読者が選ぶケータイ10大ニュース

読者が選ぶ2012年ケータイ10大ニュース

読者が選ぶ2012年ケータイ10大ニュース

【結果発表】

 12月17日~21日にかけて、読者の皆さまに選定していただいた「読者が選ぶ 2012年 ケータイ10大ニュース」の集計結果を発表いたします。編集部でノミネートした主要ニュースに対し、1人3票までの投票を受け付けたところ、3139票(1125人)が集まりました。ご協力いただき、ありがとうございます。

  • 1(356票)

    「iPhone 5」発売、ついにテザリングへ対応

     あれから1年、今年もやってきた「iPhone」は、今回、大きな変化を遂げた。最もわかりやすい変化はディスプレイサイズ。横幅はこれまでと同等ながら、縦方向に大型化。処理能力も高めた一方で、ボディは薄く軽くなった。まるでかつての日本の携帯電話を彷彿とさせる進化のロードマップだが、iPhoneの凄さはハードウェアだけではない。今秋登場したiOS 6は、マップの情報でユーザーの不興を買うことになったが、リアルとの連携を強化するPassbookなど、ユーザー体験をさらに深めようと試みている。


     もう1つ、ユーザーの関心を誘ったのは、「テザリング」への対応だ。携帯電話をモバイルWi-Fiルーターのように利用できるテザリング機能は、既にNTTドコモのフィーチャーフォン、スマートフォン、auのWiMAX対応スマートフォンなどで利用できるようになっていたが、iPhoneユーザーにとっては、「海外では利用できるのに、日本では使えない」状態になる機能の1つだった。これまで利用できなかったのは、スマートフォンの普及による通信量の増大を背景に、「テザリングへの対応はさらなるトラフィック増を引き起こすのではないか」と通信事業者側が不安視していたことが大きい。


     しかし、競争が環境を変える。かつてはソフトバンクだけだった「iPhone」も、1年前よりauでも取り扱われるようになった。そしてLTE対応の「iPhone 5」が両社から発表され、なかでもauが先んじてテザリングへの表明を発表すると、Twitterなどではソフトバンクに対してテザリングを求める声が相次ぎ、急遽、ソフトバンクも「テザリング」へ対応することが発表されたのだ。


     auやソフトバンク、あるいはAndroid――アップルだけではなく、さまざまなプレーヤーが競り合うことで、「iPhone 5」にはさまざまな進化がもたらされた。今後もそうした流れが続き、「iPhone」のポジションがさらに高められることになるだろうが、そのすぐ後ろには「iPhone」を追い抜かそうとする存在がどんどん迫っている。これからも目を離せない領域だ。

  • 2(288票)

    各社のLTEサービスが勢揃い、本格化へ

     ドコモ、イー・モバイルに続き、今秋、auとソフトバンクモバイルのLTEサービスが開始された。こうした新しい通信方式のローンチ、それも各社のサービスが一斉に揃うのは、携帯電話業界にとっては大きなトピック。しかし、専門誌とはいえ、今年を代表するニュースの2位にランクインするとは、予想外のこと。注目のきっかけは「iPhone 5」以降のauとソフトバンクモバイルのサービス競争だ。両社ともに、サービスエリアの広さ、通信速度を発表会で大々的に案内し、どちらが優れているか、積極的なアピールを欠かさない。ユーザーにとっても実に気になる部分だ。


     それだけではなく、スマートフォンの急激な普及による“繋がりにくさ”をユーザーが感じやすくなっていることも要因の1つではないか。たとえばソフトバンクモバイルは、孫正義社長自らが認めるように、3Gでのエリアについては、ユーザーから厳しく評価され、繋がりにくいという印象が強かった。


     そうした繋がりやすさ/繋がりにくさについては、ソフトバンクのみならず、他社ユーザーも不満を抱えている。このニュースが本誌読者から2位に選ばれるほど票を集めたのは、LTEという新サービスの登場が、そうした現状を打開してくれるのではないか……という期待も込められているのだろう。携帯各社にとって、エリア整備は基本中の基本。2013年は各社の力量が試されることになる。

