ケータイ用語の基礎知識
第781回:Data Saver とは
2016年11月16日 18:18
「Data Saver」(データセーバー)は、Android 7.0(コードネーム:Nougat)から使用できるようになった、ネットワークデータ通信量を制限するモードです。
Data SaverをONにすることで、スマートフォンが従量データ回線、つまりLTE回線でアプリがバックグラウンドで通信することを止めます。また使用中(フォアグランド)での通信もなるべく抑えるようにアプリに指示します。
一般的にスマートフォンは、アプリの操作中だけではなく、バックグラウンド、つまりユーザーがアプリを操作していなかったり、見えていないところでも、通信します。
メールの受信を「同期する」という設定にしていた場合、メールアプリはバックグラウンド通信でメールサーバーとメールデータを受け取り、ユーザーがメールアプリを開いたときにいつでもサーバーに届いたメールがすぐ見られるような状態にしていますし、様々なアプリケーションが同じようにユーザーから見えないように裏でサーバーとデータをやりとりしているのです。
ユーザー自身が操作せずとも、アプリがバックグラウンドでさまざまな動きをすることで、スマートフォンが便利に使える側面があります。これは、場合によってはユーザーが知らないところで通信量が増えてしまったり、あるいは電池を消耗したりしてしまう原因にもなります。
データ通信に関しては、モバイル(LTE)での通信は、データ通信が増えすぎると費用面にも反映されます。そこで、「ホワイトリスト」に登録したアプリ以外は、全てのアプリで有料回線でのバックグランド通信を許可しない状態にするのが、Data Saverというモードなのです。
もし、契約中の料金プランで、残りデータ容量が少なくなった場合や、あるいは機内での従量制のWi-Fiサービスを利用するような場合は、「Data Saver」をONにすることで、通信料を抑えることができます。
もちろんメリットばかりではありません。「Data Saver」をONにすると、ほぼ全てのアプリがバックグランドでの通信を止めることになります。ホワイトリストを正しく設定しておかないと、メッセージが届いたといった大事な通知も止めてしまうことになります。
APIが用意されアプリからも設定が可能に
Android 7.0で、Data Saverを有効にする方法は簡単です。データ使用量設定に表示されている「Data Saver」の項目をタップし、ONに切り替えるだけです。ホワイトリストも、この項目をONにすることで「データへの無制限アクセス」という設定する項目が表示されますので、そこから設定が可能です。
デフォルトの状態では、Google Play開発者サービス以外の全てのアプリで、バックグランド通信がOFFになります。ホワイトリストでは、アプリ一覧からバックグラウンド通信をさせたいアプリを選びます。たとえばGmailを受信したいなら「Gmail」の項目を、Googleドライブへ自動的にファイルのバックアップをさせたい場合は「Googleドライブ」の項目をONにすると、それぞれ自動的な通信が可能になる、つまりユーザーが気付かないうちに通信できるようになります。
Data Saverが有効になっているか、またどのアプリがホワイトリストに載っているかというような情報はAndroidの設定メニューだけではなく、アプリからも確認できるよう、APIが用意されています。
ユーザーが「ネットワーク状態」を確認するための権限をアプリに許可した場合は、アプリはData SaverのAPIを利用できるようになります。今後、Android 7.0対応のアプリとして、Data Saverの機能を使って、アプリごとの設定状態を確認できるようなアプリもでてくるかもしれません。