりするのがラク。
靴を履いたらダイヤルをカチッと押し込んでロックし、適宜カチカチカチっと回してワイヤーを巻き取り、靴をフィットさせればOK。5秒もあれば完了です。
靴を脱ぐときはダイヤルをカクッと引いてロックを外せばワイヤーがリリースされ、靴が緩みます。そのまま足を動かせば靴をスルリと脱げます。実質、ダイヤルを引いて足をグイグイっと動かす程度なので、ガッチリ締めていない限り即座に靴を脱ぐことができます。
フィット感の調節も容易で、ダイヤルを回して締めたり、一瞬ロックを外して少し緩めたりできます。ダイヤルは少しずつ回せますので、フィット感の微調整もお手軽です。
脱ぎ履きが一瞬でできて、フィット感の微調整が容易。かがんでダイヤルをつまめばソレが可能なので、靴を脱ぎ履きするときの姿勢も楽。さらにヒモがないので引っ掛かるようなこともなく、靴の掃除も容易。もはやこの機構がない靴を買う気にならないワタクシです。
ちなみに、この機構を備えたシューズは各社から発売されています。たとえばアウトドア用品で知られるモンベルは、この機構を「リールアジャストシステム」として多数のシューズを販売しています(メーカー製品情報ページはコチラ)。あるいはバイク用品で知られるRS TAICHIからは、「Boaクロージャーシステム」搭載品としてライディングシューズを発売しています(メーカー製品情報ページはコチラ)。釣り用としてはkorkers(コーカーズ)から「Boaレーシングシステム」搭載のウェーディングブーツが発売されています(メーカー製品情報ページはコチラ)。他にもた~くさん、「Boa Closure System」を搭載した靴が存在します。
こんなの使ってま~す♪
この「Boa Closure System」を搭載した靴を多々使用中のワタクシ。現在主に使っているシューズの写真とともに、その使用感などを書いてみたいと思います。ちょっと汚い靴もありますがご勘弁。
モンベル製が多いのは、やはり入手性の良さです。ショップでの扱いが多いのでフィット感を確認できますし、もうかなり長く「Boa Closure System」を採用しているのも「思わずモンベル製シューズを買っちゃう理由」になっています。
「Boa Closure System」の良いところ悪いところ
さて、「Boa Closure System」のメリットとデメリットですが、まずメリットは前述のとおり「すぐ履けるしすぐ脱げる」「フィット感の微調整が容易」など、紐靴と比べるとラクなことです。
とくに「フィット感の微調整が容易」であることは大きな実用性に直結しています。具体的には、「もう少しだけ緩く」「あとちょっとキツく」という欲求に即座に対応できます。
緩くするときは、かがんでダイヤルを一瞬引いてロックを外せばワイヤーが少し緩みますので、すぐダイヤルを押し込んでロック。緩すぎたらダイヤルをカチ……カチ……と回して微調整。キツめにしたい場合、かがんでダイヤルを1段か2段回せばOK、みたいな。
紐靴の場合、しゃがんだり座ったりして、両手でヒモを解いてフィット感を調整して、また結ぶ、という手間がかかります。「Boa Closure System」の場合は片手でダイヤルを操作するだけなので、ラク。ラクなので「ちょっと靴のフィットに違和感があるから今調節しよう」を億劫がらずに行えます。
トレッキングなどでややハードかつ長時間歩く場合、そういう微調整は非常に大切だと思います。「面倒だから後で」と先送りにしてしまうと、靴擦れや足のシビレなどトラブルの原因にまりますな。急坂では上りと下りで靴のフィットを調節する必要がありますが、これも紐靴だと頻繁な微調整は現実的ではありません。でも「Boa Closure System」なら「ちょっと違和感がある」と思ったら即、一瞬で微調整できますので、面倒ナシにトラブルを遠ざけられると思います。
スパッツ(ゲイター)なしで山道を歩いているときもチョイ便利。靴の中に小石などが入ったときも、その場ですぐ靴を脱いで出せて、またすぐ履けたりしてイイ感じですヨ♪
難点としては、靴のタイプや歩くシチュエーションによっては「足の一部分だけが締まり過ぎる」という問題が起きることだと思います。紐靴と違い、「Boa Closure System」のワイヤーはスルスルとよく滑ります。ので、たとえば下り坂で足首が強く前に出るような状態で、ダイヤルが1個(ワイヤーが1本)の靴だと、「足首周辺のワイヤーが強く引かれるために足先のワイヤーが強く締まってしまう」という状態になります。
実際に、ダイヤルが1個でローカットの靴(前述の「マリポサトレール」(旧タイプ))だと、そういうトラブルが起きていました。歩き方やダイヤルの締め方を少し変えれば回避できたりもしますが、そういう余裕のない急坂・長時間の下りなんかだと、つま先が痺れてきてツラかったりします。
前述のモンベル「テナヤブーツ Men's」は、足首周辺用と足の甲用の2本のワイヤーでフィットを調節できますので、けっこーキビシい急坂なんかでも、そういう問題は起きていません。急坂の下りを想定した場合、ハイカットでワイヤー2本のモデルが無難なのかもしれません。
それと、「ワイヤーが切れたら?」というリスクと不安感もありますな。体重がかな~り重いワタクシの経験ですが、まだ一度も切れたことがありません。けっこーハードに使っているとは思うんですが、切れる気配ナシ。ワイヤーが切れる前にダイヤルが壊れるかな? とも思っていましたが、ダイヤルの故障もまだ経験していません。
それ以前に、ダイヤルもワイヤーも問題ナイのに、ソールがすり減っちゃったり剥がれたりしてくるほうが先という印象です。実際にソールが剥がれ&切れて廃棄した「Boa Closure System」が1足あり、その靴のダイヤルやワイヤーは無問題状態でした。
ちなみにワイヤーが切れた場合、付属工具と替えワイヤーさえ持っていれば、その場でまあまあ短時間で交換できます。また、切れたワイヤーを除去すれば普通の靴紐を通せるモデルも少なくないようです。モンベルの「Boa Closure System」搭載シューズはみんなそう……だと思いますが、「ヴェイルブーツ」はそうでないかもしれません。
それと、希にですが、ワイヤーが緩んじゃうことがあります。上の旧タイプ「マリポサトレール」は、カカトにダイヤルがあるため、ダイヤルが岩などに当たってロックが外れ、ワイヤーが緩んでしまったことが若干アリガチでした。
ほか、森の中の獣道をガサガサと歩いていたときに、「テナヤブーツ」の足首側のダイヤルのロックが外れたことが一度だけありました。枯れ枝かナニカに引っ掛けた? 普通に歩いているぶんにはダイヤルのロックが外れることはまずナイと思いますが、ダイヤルが岩や灌木に当たりやすいシチュエーションでは「知らないうちにダイヤルのロックが外れてワイヤーが緩んだ」ということが起きる可能性もあると思います。
でも結局、ワタクシの使い方だと、「Boa Closure System」搭載ゆえの問題はあまり多くありません。メリットと比べるとトラブルは「ごく希」の範疇という印象で、やっぱり今後もダイヤルとワイヤーでフィット感を調節できる靴ばかり買うように思います。一度使うと後戻りできない的な良さが多々ありますので、興味があればぜひ一度使ってみてください。