  • 3(280票)

    ドコモで通信障害が多発

     約1年前にspモード関連で大規模な障害が発生し、さらにその1カ月後、2012年1月25日には、首都圏において、朝のラッシュ時間帯を挟む形で通信障害が発生した。その後、ドコモでは対策を打ち出すものの、spモード、国際ローミングなどを含め、通信障害が発生した。


     通信障害そのものをゼロにすることは難しい。ドコモに限らず、他社でも起こりえるもので、人為的なものであれ、機器の故障であれ、通信障害を引き起こす要因を完璧に排除することはできない。しかし、立て続けに発生すればユーザーは不信を抱き、しかも長い時間に渡って不便な状況を体験してしまうと、その品質を疑うようになる。


     2011年3月の東日本大震災では、ドコモは、対策をスピーディかつ根強く進めて、ユーザーから高い評価を得た。その1年後、スマートフォンの急速な普及を背景にした障害が度々起き、その品質に対する信頼性は大いに揺るいだ。これからは通信障害を抑えることはもちろん、普段の繋がりやすさをレベルアップさせて、ユーザーからの信頼を取り戻して欲しいところだ。

  • 4(208票)

    MNPでドコモ転出超過続く、過去最多も

     ドコモから離れるユーザーが後を絶たない。要因として「iPhoneを取り扱っていないこと」が巷では噂されるところだが、ユーザーが携帯電話を選ぶとき、端末の魅力もさることながら、料金なども踏まえて決断することが多い。特に今年は、auが固定回線とセットにした割引を開始し、ドコモにとっては対抗しづらい状況が続いている。6000万人という、他社よりも2400万件も多いユーザーを抱えるドコモにとって、その数自体は大きなものではないが、長らく続く転出超過に対して、ドコモ自身、キャンペーン施策などを展開しており、“出血”をいかに抑えるか、今後も取り組みが続く。

  • 4(208票)

    Googleのタブレット「NEXUS 7」登場、10インチモデルも

     ドコモのMNP純減と同票を獲得した「NEXUS 7」のニュースは、今年6月の発表以来、今秋の国内発売までたびたび注目を浴びた。Androidの最新OSを搭載し、7インチというサイズもさることながら、1万9800円(16GB版)という手頃な価格も魅力の1つだ。今年は特に7インチサイズのスマートデバイスが次々と登場し、ユーザーにとっては選び甲斐のある状況となった。Android 4.2ではマルチユーザーに対応し、Androidタブレットは今後、家族で利用しやすくなる。「iPad mini」が登場したからこそ、今後の発展に期待できる分野だろう。

  • 6(189票)

    イー・モバイル、スプリント――ソフトバンクが続けて大型買収

     「孫さん、どこまで行くんですか……」、この10月はそんな感慨を抱かざるをえなかった。イー・モバイルの買収では、iPhoneユーザーに大きなメリットがあるとされる一方、米スプリントの買収については国内ユーザーのメリットが見えにくく、発表直後には今後を不安視する声も挙がった。いずれにせよ、世界一になることは男子の本懐と語る孫氏には、米国での競争をいかに展開していくのか注目が集まる一方、国内サービスの向上も期待されている。

  • 7(170票)

    iOS 6が登場、新機能追加も地図アプリが不評

     Passbookの導入やFacebookとの連携、電話着信時のメッセージ返信、携帯電話ネットワークでも利用できるようになったFaceTimeと、「iOS 6」は数多くの新機能が追加され、改善が図られている。一方で、独自のマップアプリは厳しい批判にさらされているが、12月には「Google Maps」が提供されるようになったことでユーザーからすると不便な点が1つ減った。既存のiPhoneユーザーにとっても、無料でアップデートでき、iOSの進化はありがたいイベントの1つだ。

  • 8(149票)

    「LINE」が急成長、対抗アプリも続々

     2011年6月に登場した「LINE」は、同年12月ごろから急激にユーザー数が増加し、直近(11月30日)には8000万人に利用されるプラットフォームへと成長した。スタンプと呼ばれるイラストのやり取りが人気となり、無料通話できるアプリとしても注目され、企業のマーケティング活動にも活用されるシーンが増えてきた。日本のみならず海外でも多くのユーザーを獲得しており、スマートフォン時代を代表するアプリの1つ。競合アプリも続々と発表、あるいは施策の強化が行われており、さらなる競争の激化が見込まれる分野だ。一方、未成年が犯罪に巻き込まれる事例も報道されている。LINE側も携帯各社と協力して対策に当たっており、既にau版では対策を導入済。他社での早期の対策も待ち望まれている。

  • 9(138票)

    「iPad mini」が登場、iPadは第3世代→第4世代へ

     長く噂されていた「iPad mini」が、今秋、ついに発売された。ディスプレイこそRetinaではないとはいえ、こなれたiOSの操作性とコンパクトなサイズの相性は当初から好意的に受け止められている。これまでタブレットに興味は持ちつつも、購入をためらっていたユーザーが数多く存在するなか、タブレット市場を拡大する本命のデバイスとも目される。「iPad」については、第3世代が今春発表されており、しばらくは次世代機が登場しないとの見方もあったものの、「iPad mini」と同時に第4世代が発表され、多くの人をあっと驚かせた。どちらもLTE対応版が登場しているが、さらにiPhoneのテザリング対応もあって、これまでのiPadでは味わっていなかった利便性を初めて体験する人もいる。iPhoneの進化とあわせて、iPadの世界も拡大していく。アップル製品の醍醐味と言えるだろう。

  • 10(136票)

    ソフトバンクがプラチナバンド獲得、エリア拡充図る

     ここ数年、ソフトバンクの3Gネットワークはユーザーから厳しく評価されてきた。だからこそ同社は2010年春から「電波改善宣言」を掲げて、エリア改善に立ち向かった。そして他社が保有しつつも、同社は利用できない800MHz帯周辺の電波の割当を強く要望しており、今春、念願の“プラチナバンド”である900MHz帯を獲得した。サービス開始にあわせて「つながらない→つながる」という、これまでの同社ネットワークの不備を認めるキャッチコピーを大胆に掲げ、ネットワークの改善を印象付けたが、実際の携帯電話のネットワークは一朝一夕に進まないもの。免許獲得~サービス開始まで意気軒昂だった孫氏も、今夏の四半期決算では「ある日突然、全国で繋がるわけではない」とコメントした。とはいえ、ここ最近のソフトバンクのネットワークは繋がりやすくなってきたとの声も聞こえる。他社を追い越すネットワーク品質の実現を期待したい。

以下、獲得票順

(130票)HTCが開発した日本向けスマホ「HTC J」が登場、冬には「butterfly」も
(105票)ソーシャルゲームで「絵合わせ問題」、自主規制進む
(100票)地下鉄のサービスエリア化、大幅に進展
(96票)AmazonのKindleがついに登場、対抗の電子書籍端末も多数登場
(79票)ソニー・エリクソンがソニーモバイルに、パナソニックは欧州撤退へあ
(64票)複数のSIMカードを提供するMVNOサービス、続々
(59票)アプリ使い放題の「auスマートパス」、ブックパスなども登場
(58票)マイクロソフトが「Windows Phone 8」発表
(55票)携帯解除料条項で裁判、各社ごとに判断分かれる
(37票)らくらくホンがスマートフォンに
(35票)ドコモがクラウドに注力、「しゃべってコンシェル」が人気
(34票)UQ、TD-LTE互換の「WiMAX 2 」導入へ
(32票)「○○ the Movie」、個人情報を抜き取るアプリが出現
(26票)ウィルコム、ルーター一体型やバッテリー一体型PHSを投入
(23票)JOJO、ヱヴァ、ONE PIECE――ドコモがコラボモデルに注力
(19票)NFC対応スマホが増加、決済サービス提供へ
(18票)「Twonkey Beam」や「nasne」など、スマホとAV機器との連携進む
(18票)スマホ向け放送局「NOTTV」スタート
(16票)ソフトバンク、AXGPサービスを本格展開
(13票)ドコモからもディズニースマホ登場